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介護休暇は何日取れるのか──育児介護休業法16条の5の「五労働日」を条文で確かめた

介護休暇は何日取れるのか──育児介護休業法16条の5の「五労働日」を条文で確かめた
介護休暇は何日取れるのか──育児介護休業法16条の5の「五労働日」を条文で確かめた

親の通院に付き添う日や、介護サービスの手続きで役所に行く日に、介護休暇は何日まで使えるのでしょうか。

職場で「年5日」と聞いたことはあっても、家族が2人いる場合や半日だけ抜けたい場合の扱いは、説明がばらばらになりがちです。

この記事は、介護休暇の日数と取り方を、育児介護休業法と施行規則の言葉だけで確かめます。

結論から書きます。

条文の限度は一の年度に五労働日で、対象家族が二人以上なら十労働日です。

条文の確認日は2026年10月17日です。

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介護休暇は何日取れるのか=第16条の5第1項の「一の年度において五労働日」

介護休暇の日数を決めているのは、育児介護休業法の第十六条の五第一項です。

見出しは「介護休暇の申出」で、日数・対象・目的が1つの文にまとめて置かれています。

要介護状態にある対象家族の介護その他の厚生労働省令で定める世話を行う労働者は、その事業主に申し出ることにより、一の年度において五労働日(要介護状態にある対象家族が二人以上の場合にあっては、十労働日)を限度として、当該世話を行うための休暇(以下「介護休暇」という。)を取得することができる。

(育児介護休業法 第十六条の五第一項)

限度の数字は五労働日と十労働日の2つだけで、分かれ目は要介護状態にある対象家族の人数です。

「労働日」という単位なので、もともと働く日でない日を休暇として数える書き方にはなっていません。

条文はカッコの中で「介護休暇」という呼び名をこの休暇に付けています。

要介護状態にある対象家族の人数一の年度の限度根拠
一人五労働日第十六条の五第一項
二人以上十労働日第十六条の五第一項カッコ内
取得の方法事業主への申出第十六条の五第一項・第三項
数え始めの日四月一日(別段の定めがある場合を除く)第十六条の五第四項

条文が「十労働日」と書いているのは、二人以上の場合の合計の限度です。

一人ごとに五労働日ずつ割り振るという書き方は、第一項のどこにもありません。

「労働日」で日数を切る書き方は、有給休暇の日数を労働基準法39条の「十労働日」で確かめた記事でも同じ形で出てきます。↓

介護休暇の対象家族=第2条第4号と施行規則3条が並べる続柄

介護休暇を使える相手は「対象家族」と決められています。

その範囲は、法律の第二条第四号と施行規則第三条の2か所で読みます。

配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)、父母及び子(これらの者に準ずる者として厚生労働省令で定めるものを含む。)並びに配偶者の父母をいう。

(育児介護休業法 第二条第四号)

配偶者には、婚姻の届出をしていない事実上の配偶者も入っています。

「これらの者に準ずる者」の中身は、施行規則第三条が決めています。

法第二条第四号の厚生労働省令で定めるものは、祖父母、兄弟姉妹及び孫とする。

(育児介護休業法施行規則 第三条)

対象家族根拠
配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)法第二条第四号
父母法第二条第四号
子法第二条第四号
配偶者の父母法第二条第四号
祖父母施行規則第三条
兄弟姉妹施行規則第三条
孫施行規則第三条

同居しているかどうかは、この7つの続柄の要件に入っていない形になっています。

一方で、配偶者の祖父母や配偶者の兄弟姉妹は、第二条第四号と第三条の列挙に出てきません。

列挙に無い親族は、第十六条の五第一項の「対象家族」の外にいることになります。

介護休暇の前提になる「要介護状態」=第2条第3号と施行規則2条の「二週間以上」

第十六条の五第一項は、対象家族が「要介護状態にある」ことを前提にしています。

その言葉の定義が、第二条第三号に置かれています。

負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、厚生労働省令で定める期間にわたり常時介護を必要とする状態をいう。

