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基本手当は何日もらえるのか──雇用保険法22条・23条の所定給付日数を条文で確かめた

基本手当は何日もらえるのか──雇用保険法22条・23条の所定給付日数を条文で確かめた
基本手当は何日もらえるのか──雇用保険法22条・23条の所定給付日数を条文で確かめた

基本手当は何日もらえるのか、という問いは、辞めるかどうかを決める前にいちばん知りたいところではないでしょうか。

ハローワークの窓口で聞く前に、条文がどこで日数を切っているのかを自分で読めると、説明された数字の意味が分かります。

この記事では、雇用保険法の条文だけを使って、基本手当の日数と、その日数が変わる条件を並べました。

条文で日数を決めているのは第二十二条と第二十三条の2本で、どちらも「所定給付日数」という言葉を使っています。

条文の確認日は2026年10月8日です。

条見出し基本手当について決めていること
第十三条基本手当の受給資格算定対象期間と被保険者期間の長さ
第十四条被保険者期間1か月として数えられる期間
第十五条失業の認定支給の対象になる日と求職の申込み
第十六条基本手当の日額賃金日額に乗じる率
第十七条賃金日額日額の土台になる額の出し方
第十八条自動的変更率の区分になる額の毎年度の変更
第十九条基本手当の減額働いて収入を得た日の扱い
第二十条支給の期間及び日数受給期間(原則1年)
第二十一条待期通算7日間は支給しない
第二十二条所定給付日数算定基礎期間による90日・120日・150日
第二十三条(特定受給資格者)年齢と算定基礎期間による日数の表
第二十四条の二個別延長給付所定給付日数を超える支給
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基本手当とは何か──雇用保険法10条が置く求職者給付の1つ

最初に、「基本手当」という言葉の位置を確かめます。

よく「失業保険」と呼ばれますが、条文に置かれている名前は基本手当です。

失業等給付は、求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付及び雇用継続給付とする。

(雇用保険法 第十条第一項)

基本手当

(雇用保険法 第十条第二項第一号)

失業等給付は4つに分かれ、その1つの求職者給付の第一号が基本手当という並びになっています。

つまり「失業保険」は条文の言葉ではないということです。

その基本手当が出る前提の「失業」も、条文が定義しています。

この法律において「失業」とは、被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることをいう。

(雇用保険法 第四条第三項)

離職していること、労働の意思と能力があること、それでも職業に就けない状態にあること、の3つが定義の中身になります。

週の労働時間が何時間から被保険者になるのかは、雇用保険の加入条件を条文で確かめた記事で確かめています。↓

基本手当を受けられる人の条件──雇用保険法13条の受給資格

日数の話に入る前に、そもそも基本手当を受けられる資格の条文を見ます。

基本手当は、被保険者が失業した場合において、離職の日以前二年間(当該期間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き三十日以上賃金の支払を受けることができなかつた被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数を二年に加算した期間(その期間が四年を超えるときは、四年間)。第十七条第一項において「算定対象期間」という。)に、次条の規定による被保険者期間が通算して十二箇月以上であつたときに、この款の定めるところにより、支給する。

(雇用保険法 第十三条第一項)

ここに出てくる期間は2つです。

離職の日以前2年間が算定対象期間で、その中に被保険者期間が通算12か月以上あることが条件になります。

この2年と12か月が短くなる人も、同じ条で決まっています。

特定理由離職者及び第二十三条第二項各号のいずれかに該当する者(前項の規定により基本手当の支給を受けることができる資格を有することとなる者を除く。)に対する前項の規定の適用については、同項中「二年間」とあるのは「一年間」と、「二年に」とあるのは「一年に」と、「十二箇月」とあるのは「六箇月」とする。

(雇用保険法 第十三条第二項)

特定理由離職者と、第二十三条第二項各号に当たる人は、1年間・6か月に読み替える形です。

前項の特定理由離職者とは、離職した者のうち、第二十三条第二項各号のいずれかに該当する者以外の者であつて、期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないこと(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかつた場合に限る。)その他のやむを得ない理由により離職したものとして厚生労働省令で定める者をいう。

