MENU

子の看護休暇は何日取れるのか──育児介護休業法16条の2の「五労働日」を条文で確かめた

子の看護休暇は何日取れるのか──育児介護休業法16条の2の「五労働日」を条文で確かめた
子の看護休暇は何日取れるのか──育児介護休業法16条の2の「五労働日」を条文で確かめた

子どもが熱を出した朝に使える子の看護休暇は、年に何日あるのか。

この言葉で探すと日数の説明はいくらでも出てきますが、数字の出どころである条文そのものを並べた記事は多くありません。

この記事は、育児介護休業法と施行規則の言葉だけで日数と取り方を確かめます。

条文の確認日は2026年10月8日です。

先に結論を書くと、五労働日が条文の限度で、子が二人以上なら十労働日になります。

ここからは、その数字が置かれている条文を1つずつ開いていきます。

TOC

子の看護休暇の条文上の名前=育児介護休業法が置く「子の看護等休暇」

最初に押さえたいのは、条文が使っている名前です。

育児介護休業法が第十六条の二で定義している休暇の名前には「等」が入ります。

をするための休暇(以下「子の看護等休暇」という。)を取得することができる

(育児介護休業法 第十六条の二第一項)

世の中で言う子の看護休暇は、条文の上では「子の看護等休暇」という名前の制度にあたります。

この記事で並べるのは、検索で使われる「子の看護休暇」と、条文の言葉である「子の看護等休暇」の両方です。

法律の目的を定めた第一条にも、育児休業・介護休業と並んでこの休暇の名前が入っています。

この法律は、育児休業及び介護休業に関する制度並びに子の看護等休暇及び介護休暇に関する制度を設けるとともに

(育児介護休業法 第一条)

名前に「等」が入ったのは、看護以外の事由も同じ休暇でまとめて取れる形になっているからです。

その事由は、このあと第十六条の二第一項の後半で確かめます。

子の看護休暇は何日取れるのか=第16条の2第1項の「一の年度において五労働日」

日数の根拠は、第十六条の二第一項の真ん中にあります。

一の年度において五労働日(その養育する小学校第三学年修了前の子が二人以上の場合にあっては、十労働日)を限度として

(育児介護休業法 第十六条の二第一項)

条文が置いている単位は「労働日」で、時間でも暦日でもありません。

子が1人なら五労働日、子が二人以上なら十労働日が一の年度の限度になります。

養育する子の人数一の年度の限度根拠
1人五労働日第十六条の二第一項
2人十労働日第十六条の二第一項かっこ書き
3人以上十労働日第十六条の二第一項かっこ書き(二人以上の場合)

かっこ書きの言葉は「二人以上の場合にあっては、十労働日」なので、3人でも4人でも数字は十労働日で止まります。

子の人数に比例して増える書き方には、条文はなっていません。

労働日という単位で日数を切る書き方は、有給休暇の日数を労働基準法39条の「十労働日」で確かめた記事でも同じ形で出てきます。↓

子の看護休暇の対象になる子=「小学校第三学年修了前の子」の範囲

日数の前に、誰を養育している人が取れるのかが同じ項の冒頭に書かれています。

九歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある子(以下この項において「小学校第三学年修了前の子」という。)を養育する労働者は、その事業主に申し出ることにより

(育児介護休業法 第十六条の二第一項)

条文が引く線は「九歳に達する日以後の最初の三月三十一日まで」です。

満9歳の誕生日ではなく、9歳になった後の最初の3月31日までが範囲になります。

この言い回しを条文は「小学校第三学年修了前の子」と呼び、以降の条文でもこの短い名前で受けています。

申し出る相手は「その事業主」で、休暇の請求先は雇っている会社です。

子の看護休暇を取得できる事由=第16条の2第1項が並べる世話と参加

第十六条の二第一項の後半には、何のために取れるのかが並んでいます。

負傷し、若しくは疾病にかかった当該小学校第三学年修了前の子の世話、疾病の予防を図るために必要なものとして厚生労働省令で定める当該小学校第三学年修了前の子の世話若しくは学校保健安全法(昭和三十三年法律第五十六号)第二十条の規定による学校の休業その他これに準ずるものとして厚生労働省令で定める事由に伴う当該小学校第三学年修了前の子の世話を行うため、又は当該小学校第三学年修了前の子の教育若しくは保育に係る行事のうち厚生労働省令で定めるものへの参加をするため