(育児介護休業法 第二条第三号)

定義は「負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により」「厚生労働省令で定める期間にわたり」「常時介護を必要とする状態」の3つの部品でできています。

期間の部品を埋めているのが、施行規則第二条です。

法第二条第三号の厚生労働省令で定める期間は、二週間以上の期間とする。

(育児介護休業法施行規則 第二条)

期間の線は二週間以上で、短いけがで数日寝込む状態とは書き分けられています。

定義の部品条文の言葉根拠
原因負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害法第二条第三号
続く長さ二週間以上の期間施行規則第二条
状態常時介護を必要とする状態法第二条第三号

この3つがそろった家族が、介護休暇の対象になる「要介護状態にある対象家族」です。

介護休業の第十一条も同じ第二条第三号の定義を使うので、前提の線は介護休業と共通になります。

介護休暇で行える世話=施行規則38条の「通院等の付添い」と手続きの代行

第十六条の五第一項は、休暇の目的を「介護その他の厚生労働省令で定める世話」と定めています。

その世話の中身は、施行規則第三十八条が2つの号で並べています。

法第十六条の五第一項の厚生労働省令で定める世話は、次に掲げるものとする。

(育児介護休業法施行規則 第三十八条)

介護

(育児介護休業法施行規則 第三十八条第一号)

通院等の付添い、介護サービスの提供を受けるために必要な手続きの代行その他の必要な世話

(育児介護休業法施行規則 第三十八条第二号)

第二号には通院等の付添いと手続きの代行が名指しで入っています。

施行規則第三十八条条文の言葉当てはまる場面の言葉
第一号介護要介護状態にある対象家族の介護そのもの
第二号通院等の付添い通院等への付き添い
第二号介護サービスの提供を受けるために必要な手続きの代行介護サービスを受けるための手続きを本人に代わって行うこと
第二号その他の必要な世話第一号・第二号の列挙に準じる世話

条文は「その他の必要な世話」で列挙を閉じているので、付添いと手続きの代行だけに限る書き方ではありません。

職場に申し出るときは、第三十八条のどの号に当たるかを言葉にしておくと話が早くなります。

介護休暇の時間単位=第16条の5第2項と施行規則40条の「始業の時刻から連続」

1日まるごとでなく、数時間だけ抜けたい日もあります。

第十六条の五第二項が、一日未満の単位での取得を置いています。

介護休暇は、一日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるもの以外の者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める一日未満の単位で取得することができる。

(育児介護休業法 第十六条の五第二項)

「一日未満の単位」の中身は、施行規則第四十条第一項です。

法第十六条の五第二項の厚生労働省令で定める一日未満の単位は、時間(一日の所定労働時間数に満たないものとする。)であって、始業の時刻から連続し、又は終業の時刻まで連続するものとする。

(育児介護休業法施行規則 第四十条第一項)

単位は始業から続く時間か、終業まで続く時間の2通りで書かれています。

勤務の途中で抜けて戻る形は、第四十条第一項の言葉には入っていません。

1日分を何時間と数えるかは、同じ条の第二項が決めています。

前項に規定する一日未満の単位で取得する介護休暇一日の時間数は、一日の所定労働時間数(日によって所定労働時間数が異なる場合には、一年間における一日平均所定労働時間数とし、一日の所定労働時間数又は一年間における一日平均所定労働時間数に一時間に満たない端数がある場合は、一時間に切り上げるものとする。)とする。

(育児介護休業法施行規則 第四十条第二項)

論点施行規則第四十条の言葉項
取得の単位時間(一日の所定労働時間数に満たないもの)第一項
時間の取り方始業の時刻から連続し、又は終業の時刻まで連続する第一項
1日分の時間数一日の所定労働時間数第二項
日によって所定労働時間数が違う人一年間における一日平均所定労働時間数第二項
1時間に満たない端数一時間に切り上げる第二項