(雇用保険法 第十三条第三項)

区分算定対象期間必要な被保険者期間根拠
一般の離職者離職の日以前2年間通算12か月以上第十三条第一項
特定理由離職者離職の日以前1年間通算6か月以上第十三条第二項
第二十三条第二項各号に該当する者離職の日以前1年間通算6か月以上第十三条第二項

第二十三条第二項各号に当たる人は、あとで見る特定受給資格者です。

資格の段階で既に、この条文は離職の理由によって線を引き分けています。

基本手当の土台になる被保険者期間──雇用保険法14条の「十一日以上」

12か月、6か月という数え方そのものも条文にあります。

被保険者期間は、被保険者であつた期間のうち、当該被保険者でなくなつた日又は各月においてその日に応当し、かつ、当該被保険者であつた期間内にある日(その日に応当する日がない月においては、その月の末日。以下この項において「喪失応当日」という。)の各前日から各前月の喪失応当日までさかのぼつた各期間(賃金の支払の基礎となつた日数が十一日以上であるものに限る。)を一箇月として計算し、その他の期間は、被保険者期間に算入しない。

ただし、当該被保険者となつた日からその日後における最初の喪失応当日の前日までの期間の日数が十五日以上であり、かつ、当該期間内における賃金の支払の基礎となつた日数が十一日以上であるときは、当該期間を二分の一箇月の被保険者期間として計算する。

(雇用保険法 第十四条第一項)

1か月として数えられるのは、賃金の支払の基礎となった日数が十一日以上ある期間に限られます。

在籍した月数ではなく、賃金の支払の基礎となつた日数で数える仕組みです。

ただし書は、最初の端数の期間を二分の一箇月として数える定めです。

日数が十五日以上あり、かつ賃金の支払の基礎となった日数が十一日以上あるときが、その対象になります。

第九条の規定による被保険者となつたことの確認があつた日の二年前の日(第二十二条第五項に規定する者にあつては、同項第二号に規定する被保険者の負担すべき額に相当する額がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかである時期のうち最も古い時期として厚生労働省令で定める日)前における被保険者であつた期間

(雇用保険法 第十四条第二項第二号)

過去に受給資格を取ったことがある人は、その離職の日以前の期間が入らない形です。

基本手当は「失業の認定」を受けた日の分だけ──雇用保険法15条

所定給付日数は上限の日数で、その上限まで自動で振り込まれるものではありません。

基本手当は、受給資格を有する者(次節から第四節までを除き、以下「受給資格者」という。)が失業している日(失業していることについての認定を受けた日に限る。以下この款において同じ。)について支給する。

(雇用保険法 第十五条第一項)

支給の対象は「失業している日」で、しかも認定を受けた日に限られています。

前項の失業していることについての認定(以下この款において「失業の認定」という。)を受けようとする受給資格者は、離職後、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをしなければならない。

(雇用保険法 第十五条第二項)

出発点は公共職業安定所への出頭と求職の申込みになります。

認定の回し方も条文に書いてあります。

失業の認定は、求職の申込みを受けた公共職業安定所において、受給資格者が離職後最初に出頭した日から起算して四週間に一回ずつ直前の二十八日の各日について行うものとする。

(雇用保険法 第十五条第三項)

4週間に1回ずつ、直前の28日の各日について認定する形です。

何をもって認定するのかも、同じ条の第五項が決めています。

失業の認定は、厚生労働省令で定めるところにより、受給資格者が求人者に面接したこと、公共職業安定所その他の職業安定機関若しくは職業紹介事業者等から職業を紹介され、又は職業指導を受けたことその他求職活動を行つたことを確認して行うものとする。

(雇用保険法 第十五条第五項)

求人者への面接、職業の紹介、職業指導、その他の求職活動を確認して認定する並びです。

疾病又は負傷のために公共職業安定所に出頭することができなかつた場合において、その期間が継続して十五日未満であるとき。

(雇用保険法 第十五条第四項第一号)