(育児介護休業法 第十六条の二第一項)

並んでいるのは、けがや病気の世話、省令で定める予防のための世話、学校の休業などに伴う世話、それに省令で定める行事への参加です。

条文が挙げる事由省令に委ねている部分根拠
負傷し、又は疾病にかかった子の世話委ねていない(条文に直接)第十六条の二第一項
疾病の予防を図るために必要な世話厚生労働省令で定める世話施行規則第三十二条
学校保健安全法第二十条の学校の休業に伴う世話委ねていない(条文に直接)第十六条の二第一項
学校の休業に準ずる事由に伴う世話厚生労働省令で定める事由施行規則第三十三条
教育又は保育に係る行事への参加厚生労働省令で定めるもの施行規則第三十三条の二

「世話」と並んで行事への参加が事由に入っているのが、名前に「等」が付いた理由になります。

子の看護休暇の省令の事由=施行規則32条・33条の予防接種と出席停止

省令に投げられている中身を開きます。

まず、疾病の予防のための世話は施行規則第三十二条です。

法第十六条の二第一項の厚生労働省令で定める当該小学校第三学年修了前の子の世話は、同項の小学校第三学年修了前の子に予防接種又は健康診断を受けさせることとする。

(育児介護休業法施行規則 第三十二条)

予防接種と健康診断の2つが、省令の言葉として挙げられています。

学校の休業に準ずる事由は、施行規則第三十三条の各号です。

学校保健安全法(昭和三十三年法律第五十六号)第十九条の規定による出席停止

(育児介護休業法施行規則 第三十三条第一号)

保育所等その他の施設又は事業における学校保健安全法第二十条の規定による学校の休業に準ずる事由又は前号に掲げる事由に準ずる事由

(育児介護休業法施行規則 第三十三条第二号)

インフルエンザなどで登校を止められる出席停止が第一号に当たります。

第二号は、保育所等での学校の休業に準ずる事由と、第一号に準ずる事由を拾う書き方になっています。

保育所の休園が第二号の言葉で受けられる形です。

子の看護休暇で行事に使える範囲=施行規則33条の2の「入園、卒園又は入学の式典」

行事への参加は、施行規則第三十三条の二が中身を決めています。

法第十六条の二第一項の厚生労働省令で定めるものは、入園、卒園又は入学の式典その他これに準ずる式典とする。

(育児介護休業法施行規則 第三十三条の二)

挙げられているのは入園・卒園・入学の式典と、それに準ずる式典です。

行事の種類施行規則第三十三条の二の言葉に当たるか
入園の式典挙げられている
卒園の式典挙げられている
入学の式典挙げられている
これらに準ずる式典挙げられている

条文の言葉は式典で、「その他これに準ずる式典」までが省令の範囲です。

運動会や授業参観がこの言葉に当たるかは、式典に準ずるかどうかで読む形になります。

子の看護休暇は時間単位で取れるのか=第16条の2第2項と施行規則34条

1日まるごとではなく、半日や数時間で使えるのかという問いに答えるのが第二項です。

子の看護等休暇は、一日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるもの以外の者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める一日未満の単位で取得することができる。

(育児介護休業法 第十六条の二第二項)

第二項は、一日未満の単位で取得できることと、その単位を省令に委ねることの2つを書いています。

省令の中身は施行規則第三十四条第一項です。

法第十六条の二第二項の厚生労働省令で定める一日未満の単位は、時間(一日の所定労働時間数に満たないものとする。)であって、始業の時刻から連続し、又は終業の時刻まで連続するものとする。

(育児介護休業法施行規則 第三十四条第一項)

単位は時間で、始業の時刻から連続か終業の時刻まで連続という形が条件になります。

1日の真ん中だけを抜く取り方は、この第一項の言葉には当たりません。

時間数の数え方は、同じ条の第二項が決めています。

前項に規定する一日未満の単位で取得する子の看護等休暇一日の時間数は、一日の所定労働時間数(日によって所定労働時間数が異なる場合には、一年間における一日平均所定労働時間数とし、一日の所定労働時間数又は一年間における一日平均所定労働時間数に一時間に満たない端数がある場合は、一時間に切り上げるものとする。)とする。