所定労働時間に分単位の端数がある人は、1日分の時間数が切り上げで決まる点を押さえておくと計算がずれません。

介護休暇の申出の方法=第16条の5第3項と施行規則41条の4項目

申出のときに明らかにすることは、法律と施行規則の両方に書かれています。

まず法律の側が、第十六条の五第三項です。

第一項の規定による申出は、厚生労働省令で定めるところにより、当該申出に係る対象家族が要介護状態にあること及び介護休暇を取得する日(前項の厚生労働省令で定める一日未満の単位で取得するときは介護休暇の開始及び終了の日時)を明らかにして、しなければならない。

(育児介護休業法 第十六条の五第三項)

施行規則第四十一条第一項は、それを4つの号に分けています。

法第十六条の五第一項の規定による申出(以下この条及び第四十三条において「介護休暇申出」という。)は、次に掲げる事項を、事業主に対して明らかにすることによって、行わなければならない。

(育児介護休業法施行規則 第四十一条第一項)

施行規則第四十一条第一項明らかにする事項
第一号介護休暇申出をする労働者の氏名
第二号対象家族の氏名と労働者との続柄
第三号取得する年月日(一日未満の単位なら開始及び終了の年月日時)
第四号対象家族が要介護状態にある事実

事業主の側には、書類を求める手段が第二項で置かれています。

事業主は、介護休暇申出があったときは、当該介護休暇申出をした労働者に対して、前項第二号及び第四号に掲げる事実を証明することができる書類の提出を求めることができる。

(育児介護休業法施行規則 第四十一条第二項)

求められる書類は続柄と要介護状態の事実を証明するものに限られた書き方です。

第四十一条には、申出を何日前までにという期限の数字は置かれていません。

期限を決める言葉が条文に無い点は、介護休暇を当日や前日に使いたい人にとって大事な読みどころになります。

介護休暇の「年度」=第16条の5第4項の「四月一日」から「三月三十一日」

第一項の「一の年度」がいつからいつまでかは、第四項が決めています。

第一項の年度は、事業主が別段の定めをする場合を除き、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わるものとする。

(育児介護休業法 第十六条の五第四項)

原則は4月1日に始まって翌年3月31日に終わる1年です。

ただし「事業主が別段の定めをする場合を除き」とあるので、会社が1月始まりなどの区切りを決めていればそちらが当てはまります。

年度の決め方一の年度の範囲根拠
事業主の別段の定めが無い場合四月一日から翌年三月三十一日まで第十六条の五第四項
事業主が別段の定めをした場合その定めによる期間第十六条の五第四項

自分の会社の年度の区切りは、就業規則の介護休暇の規定で確かめるのが近道です。

介護休暇の申出は拒めない=第16条の6第1項の「拒むことができない」

申出を受けた事業主の義務は、第十六条の六第一項に1文で置かれています。

事業主は、労働者からの前条第一項の規定による申出があったときは、当該申出を拒むことができない。

(育児介護休業法 第十六条の六第一項)

条文の言葉は申出を拒むことができないで、許可制の形はとられていません。

第十六条の五第一項も「事業主に申し出ることにより」「取得することができる」と書いているので、取得の起点は労働者の申出です。

繁忙期を理由に事業主が日を変えさせる言葉も、第十六条の五と第十六条の六には置かれていません。

第五十六条の二の公表の対象にも、第十六条の六第一項が挙がっています。

第十六条の六第一項

(育児介護休業法 第五十六条の二)

勧告に従わなかった事業主は、その旨を公表され得る並びになっています。

介護休暇を労使協定で外せる労働者=第16条の6第2項が準用する第6条第1項第2号

拒めないという第一項には、労使協定による例外が1つだけ付いています。

それが第十六条の六第二項の準用です。

第六条第一項ただし書(第二号に係る部分に限る。)及び第二項の規定は、労働者からの前条第一項の規定による申出があった場合について準用する。

(育児介護休業法 第十六条の六第二項)