天災その他やむを得ない理由のために公共職業安定所に出頭することができなかつたとき。

(雇用保険法 第十五条第四項第四号)

出頭できなかった理由が第四項各号に当たるときは、証明書の提出で認定を受けられます。

基本手当が出ない最初の7日間──雇用保険法21条の待期

認定を受けても、最初の数日分は条文で外されています。

基本手当は、受給資格者が当該基本手当の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)が通算して七日に満たない間は、支給しない。

(雇用保険法 第二十一条)

求職の申込みをした日以後、失業している日が通算して7日に満たない間は不支給です。

この7日は、疾病または負傷のため職業に就くことができない日も通算します。

離職の理由による区別は、第二十一条の言葉には置かれていません。

自己都合のときに待期のあとで付く給付制限は、失業保険の給付制限を条文で確かめた記事で確かめています。↓

基本手当の日額の決まり方──雇用保険法16条の率と17条の賃金日額

日数と並んで気になるのが1日あたりの額です。

基本手当の日額は、賃金日額に百分の五十

(雇用保険法 第十六条第一項)

土台は賃金日額で、それに率を乗じて日額を出します。

括弧の中は賃金日額の区分ごとに率を変える定めで、その区分の額は第十八条の「自動変更対象額」として年度ごとに変わります。

厚生労働大臣は、年度(四月一日から翌年の三月三十一日までをいう。以下同じ。)の平均給与額(厚生労働省において作成する毎月勤労統計における労働者の平均定期給与額を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定した労働者一人当たりの給与の平均額をいう。以下同じ。)が平成二十七年四月一日から始まる年度(この条の規定により自動変更対象額が変更されたときは、直近の当該変更がされた年度の前年度)の平均給与額を超え、又は下るに至つた場合においては、その上昇し、又は低下した比率に応じて、その翌年度の八月一日以後の自動変更対象額を変更しなければならない。

(雇用保険法 第十八条第一項)

額の区分は毎年度動くので、この記事では条文に置かれた率だけを扱います。

前二項の規定に基づき算定された各年度の八月一日以後に適用される自動変更対象額のうち、最低賃金日額(当該年度の四月一日に効力を有する地域別最低賃金(最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第九条第一項に規定する地域別最低賃金をいう。)の額を基礎として厚生労働省令で定める算定方法により算定した額をいう。)に達しないものは、当該年度の八月一日以後、当該最低賃金日額とする。

(雇用保険法 第十八条第三項)

離職の日の年齢で率が変わる定めも、第十六条の第二項にあります。

受給資格に係る離職の日において六十歳以上六十五歳未満である受給資格者に対する前項の規定の適用については、同項中「百分の五十」とあるのは「百分の四十五」と

(雇用保険法 第十六条第二項)

60歳以上65歳未満の人は、百分の五十が百分の四十五に読み替えられます。

その賃金日額の出し方は、次の条です。

賃金日額は、算定対象期間において第十四条(第一項ただし書を除く。)の規定により被保険者期間として計算された最後の六箇月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び三箇月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。次項、第六節及び次章において同じ。)の総額を百八十で除して得た額とする。

(雇用保険法 第十七条第一項)

被保険者期間として計算された最後の6か月間の賃金の総額を180で除した額が賃金日額になります。

臨時に支払われる賃金と、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は、この総額から外れています。

賃金が、労働した日若しくは時間によつて算定され、又は出来高払制その他の請負制によつて定められている場合には、前項に規定する最後の六箇月間に支払われた賃金の総額を当該最後の六箇月間に労働した日数で除して得た額の百分の七十に相当する額

(雇用保険法 第十七条第二項第一号)

日給・時給・出来高払制の人には、第二項が下支えの額を置いています。

前三項の規定にかかわらず、これらの規定により算定した賃金日額が、第一号に掲げる額を下るときはその額を、第二号に掲げる額を超えるときはその額を、それぞれ賃金日額とする。

(雇用保険法 第十七条第四項)