(育児介護休業法施行規則 第三十四条第二項)

日によって所定労働時間数が異なるときは、一年間における一日平均所定労働時間数で数えます。

一時間に満たない端数があるときは、一時間に切り上げる定めです。

第二項本文には、時間単位で取れる人から外れる人も書かれています。

それは「一日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるもの」です。

同じ言い回しが使われている法第二十三条第一項については、施行規則第七十二条が数字を置いています。

法第二十三条第一項本文の一日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるものは、一日の所定労働時間が六時間以下の労働者とする。

(育児介護休業法施行規則 第七十二条)

子の看護休暇の申出の方法=第16条の2第3項と施行規則35条の4項目

取り方の手続は第三項にあります。

第一項の規定による申出は、厚生労働省令で定めるところにより、子の看護等休暇を取得する日(前項の厚生労働省令で定める一日未満の単位で取得するときは子の看護等休暇の開始及び終了の日時)を明らかにして、しなければならない。

(育児介護休業法 第十六条の二第三項)

明らかにするのは取得する日で、一日未満の単位のときは開始と終了の日時です。

明らかにする事項の全体は、施行規則第三十五条第一項の各号に並びます。

看護等休暇申出をする労働者の氏名

(育児介護休業法施行規則 第三十五条第一項第一号)

看護等休暇申出に係る子の氏名及び生年月日

(育児介護休業法施行規則 第三十五条第一項第二号)

子の看護等休暇を取得する年月日(法第十六条の二第二項の規定により、子の看護等休暇を一日未満の単位で取得する場合にあっては、当該子の看護等休暇の開始及び終了の年月日時)

(育児介護休業法施行規則 第三十五条第一項第三号)

看護等休暇申出に係る子が負傷し、若しくは疾病にかかっている事実、第三十二条に定める世話若しくは第三十三条第一号若しくは第二号に定める事由に伴う世話を行う旨又は第三十三条の二に定めるものへの参加をする旨

(育児介護休業法施行規則 第三十五条第一項第四号)

施行規則第三十五条第一項明らかにする事項
第一号申出をする労働者の氏名
第二号申出に係る子の氏名及び生年月日
第三号取得する年月日(一日未満の単位のときは開始及び終了の年月日時)
第四号負傷・疾病の事実、省令の世話を行う旨、又は式典への参加をする旨

書面に限る、という言葉はこの条文には置かれていません。

条文の言い方は「事業主に対して明らかにすることによって、行わなければならない」です。

証明書類については求めることができるという書き方が第二項にあります。

事業主は、看護等休暇申出があったときは、当該看護等休暇申出をした労働者に対して、前項第四号に掲げる事項を証明することができる書類の提出を求めることができる。

(育児介護休業法施行規則 第三十五条第二項)

提出を求めることができるのは事業主で、求められる対象は第一項第四号の事項です。

診断書そのものを出さなければ取れない、という書き方には条文はなっていません。

子の看護休暇の「年度」はいつからいつまでか=第16条の2第4項

五労働日を数える1年の区切りも、同じ条に書かれています。

第一項の年度は、事業主が別段の定めをする場合を除き、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わるものとする。

(育児介護休業法 第十六条の二第四項)

原則は四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる年度です。

ただし事業主が別段の定めをする場合は、その定めが優先します。

年度の決め方期間根拠
原則四月一日から翌年三月三十一日まで第十六条の二第四項
事業主が別段の定めをした場合その定めによる第十六条の二第四項(除く書き)

自分の会社の年度がいつ始まるかは、就業規則の子の看護等休暇の条を見て確かめる項目になります。

子の看護休暇を事業主は拒めるのか=第16条の3第1項と労使協定の除外

申し出たあとの会社側の義務が第十六条の三です。

事業主は、労働者からの前条第一項の規定による申出があったときは、当該申出を拒むことができない。

(育児介護休業法 第十六条の三第一項)

条文の言葉は、事業主は拒むことができないです。

ただし、同じ条の第二項が第六条第一項ただし書の一部を準用しています。

第六条第一項ただし書(第二号に係る部分に限る。)及び第二項の規定は、労働者からの前条第一項の規定による申出があった場合について準用する。

(育児介護休業法 第十六条の三第二項)