準用されるのは、第六条第一項ただし書のうち第二号に係る部分だけです。

第六条第一項のただし書は、次の文です。

ただし、当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち育児休業をすることができないものとして定められた労働者に該当する労働者からの育児休業申出があった場合は、この限りでない。

(育児介護休業法 第六条第一項)

前号に掲げるもののほか、育児休業をすることができないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの

(育児介護休業法 第六条第一項第二号)

第二号の「厚生労働省令で定めるもの」は、介護休暇の側では施行規則第四十二条が決めています。

法第十六条の六第二項において準用する法第六条第一項第二号の厚生労働省令で定めるものは、第八条第二号の労働者とする。

(育児介護休業法施行規則 第四十二条)

一週間の所定労働日数が著しく少ないものとして厚生労働大臣が定める日数以下の労働者

(育児介護休業法施行規則 第八条第二号)

さらに第十六条の六第二項の読み替えで、時間単位の取得に限った除外が加わっています。

業務の性質若しくは業務の実施体制に照らして、第十六条の五第二項の厚生労働省令で定める一日未満の単位で介護休暇を取得することが困難と認められる業務に従事する労働者(同項の規定による厚生労働省令で定める一日未満の単位で取得しようとする者に限る。)

(育児介護休業法 第十六条の六第二項)

労使協定で定められる労働者外れる範囲根拠
一週間の所定労働日数が著しく少ないものとして厚生労働大臣が定める日数以下の労働者介護休暇の申出第十六条の六第二項・施行規則第四十二条・第八条第二号
一日未満の単位で取得することが困難と認められる業務に従事する労働者一日未満の単位での取得だけ第十六条の六第二項の読み替え
引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者(第六条第一項第一号)準用の対象外第十六条の六第二項「第二号に係る部分に限る」

勤続の長さで外す第一号は、介護休暇の準用から外されている並びです。

協定で外された労働者が拒まれた場合の効果は、準用される第六条第二項が決めています。

拒む場合の手続は、施行規則第四十三条が協定の定めに委ねています。

法第十六条の六第二項において準用する法第六条第一項ただし書(第二号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)の規定により、事業主が労働者からの介護休暇申出を拒む場合における必要な手続その他の事項は、同項ただし書の協定の定めるところによる。

(育児介護休業法施行規則 第四十三条)

介護休暇と不利益取扱いの禁止=第16条の7が準用する第16条

申出をしたこと、休暇を取ったことを理由にした扱いの禁止は、第十六条の七の準用で置かれています。

第十六条の規定は、第十六条の五第一項の規定による申出及び介護休暇について準用する。

(育児介護休業法 第十六条の七)

準用元の第十六条は、介護休業についての不利益取扱いの禁止です。

事業主は、労働者が介護休業申出をし、又は介護休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

(育児介護休業法 第十六条)

介護休暇に読み替えると、申出や取得を理由とする解雇その他不利益な取扱いが禁じられる形になります。

禁止の言葉は「解雇その他不利益な取扱い」で、解雇だけに限った書き方ではありません。

第五十六条の二の公表の列挙にも、第十六条の七で準用する第十六条が入っています。

第十六条(第十六条の四及び第十六条の七において準用する場合を含む。)

(育児介護休業法 第五十六条の二)

介護休暇の日の賃金=第16条の5から第16条の7に賃金の定めは置かれていない

介護休暇を取った日が有給か無給かは、多くの人がいちばん気にするところです。

第十六条の五から第十六条の七までの3つの条を並べると、賃金という語は1度も出てきません。

論点介護休暇の条文条文の状態
日数の限度第十六条の五第一項五労働日・十労働日と定めている
時間単位第十六条の五第二項・施行規則第四十条時間を単位と定めている
事業主の義務第十六条の六第一項拒むことができないと定めている
不利益取扱い第十六条の七・第十六条解雇その他不利益な取扱いを禁じている
休暇の日の賃金第十六条の五から第十六条の七賃金の定めを置いていない

