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時季変更権はいつ使えるのか──労働基準法39条5項の「事業の正常な運営を妨げる場合」を条文で確かめた

時季変更権はいつ使えるのか──労働基準法39条5項の「事業の正常な運営を妨げる場合」を条文で確かめた
時季変更権はいつ使えるのか──労働基準法39条5項の「事業の正常な運営を妨げる場合」を条文で確かめた

有給休暇を申し出たときに会社が別の日へ移すよう求める力は、一般に時季変更権と呼ばれています。

上司から「その日は困るから別の日にして」と言われた経験はありませんか。

この記事は、時季変更権がどんな場面で使えるのかを、労働基準法と施行規則の言葉だけで確かめます。

まず結論から入りましょう。

条文の条件は事業の正常な運営を妨げる場合の1つだけです。

条文の確認日は2026年10月17日です。

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時季変更権の答え=第39条第5項ただし書の「他の時季にこれを与えることができる」

最初に押さえたいのは、「時季変更権」という言葉そのものは労働基準法の条文に出てこないことです。

中身にあたる定めは、第三十九条第五項のただし書に置かれています。

ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。

(労働基準法 第三十九条第五項)

ただし書の言葉を分けると、条件と効果の2つになります。

条件は「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合」です。

効果は他の時季にこれを与えることができるという一文にとどまります。

つまり条文の効果は「有給休暇を与えない」ではなく、「別の時季に与える」という形をとっています。

ただし書の部分条文の言葉読み取れること
だれが(使用者)第五項の主語は使用者
何に対して請求された時季労働者が請求した時季が出発点
どんなときに事業の正常な運営を妨げる場合条件はこの1つ
何ができるか他の時季にこれを与えることができる与えないのではなく時季を移す

「忙しいから有給休暇は取らせない」という扱いは、条文の効果の言葉と合いません。

ただし書が使用者に認めているのは、あくまで時季を移すところまでです。

時季変更権の前提=第39条第5項本文の「労働者の請求する時季に与えなければならない」

ただし書を読む前に、本文がどちらを原則にしているかを確かめます。

使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。

(労働基準法 第三十九条第五項)

原則は労働者の請求する時季に与えるという形で、使用者の義務として定めています。

本文は「与えなければならない」、ただし書は「与えることができる」と書き分けられています。

原則が労働者の請求で、例外が使用者の変更という順番です。

ここで条文が使っている語は「時期」ではなく「時季」になります。

第五項・第六項・第七項のどれも、この「時季」の字でそろえています。

第三十九条第五項主語書き方位置づけ
本文使用者労働者の請求する時季に与えなければならない原則
ただし書使用者他の時季にこれを与えることができる例外

請求の前提になる日数そのものは、有給休暇の日数を労働基準法39条の加算の表で確かめた記事で第一項から第三項を順に読んでいます。↓

時季変更権の要件=「事業の正常な運営を妨げる場合」を言葉ごとに分ける

ただし書の条件を、もう少し細かく言葉ごとに分けてみます。

請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合

(労働基準法 第三十九条第五項)

主語にあたるのは「請求された時季に有給休暇を与えること」です。

妨げる対象として置かれているのは「事業の正常な運営」になっています。

条文が見ているのは請求された時季に与えることが妨げになるかどうかです。

「人手が足りない」「繁忙期だから」といった言葉は、第五項のどこにも出てきません。

条文が置いている物差しは「事業の正常な運営を妨げる場合」という言葉の1本だけです。

条件の言葉条文での役割
請求された時季に比べる時季は労働者が請求した時季
有給休暇を与えることが妨げの原因として見るのは休暇を与えること
事業の見る単位は事業
正常な運営を妨げる場合妨げる場合に限って例外が働く

どんな事情がこの条件に当たるかの具体例は、第三十九条の中に並んでいません。

個別の当てはめは、労働基準監督署や弁護士に相談する領域になります。

時季変更権が及ぶ有給休暇=第5項の「前各項の規定による有給休暇」

第五項の本文は、対象を「前各項の規定による有給休暇」としています。

前各項とは、第一項から第四項までのことです。

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

(労働基準法 第三十九条第一項)

第一項は、六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に十労働日を与える定めです。

第二項は継続勤務年数に応じた加算、第三項は所定労働日数が少ない労働者の日数を扱っています。

当該協定で定めるところにより時間を単位として有給休暇を与えることができる。

(労働基準法 第三十九条第四項)

第四項の時間を単位とする有給休暇も、前各項に入る並びです。

第三十九条中身第五項の対象か
第一項6か月継続勤務・8割以上出勤で十労働日対象(前各項)
第二項継続勤務年数に応じた加算対象(前各項)
第三項所定労働日数が少ない労働者の日数対象(前各項)
第四項労使協定による時間単位の有給休暇対象(前各項)