準用されるのは第六条第一項ただし書のうち第二号に係る部分です。

その第六条第一項ただし書の形を見ます。

当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち育児休業をすることができないものとして定められた労働者に該当する労働者からの育児休業申出があった場合は、この限りでない。

(育児介護休業法 第六条第一項)

除外できるのは、労使協定で定めた場合だけです。

前号に掲げるもののほか、育児休業をすることができないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの

(育児介護休業法 第六条第一項第二号)

第二号の「厚生労働省令で定めるもの」の中身は、施行規則第三十六条が第八条第二号を引いています。

法第十六条の三第二項において準用する法第六条第一項第二号の厚生労働省令で定めるものは、第八条第二号の労働者とする。

(育児介護休業法施行規則 第三十六条)

一週間の所定労働日数が著しく少ないものとして厚生労働大臣が定める日数以下の労働者

(育児介護休業法施行規則 第八条第二号)

労使協定で除外できる労働者根拠備考
一週間の所定労働日数が著しく少ない労働者(厚生労働大臣が定める日数以下)第十六条の三第二項で準用する第六条第一項第二号・施行規則第三十六条・第八条第二号労使協定がなければ除外できない
業務の性質・実施体制に照らして時間単位で取ることが困難な業務に従事する労働者第十六条の三第二項の読替え時間単位で取ろうとする者に限る
引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者第六条第一項第一号(準用されるのは第二号に係る部分)第十六条の三第二項の準用の範囲外

第六条第一項第一号の「一年に満たない労働者」は、第十六条の三第二項が準用する範囲に入っていません。

準用されているのは第二号に係る部分だけ、という書き方です。

協定で除外する場合の手続は、施行規則第三十七条が協定の定めに投げています。

法第十六条の三第二項において準用する法第六条第一項ただし書(第二号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)の規定により、事業主が労働者からの看護等休暇申出を拒む場合における必要な手続その他の事項は、同項ただし書の協定の定めるところによる。

(育児介護休業法施行規則 第三十七条)

同じ第六条のただし書が本来かかる育児休業の側は、介護休業は何日取れるのかを育児介護休業法11条で確かめた記事で分割の回数まで並べています。↓

子の看護休暇と不利益取扱い=第16条の4が準用する第16条

取ったことを理由に不利に扱われないかは、第十六条の四が受けています。

第十六条の規定は、第十六条の二第一項の規定による申出及び子の看護等休暇について準用する。

(育児介護休業法 第十六条の四)

準用されているのは第十六条で、その中身は不利益取扱いの禁止です。

事業主は、労働者が介護休業申出をし、又は介護休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

(育児介護休業法 第十六条)

準用により、申出と休暇の取得を理由とする解雇その他不利益な取扱いの禁止がかかります。

第十六条の言葉は「介護休業申出をし、又は介護休業をしたことを理由として」ですが、第十六条の四がこれを子の看護等休暇の申出と取得に読み替えて準用する形です。

禁止されている行為は、解雇とその他の不利益な取扱いです。

子の看護休暇は有給か無給か=条文に賃金の定めは無い

ここが一番聞かれるところです。

第十六条の二から第十六条の四まで、そして施行規則第三十二条から第三十七条までを通して読むと、賃金という語が出てきません。

つまり賃金の定めは条文に無いというのが、確かめた結果です。

論点育児介護休業法・施行規則の条文条文の状態
日数の限度第十六条の二第一項五労働日・十労働日と明記
一日未満の単位第十六条の二第二項・施行規則第三十四条時間と明記
年度の区切り第十六条の二第四項四月一日から三月三十一日と明記
事業主の義務第十六条の三第一項拒むことができないと明記
不利益取扱い第十六条の四・第十六条の規定禁止と明記
休んだ日の賃金該当条文なし定めが置かれていない