有給か無給かは、就業規則や労働契約で決まる側の話になります。

年次有給休暇とは別の休暇なので、介護休暇を取っても年次有給休暇の日数が減る書き方は条文にありません。

賃金が出るかどうかを知りたいときは、就業規則の介護休暇の章を開くのが先です。

介護休暇と介護休業の違い=第11条と第16条の5の読み比べ

名前が似ていて混同されやすいのが、第十一条の介護休業です。

同じ「要介護状態にある対象家族」を前提にしながら、条文の組み立ては大きく違います。

当該対象家族について三回の介護休業をした場合

(育児介護休業法 第十一条第二項第一号)

比べる項目介護休暇(第十六条の五)介護休業(第十一条)
日数・回数の線一の年度に五労働日(二人以上は十労働日)対象家族ごとに三回・九十三日
数える単位労働日(時間単位も可)介護休業を開始した日から終了した日までの日数
区切り年度ごとに数え直す対象家族ごとに通算する
申出で明らかにすること要介護状態にあること・取得する日要介護状態にあること・開始予定日と終了予定日
不利益取扱いの禁止第十六条の七が準用する第十六条第十六条

介護休暇は年度ごとに数え直す短い休みという位置づけです。

長く仕事を離れて介護の体制を整える側が介護休業、通院や手続きのたびに使う側が介護休暇と、条文の数字が役割を分けています。

介護休業の側の日数と分割の回数は、介護休業は何日取れるのかを育児介護休業法11条で確かめた記事で第十一条の号まで並べています。↓

同じ五労働日の形をとる子どもの側の休暇は、子の看護休暇の日数を育児介護休業法16条の2で確かめた記事で確かめています。↓

介護休暇と並ぶ介護の制度=第16条の9・第18条・第20条・第23条第3項

介護休暇の日数だけでは足りないとき、同じ法律には働き方そのものを変える請求と措置が並んでいます。

所定外労働の制限は、第十六条の九第一項が第十六条の八を介護に準用する形です。

前条第一項から第三項まで及び第四項(第二号を除く。)の規定は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者について準用する。

(育児介護休業法 第十六条の九第一項)

時間外労働の制限は第十八条第一項が第十七条を、深夜業の制限は第二十条第一項が第十九条を、それぞれ介護に準用しています。

制限時間(一月について二十四時間、一年について百五十時間をいう。次項及び第十八条の二において同じ。)

(育児介護休業法 第十七条第一項)

午後十時から午前五時までの間(以下この条及び第二十条の二において「深夜」という。)

(育児介護休業法 第十九条第一項)

所定労働時間の短縮等の措置は、第二十三条第三項が事業主に講じることを求めています。

事業主は、その雇用する労働者のうち、その要介護状態にある対象家族を介護する労働者であって介護休業をしていないものに関して、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づく連続する三年の期間以上の期間における所定労働時間の短縮その他の当該労働者が就業しつつその要介護状態にある対象家族を介護することを容易にするための措置

(育児介護休業法 第二十三条第三項)

制度介護への準用・根拠条文の線
介護休暇第十六条の五一の年度に五労働日(二人以上は十労働日)
所定外労働の制限第十六条の九が準用する第十六条の八所定労働時間を超えて労働させてはならない
時間外労働の制限第十八条が準用する第十七条一月二十四時間・一年百五十時間
深夜業の制限第二十条が準用する第十九条午後十時から午前五時まで
所定労働時間の短縮等の措置第二十三条第三項連続する三年の期間以上の期間