日単位でも時間単位でも、第五項の本文とただし書がそのまま当てはまる形になっています。

時季変更権と時間単位の有給休暇=第4項の協定と施行規則24条の4

時間単位の有給休暇は、労使協定で決めた範囲で使えるしくみです。

時間を単位として有給休暇を与えることができることとされる労働者の範囲

(労働基準法 第三十九条第四項第一号)

時間を単位として与えることができることとされる有給休暇の日数(五日以内に限る。)

(労働基準法 第三十九条第四項第二号)

時間単位で与えられる日数は五日以内に限るとされています。

協定で定める事項の残りは、施行規則第二十四条の四が並べています。

時間を単位として与えることができることとされる有給休暇一日の時間数(一日の所定労働時間数(日によつて所定労働時間数が異なる場合には、一年間における一日平均所定労働時間数。次号において同じ。)を下回らないものとする。)

(労働基準法施行規則 第二十四条の四第一号)

一時間以外の時間を単位として有給休暇を与えることとする場合には、その時間数(一日の所定労働時間数に満たないものとする。)

(労働基準法施行規則 第二十四条の四第二号)

1日分を何時間と数えるかは、1日の所定労働時間数を下回らない数で決める形です。

1時間以外の単位にするときも、1日の所定労働時間数に満たない時間数とされています。

こうして決めた時間単位の有給休暇も第四項の有給休暇なので、請求の時季と時季変更の定めは第五項に戻って読みます。

時季変更権と計画的付与=第39条第6項の「前項の規定にかかわらず」

労働者の請求ではなく、労使協定で時季を決めるしくみもあります。

それが第三十九条第六項です。

使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項から第三項までの規定による有給休暇を与える時季に関する定めをしたときは、これらの規定による有給休暇の日数のうち五日を超える部分については、前項の規定にかかわらず、その定めにより有給休暇を与えることができる。

(労働基準法 第三十九条第六項)

第六項は前項の規定にかかわらずと書いて、第五項の外に出ています。

協定で時季を決めた分は、労働者の請求と使用者の時季変更という第五項の組み立てに乗りません。

協定の時季どおりに与える、というのが第六項の効果です。

ただし、協定で決められる日数には線が引かれています。

これらの規定による有給休暇の日数のうち五日を超える部分については

(労働基準法 第三十九条第六項)

協定で時季を決められるのは五日を超える部分だけです。

裏から読むと、5日分は協定で時季を決められず、労働者が請求する時季で取る部分として残ります。

しくみ時季を決めるのは対象の日数根拠
時季指定と時季変更労働者(変更は使用者)第一項から第四項の有給休暇第三十九条第五項
計画的付与労使協定第一項から第三項の日数のうち5日を超える部分第三十九条第六項
年5日の時季指定使用者10労働日以上の労働者の5日第三十九条第七項

第六項の協定には、第四項と同じく過半数労働組合か過半数代表者との書面が要ります。

過半数代表者との書面協定という同じ形をとる制度には、36協定の限度時間を労働基準法36条で確かめた記事で読んだ時間外労働の協定もあります。↓

時季変更権と年5日の時季指定=第39条第7項の「労働者ごとにその時季を定める」

第七項は、使用者のほうから時季を定めて与える義務を置いています。

使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇(これらの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が十労働日以上である労働者に係るものに限る。以下この項及び次項において同じ。)の日数のうち五日については、基準日(継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日をいう。以下この項において同じ。)から一年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。

(労働基準法 第三十九条第七項)

対象は十労働日以上を与えられる労働者で、そのうち5日の部分です。

第五項のただし書は、労働者が請求した時季を使用者が動かす定めでした。

第七項は、労働者の請求を待たずに使用者が時季を定める定めで、向きが逆になっています。

使用者が時季を定めるときの手順は、施行規則第二十四条の六が決めています。

使用者は、法第三十九条第七項の規定により労働者に有給休暇を時季を定めることにより与えるに当たつては、あらかじめ、同項の規定により当該有給休暇を与えることを当該労働者に明らかにした上で、その時季について当該労働者の意見を聴かなければならない。

(労働基準法施行規則 第二十四条の六第一項)

使用者は、前項の規定により聴取した意見を尊重するよう努めなければならない。

(労働基準法施行規則 第二十四条の六第二項)