有給にするか無給にするかは、条文ではなく就業規則や労使の定めで決まる領域になります。

この記事は条文を確かめる記事なので、どちらが普通かという断定はしません。

自分の会社の扱いは、就業規則の子の看護等休暇の条と賃金規程を見れば書いてあります。

休んだ期間に雇用保険から給付が出る制度は条文に置かれており、たとえば育児休業給付金の額を雇用保険法61条の7で確かめた記事で割合の根拠を並べています。↓

子の看護休暇と介護休暇の違い=第16条の5・第16条の6との読み比べ

日数も時間単位も同じ形で書かれている制度が、同じ法律にもう1つあります。

それが第十六条の五の介護休暇です。

要介護状態にある対象家族の介護その他の厚生労働省令で定める世話を行う労働者は、その事業主に申し出ることにより、一の年度において五労働日(要介護状態にある対象家族が二人以上の場合にあっては、十労働日)を限度として、当該世話を行うための休暇(以下「介護休暇」という。)を取得することができる。

(育児介護休業法 第十六条の五第一項)

限度の数字は、子の看護等休暇と同じく五労働日と十労働日です。

比べる項目子の看護休暇(第十六条の二)介護休暇(第十六条の五)
条文上の名前子の看護等休暇介護休暇
対象小学校第三学年修了前の子を養育する労働者要介護状態にある対象家族の介護等を行う労働者
一の年度の限度五労働日五労働日
2人以上のときの限度十労働日十労働日
一日未満の単位時間(施行規則第三十四条)時間(施行規則第四十条)
年度の原則四月一日から三月三十一日四月一日から三月三十一日
事業主の義務拒むことができない(第十六条の三第一項)拒むことができない(第十六条の六第一項)
申出で明らかにする事項子の氏名・生年月日など(施行規則第三十五条)対象家族が要介護状態にあること(第十六条の五第三項)

数字の枠は同じで、違いは対象と、申出のときに明らかにする事項です。

介護休暇の側は要介護状態にあることを明らかにする点が条文に書かれています。

介護休暇の事業主の義務は、第十六条の六第一項に同じ文で置かれています。

事業主は、労働者からの前条第一項の規定による申出があったときは、当該申出を拒むことができない。

(育児介護休業法 第十六条の六第一項)

省令の世話の中身は、施行規則第三十八条の各号です。

介護

(育児介護休業法施行規則 第三十八条第一号)

通院等の付添い、介護サービスの提供を受けるために必要な手続きの代行その他の必要な世話

(育児介護休業法施行規則 第三十八条第二号)

なお、ここで比べているのは介護休暇で、九十三日を限度とする介護休業とは別の制度です。

子の看護休暇と公務員の扱い=第61条の特例

同じ休暇が、公務員には別の条文で書かれています。

まず第六十一条第一項です。

第二章から第九章まで、第三十条、前章、第五十三条、第五十四条、第五十六条、第五十六条の二、前条、第六十二条から第六十四条まで及び第六十六条の規定は、国家公務員に関しては、適用しない。

(育児介護休業法 第六十一条第一項)

第二章から第九章までが国家公務員には適用されない形で、第十六条の二はこの範囲に入ります。

行政執行法人の職員については、同じ第六十一条が独自の日数を置いています。

行政執行法人子の看護等休暇を取得することができる日数は、一の年において五日(前項に規定する職員が養育する小学校第三学年修了前の子が二人以上の場合にあっては、十日)を限度とするものとする。

(育児介護休業法 第六十一条第七項)

対象休暇の名前一の年(年度)の限度根拠
民間の労働者子の看護等休暇五労働日(子が二人以上は十労働日)第十六条の二第一項
行政執行法人の職員行政執行法人子の看護等休暇五日(子が二人以上は十日)第六十一条第七項
国家公務員第十六条の二の適用なし第二章から第九章までが適用されない第六十一条第一項

民間の単位は「労働日」、行政執行法人の職員は「日」という単位で書かれています。

地方公務員や国家公務員の休暇は、それぞれの勤務条件を定める規則の側にあります。

子の看護休暇を使う前に確かめる3点=条文と就業規則の対応

ここまでの条文を、手元で確かめる順に並べ直します。

第1に、子が小学校第三学年修了前かどうかです。

第2に、会社の年度がいつ始まるかを見ます。

第3に、時間単位で取れるかどうかです。

確かめること見る条文手元で見る書面
対象の子かどうか第十六条の二第一項子の生年月日
年度の始まり第十六条の二第四項就業規則の子の看護等休暇の条
時間単位で取れるか第十六条の二第二項・施行規則第三十四条就業規則・労使協定
労使協定で除外されていないか第十六条の三第二項・施行規則第三十六条労使協定
休んだ日の賃金の扱い条文に定めなし就業規則・賃金規程