通院の日だけ抜けるなら介護休暇、毎日の残業を止めるなら所定外労働の制限と、目的で使い分ける並びです。

時間外労働の制限が前提にしている労働基準法第三十六条の協定は、36協定の限度時間を労働基準法36条で確かめた記事で上限の線を並べています。↓

深夜の時間帯が同じ「午後十時から午前五時」で切られている点は、深夜手当が何時から付くのかを労働基準法37条4項で確かめた記事でも確かめています。↓

介護休暇を会社が知らせる義務=第21条第4項・第5項と施行規則69条の9

介護休暇の制度を知らないまま休みを使い切ってしまう人は少なくありません。

第二十一条第四項は、介護が必要になったと申し出た労働者に、事業主が制度を知らせる義務を置いています。

事業主は、労働者が当該事業主に対し、対象家族が当該労働者の介護を必要とする状況に至ったことを申し出たときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者に対して、介護休業に関する制度、仕事と介護との両立に資するものとして厚生労働省令で定める制度又は措置(以下この条及び第二十二条第四項において「介護両立支援制度等」という。)その他の厚生労働省令で定める事項を知らせるとともに

(育児介護休業法 第二十一条第四項)

「厚生労働省令で定める制度又は措置」の1番目に、介護休暇が入っています。

介護休暇に関する制度

(育児介護休業法施行規則 第六十九条の九第一号)

介護休暇は、事業主が個別に知らせる制度の筆頭に置かれています。

介護が始まる前の時期についても、第二十一条第五項が知らせる義務を置いています。

当該労働者が四十歳に達した日の属する年度

(育児介護休業法 第二十一条第五項)

四十歳に達した日の属する年度の初日から末日までの期間

(育児介護休業法施行規則 第六十九条の十三第一号)

四十歳に達した日の翌日から起算して一年間

(育児介護休業法施行規則 第六十九条の十三第二号)

知らせる事項は、第六十九条の十二が第六十九条の十を準用する形で、介護休暇を含む制度の一覧になっています。

介護休暇の利用と職場の言動=第25条と施行規則76条4号

休暇を使うたびに上司や同僚から嫌味を言われる、という悩みにも条文があります。

第二十五条第一項が、制度の利用に関する言動で就業環境が害されないための措置を事業主に求めています。

事業主は、職場において行われるその雇用する労働者に対する育児休業、介護休業その他の子の養育又は家族の介護に関する厚生労働省令で定める制度又は措置の利用に関する言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

(育児介護休業法 第二十五条第一項)

ここでいう「厚生労働省令で定める制度又は措置」に、介護休暇が号として入っています。

介護休暇

(育児介護休業法施行規則 第七十六条第四号)

相談したことを理由にした扱いも、同じ条の第二項が禁じています。

事業主は、労働者が前項の相談を行ったこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

(育児介護休業法 第二十五条第二項)

会社の相談窓口に話したことで不利益な取扱いを受けないという線が、第二項で引かれています。

介護休暇で会社と食い違ったとき=第52条の4の援助と第56条の勧告

申出を断られた、休んだあとに扱いが変わった、というときに使える条文も並べておきます。

介護休暇の第十六条の五から第十六条の七は、法律の第五章「介護休暇」に置かれています。

事業主は、第二章から第八章まで、第二十一条、第二十三条から第二十三条の三まで及び第二十六条に定める事項に関し、労働者から苦情の申出を受けたときは

(育児介護休業法 第五十二条の二)

第五章は第二章から第八章までの範囲に入るので、介護休暇の苦情は第五十二条の二の対象です。

その紛争について、都道府県労働局長の援助が第五十二条の四第一項に置かれています。

都道府県労働局長は、前条に規定する紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導又は勧告をすることができる。

(育児介護休業法 第五十二条の四第一項)

厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる。

(育児介護休業法 第五十六条)

手段動く主体根拠
苦情の自主的な解決事業主(苦情処理機関)第五十二条の二
紛争の解決の援助(助言・指導・勧告)都道府県労働局長第五十二条の四第一項
調停紛争調整委員会第五十二条の五第一項
報告の徴収・助言・指導・勧告厚生労働大臣第五十六条
勧告に従わない場合の公表厚生労働大臣第五十六条の二

援助を求めたことを理由にした不利益な取扱いは、第五十二条の四第二項が第二十五条第二項を準用して禁じています。

第二十五条第二項の規定は、労働者が前項の援助を求めた場合について準用する。

(育児介護休業法 第五十二条の四第二項)

介護休暇についてよくある質問

介護休暇は1年に何日取れますか?