使用者はあらかじめ労働者の意見を聴くことになり、聴いた意見を尊重するよう努める立場です。

比べる点第三十九条第五項ただし書第三十九条第七項
使用者がすること請求された時季を他の時季に移す時季を定めて与える
出発点労働者の請求基準日から1年以内の期間
条件・対象事業の正常な運営を妨げる場合10労働日以上の労働者の5日
手続第五項に定めなし意見を聴き尊重に努める(施行規則第二十四条の六)

時季変更権と第39条第8項=請求や計画的付与で取った日数は5日から引く

第七項の5日と、労働者が自分で請求して取った日数の関係は、第八項が決めています。

前項の規定にかかわらず、第五項又は第六項の規定により第一項から第三項までの規定による有給休暇を与えた場合においては、当該与えた有給休暇の日数(当該日数が五日を超える場合には、五日とする。)分については、時季を定めることにより与えることを要しない。

(労働基準法 第三十九条第八項)

第五項か第六項で与えた日数の分は時季を定めて与えなくてよいという形です。

引ける日数には、かっこ書きで5日の上限があります。

第五項による取得には、時季変更を受けて他の時季に与えた分も入る並びです。

その年に与えた有給休暇第七項で使用者が時季を定める日数
第五項(請求)で0日5日
第五項(請求)で3日残りの2日
第五項と第六項で合わせて5日0日
第五項と第六項で合わせて7日0日(引けるのは5日まで)

表の数字は、第七項の5日から第八項の日数を引いただけの算術です。

基準日より前に10労働日以上を与える場合の数え方は、施行規則第二十四条の五が別に定めています。

使用者は、法第三十九条第七項ただし書の規定により同条第一項から第三項までの規定による十労働日以上の有給休暇を与えることとしたときは、当該有給休暇の日数のうち五日については、基準日(同条第七項の基準日をいう。以下この条において同じ。)より前の日であつて、十労働日以上の有給休暇を与えることとした日(以下この条及び第二十四条の七において「第一基準日」という。)から一年以内の期間に、その時季を定めることにより与えなければならない。

(労働基準法施行規則 第二十四条の五第一項)

時季変更権を使ったあとの記録=施行規則24条の7の「年次有給休暇管理簿」

時季を変えたのか、請求どおりに与えたのかは、あとから書類で確かめられます。

その書類を定めているのが、施行規則第二十四条の七です。

使用者は、法第三十九条第五項から第七項までの規定により有給休暇を与えたときは、時季、日数及び基準日(第一基準日及び第二基準日を含む。)を労働者ごとに明らかにした書類(第五十五条の二及び第五十六条第三項において「年次有給休暇管理簿」という。)を作成し

(労働基準法施行規則 第二十四条の七)

管理簿には時季・日数・基準日の3つを労働者ごとに残します。

対象が「第五項から第七項まで」なので、請求で取った分、計画的付与の分、使用者が時季を定めた分がすべて入ります。

使用者は、年次有給休暇管理簿、第五十三条による労働者名簿又は第五十五条による賃金台帳をあわせて調製することができる。

(労働基準法施行規則 第五十五条の二)

管理簿は、労働者名簿や賃金台帳とあわせて作ってよいとされています。

あわせて調製できる賃金台帳の記入事項は、賃金台帳に何を書くのかを労働基準法108条で確かめた記事で施行規則第五十四条から読んでいます。↓

時季変更権と不利益取扱い=第136条の「賃金の減額その他不利益な取扱い」

有給休暇を取ったこと自体を理由にした扱いについては、第百三十六条があります。

使用者は、第三十九条第一項から第四項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。

(労働基準法 第百三十六条)

第百三十六条が並べているのは賃金の減額その他不利益な取扱いです。

対象は「第三十九条第一項から第四項までの規定による有給休暇を取得した労働者」になっています。

時間単位の有給休暇を取った労働者も、第四項の分としてこの中に入る並びです。

有給休暇の期間に払う賃金は、第三十九条第九項が決めています。

平均賃金若しくは所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金又はこれらの額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した額の賃金を支払わなければならない。

(労働基準法 第三十九条第九項)

時季を変えて他の時季に与えた日も、第一項から第三項の有給休暇なので第九項の賃金の定めはそのまま当てはまります。

有給休暇の日数をお金に換える扱いは、有給休暇の買取が違法かを労働基準法39条で確かめた記事で別に確かめています。↓

時季変更権に反したときの罰則=第119条と第120条で分かれる第39条

第三十九条の違反は、罰則の条で2つに分けて扱われています。

次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。

(労働基準法 第百十九条)

第三十七条、第三十九条(第七項を除く。)、第六十一条

(労働基準法 第百十九条第一号)

第百十九条第一号が挙げているのは第七項を除いた第三十九条です。

第五項の本文とただし書は、この第百十九条の側に入ります。

次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

(労働基準法 第百二十条)