条文が決めているのは枠で、枠の中の運用は就業規則と労使協定に書かれています。

入社のときに示される書面で労働条件のどこを見るかは、労働条件通知書の記載事項を労働基準法15条と施行規則5条で確かめた記事で全項目を並べています。↓

子の看護休暇についてよくある質問

子の看護休暇は年に何日取れますか?

第十六条の二第一項は、一の年度において五労働日を限度と定めています。

養育する小学校第三学年修了前の子が二人以上の場合は、十労働日が限度です。

子が3人いれば15労働日になりますか?

第十六条の二第一項のかっこ書きは「二人以上の場合にあっては、十労働日」と定めています。

人数に比例して増える定めは置かれていません。

何歳の子まで対象ですか?

第十六条の二第一項は、九歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある子を対象としています。

条文はこれを「小学校第三学年修了前の子」と呼んでいます。

子の看護休暇は有給ですか?

第十六条の二から第十六条の四まで、及び施行規則第三十二条から第三十七条までに、賃金についての定めは置かれていません。

有給か無給かは就業規則や労使の定めで決まる領域です。

時間単位で取れますか?

第十六条の二第二項は、厚生労働省令で定める一日未満の単位で取得できると定めています。

施行規則第三十四条第一項は、その単位を始業の時刻から連続し、又は終業の時刻まで連続する時間としています。

会社は申出を断れますか?

第十六条の三第一項は、事業主は当該申出を拒むことができないと定めています。

例外は、第十六条の三第二項が準用する第六条第一項ただし書による労使協定での除外です。

診断書は必ず出さなければなりませんか?

施行規則第三十五条第二項は、事業主が第一項第四号の事項を証明することができる書類の提出を求めることができると定めています。

提出がなければ取得できないという定めは、条文に置かれていません。

子の看護休暇と介護休暇は合わせて何日ですか?

第十六条の二第一項と第十六条の五第一項は、それぞれ別に一の年度において五労働日(二人以上の場合は十労働日)を限度と定めています。

2つの限度を合算する定めは置かれていません。

子の看護休暇を条文で確かめた結果の一覧

条文で確かめたこと
  • 条文上の名前は「子の看護等休暇」(第十六条の二第一項)
  • 限度は一の年度において五労働日、子が二人以上なら十労働日(第十六条の二第一項)
  • 対象は九歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある子(第十六条の二第一項)
  • 事由はけが・病気の世話、省令の予防の世話、学校の休業等に伴う世話、省令の行事への参加
  • 省令の中身は予防接種・健康診断(施行規則第三十二条)、出席停止等(第三十三条)、入園・卒園・入学の式典等(第三十三条の二)
  • 一日未満の単位は時間で、始業から連続又は終業まで連続(施行規則第三十四条第一項)
  • 年度は四月一日から翌年三月三十一日、事業主の別段の定めがあればそれによる(第十六条の二第四項)
  • 事業主は申出を拒むことができない。例外は労使協定による除外(第十六条の三)
  • 申出と取得を理由とする解雇その他不利益な取扱いは禁止(第十六条の四が準用する第十六条)
  • 賃金については条文に定めが無い
  • 介護休暇(第十六条の五)も限度は五労働日・十労働日で、違いは対象と明らかにする事項

日数そのものは条文に数字で置かれているので、就業規則がこれを下回っていればその部分を会社に確かめることになります。

個別の事情への当てはめは、都道府県労働局の雇用環境・均等部門か弁護士に相談する領域です。


あわせて読みたい

産前産後の休業の日数の根拠は、産前産後休業は何週間取れるのかを労働基準法65条で確かめた記事で確かめています。↓

退職するときの有給の消化については、退職の有給消化は拒否できるのかを労働基準法39条で確かめた記事にまとめています。↓


参考文献

条文の確認日は2026年10月8日です。

Let's share this post !

Author of this article

Comments

To comment

TOC