育児介護休業法第十六条の五第一項は、一の年度において五労働日を限度と定めています。

要介護状態にある対象家族が二人以上の場合は、十労働日が限度です。

介護休暇は時間単位で取れますか?

第十六条の五第二項と施行規則第四十条第一項が、時間を単位とする取得を定めています。

時間は、始業の時刻から連続するか、終業の時刻まで連続するものとされています。

介護休暇の対象になる家族は誰ですか?

第二条第四号の配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)・父母・子・配偶者の父母と、施行規則第三条の祖父母・兄弟姉妹・孫です。

要介護状態とはどんな状態ですか?

第二条第三号は、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、厚生労働省令で定める期間にわたり常時介護を必要とする状態と定めています。

期間は、施行規則第二条で二週間以上の期間とされています。

介護休暇は通院の付き添いにも使えますか?

施行規則第三十八条第二号が、通院等の付添い、介護サービスの提供を受けるために必要な手続きの代行その他の必要な世話を挙げています。

会社は介護休暇の申出を断れるのですか?

第十六条の六第一項は、事業主は申出を拒むことができないと定めています。

例外は、第十六条の六第二項が準用する労使協定で定められた労働者に限られます。

入社して間もない人も介護休暇を取れますか?

第十六条の六第二項が準用するのは第六条第一項ただし書のうち第二号に係る部分に限られ、引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者を挙げる第一号は準用の範囲に入っていません。

介護休暇の日は給料が出ますか?

第十六条の五から第十六条の七には、休暇の日の賃金の定めは置かれていません。

有給か無給かは、就業規則や労働契約の定めで確かめることになります。

介護休暇を条文で確かめた結果の一覧

条文で確かめたこと
  • 介護休暇の限度は一の年度に五労働日、要介護状態にある対象家族が二人以上なら十労働日(第十六条の五第一項)
  • 対象家族は配偶者・父母・子・配偶者の父母(第二条第四号)と祖父母・兄弟姉妹・孫(施行規則第三条)
  • 要介護状態は二週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態(第二条第三号・施行規則第二条)
  • 世話には通院等の付添いと介護サービスの手続きの代行が入る(施行規則第三十八条)
  • 時間単位で取れ、始業から連続か終業まで連続する時間で取る(第十六条の五第二項・施行規則第四十条)
  • 年度は別段の定めが無ければ四月一日から翌年三月三十一日まで(第十六条の五第四項)
  • 事業主は申出を拒めず、労使協定で外せるのは第六条第一項第二号の範囲と時間単位が困難な業務だけ(第十六条の六)
  • 申出・取得を理由とする解雇その他不利益な取扱いは禁止(第十六条の七が準用する第十六条)
  • 休暇の日の賃金の定めは第十六条の五から第十六条の七に置かれていない

介護休暇を使う前に、自分の対象家族が何人か、会社の年度の区切りがいつか、時間単位の取り方がどう決まっているかの3点を就業規則で確かめてみてください。

条文の線が分かっていれば、職場の説明が条文と合っているかを自分で見比べられます。

個別の事情への当てはめは、事業場を管轄する都道府県労働局か弁護士に相談する領域になります。


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入社のときに受け取る書面で休暇の定めをどこに書くかは、労働条件通知書の記載事項を労働基準法15条と施行規則5条で確かめた記事で全項目を並べています。↓

子育ての側の働き方を変える措置は、育児短時間勤務の時間数を育児介護休業法施行規則73条で確かめた記事で確かめています。↓


参考文献

条文の確認日は2026年10月17日です。

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