第三十九条第七項

(労働基準法 第百二十条第一号)

年5日の時季指定を定めた第七項は、第百二十条の側に置かれました。

第三十九条の部分罰則の条条文の刑
第一項から第六項・第八項から第十項第百十九条第一号六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金
第七項(年5日の時季指定)第百二十条第一号三十万円以下の罰金

ここで確かめたのは、どの項がどの罰則の条に名前が挙がっているかだけです。

時季変更権と就業規則・協定の周知=第89条1号と第106条

休暇の取り方は、就業規則に書く事項の1つです。

始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

(労働基準法 第八十九条第一号)

第八十九条第一号の中に休暇という語が入っています。

常時十人以上の労働者を使用する使用者は、休暇に関する事項を就業規則に定めて届け出る立場です。

第三十九条第四項、第六項及び第九項ただし書に規定する協定

(労働基準法 第百六条第一項)

第百六条は、時間単位(第四項)と計画的付与(第六項)の協定を周知の対象に挙げています。

計画的付与で時季が決まっているかどうかは、周知された協定で確かめられる形です。

確かめたいこと見る書類根拠
休暇の取り方の定め就業規則第八十九条第一号
時間単位の有給休暇の範囲第三十九条第四項の協定第百六条第一項
計画的付与の時季第三十九条第六項の協定第百六条第一項
与えた時季と日数年次有給休暇管理簿施行規則第二十四条の七

時季変更権についてよくある質問

時季変更権は労働基準法のどこにありますか?

「時季変更権」という語は条文に無く、中身は第三十九条第五項のただし書です。

ただし書は、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合に、他の時季に与えることができると定めています。

時季変更権で有給休暇を取らせないことはできますか?

第五項ただし書の効果は「他の時季にこれを与えることができる」で、有給休暇を与えないとする言葉は入っていません。

時季変更権はどんなときに使えますか?

条文の条件は「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合」の1つです。

具体的な事情への当てはめは、第三十九条の中に例が並んでいないため、労働基準監督署や弁護士に相談する領域になります。

時間単位の有給休暇にも時季変更権はありますか?

第五項の対象は「前各項の規定による有給休暇」で、第四項の時間単位の有給休暇も前各項に入ります。

計画的付与の日は時季変更権の対象ですか?

第六項は「前項の規定にかかわらず」と定め、協定で時季を決めた分は協定どおりに与える形です。

協定で時季を決められるのは、有給休暇の日数のうち五日を超える部分に限られます。

年5日の時季指定と時季変更権は何が違いますか?

第五項ただし書は労働者が請求した時季を使用者が移す定めで、第七項は使用者が労働者ごとに時季を定めて与える定めです。

第七項で時季を定めるときは、施行規則第二十四条の六により、あらかじめ労働者の意見を聴かなければなりません。

自分で5日取ったら、会社の時季指定はどうなりますか?

第八項は、第五項又は第六項で与えた日数(五日が上限)分について、時季を定めることにより与えることを要しないと定めています。

時季を変えられた記録はどこに残りますか?

施行規則第二十四条の七が、第三十九条第五項から第七項までにより与えた有給休暇の時季・日数・基準日を労働者ごとに明らかにした年次有給休暇管理簿を定めています。

時季変更権を条文で確かめた結果の一覧

条文で確かめたこと
  • 「時季変更権」という語は条文に無く、中身は第三十九条第五項ただし書
  • 原則は「労働者の請求する時季に与えなければならない」(第五項本文)
  • 条件は「事業の正常な運営を妨げる場合」の1つで、効果は「他の時季にこれを与えることができる」
  • 対象は第一項から第四項の有給休暇で、時間単位の有給休暇も入る
  • 計画的付与(第六項)は第五項の外にあり、協定で時季を決められるのは5日を超える部分だけ
  • 年5日の時季指定(第七項)は使用者が時季を定める義務で、意見を聴く手順は施行規則第二十四条の六
  • 請求や計画的付与で取った日数は、5日を上限に第七項の5日から引く(第八項)
  • 時季・日数・基準日は年次有給休暇管理簿に残す(施行規則第二十四条の七)
  • 第三十九条(第七項を除く)の違反は第百十九条、第七項の違反は第百二十条

時季を変えると言われたときは、まず「他の時季」がいつになるのかを書面やメールで残しておくと、あとで管理簿と突き合わせられます。

第五項ただし書の効果は時季を移すことなので、移した先の時季が決まっているかが手がかりになります。

個別の事情への当てはめは、事業場を管轄する労働基準監督署か弁護士に相談する領域です。


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参考文献

この記事で使った一次資料

条文の確認日は2026年10月17日です。

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