条文決めていること
第十六条第一項賃金日額に乗じる率(百分の五十を基本に、区分で変わる)
第十六条第二項60歳以上65歳未満は百分の四十五に読み替え
第十七条第一項最後の6か月間の賃金総額を180で除す
第十七条第二項日給・時給・請負制のときの下支えの額
第十七条第四項賃金日額の下限の額と上限の額(第十八条で変わる)
第十八条率の区分と上下限の額を年度ごとに変更

第四項の下限と上限の額は、第十八条第四項が自動変更対象額として挙げているものです。

年度の平均給与額の動きに応じて、8月1日以後の額が変わる仕組みになっています。

基本手当は何日もらえるのか──雇用保険法22条1項の90日・120日・150日

ここが本題です。

一の受給資格に基づき基本手当を支給する日数(以下「所定給付日数」という。)は、次の各号に掲げる受給資格者の区分に応じ、当該各号に定める日数とする。

(雇用保険法 第二十二条第一項)

条文は、この日数に「所定給付日数」という名前を付けています。

算定基礎期間が二十年以上である受給資格者百五十日

(雇用保険法 第二十二条第一項第一号)

算定基礎期間が十年以上二十年未満である受給資格者百二十日

(雇用保険法 第二十二条第一項第二号)

算定基礎期間が十年未満である受給資格者九十日

(雇用保険法 第二十二条第一項第三号)

算定基礎期間所定給付日数根拠
10年未満90日第二十二条第一項第三号
10年以上20年未満120日第二十二条第一項第二号
20年以上150日第二十二条第一項第一号

第二十二条第一項の区分は算定基礎期間の長さだけで、年齢は出てきません。

年齢が出てくるのは、このあとに見る第二十二条第二項と第二十三条第一項です。

自己都合で辞めた人の日数は、まずこの第一項の3区分で見ることになります。

第二十二条第一項の読み方
  • 日数の名前は「所定給付日数」(第二十二条第一項)
  • 区分は算定基礎期間の3つだけ=10年未満・10年以上20年未満・20年以上
  • それぞれ90日・120日・150日
  • 年齢による区分は第一項に置かれていない
  • 第二十条第一項により、この日数分を限度として支給する

基本手当の日数を決める算定基礎期間──雇用保険法22条3項の数え方

90日か150日かを分けるのが算定基礎期間です。

その中身も同じ条にあります。

前二項の算定基礎期間は、これらの規定の受給資格者が基準日まで引き続いて同一の事業主の適用事業に被保険者として雇用された期間(当該雇用された期間に係る被保険者となつた日前に被保険者であつたことがある者については、当該雇用された期間と当該被保険者であつた期間を通算した期間)とする。

(雇用保険法 第二十二条第三項)

前の会社の期間も通算した期間として数えるのが原則です。

ただし書が、通算から外れる期間を各号で挙げています。

当該雇用された期間又は当該被保険者であつた期間に係る被保険者となつた日の直前の被保険者でなくなつた日が当該被保険者となつた日前一年の期間内にないときは、当該直前の被保険者でなくなつた日前の被保険者であつた期間

(雇用保険法 第二十二条第三項第一号)

当該雇用された期間に係る被保険者となつた日前に基本手当又は特例一時金の支給を受けたことがある者については、これらの給付の受給資格又は第三十九条第二項に規定する特例受給資格に係る離職の日以前の被保険者であつた期間

(雇用保険法 第二十二条第三項第二号)

通算から除く期間根拠
前の離職から1年の期間内に被保険者にならなかったときの、それより前の期間第二十二条第三項第一号
基本手当または特例一時金を受けたことがある人の、その離職の日以前の期間第二十二条第三項第二号
教育訓練休暇給付金を受けたことがある人の、休暇開始日前の期間と休暇の期間第二十二条第三項第三号
育児休業給付金・出生時育児休業給付金を受けたことがある人の、その休業の期間第二十二条第三項第四号

第一号が、いわゆる「1年のブランク」で前の期間が切れる定めです。

第二号は、前に基本手当を受け切っている人の期間を外す定めになります。

一の被保険者であつた期間に関し、被保険者となつた日が第九条の規定による被保険者となつたことの確認があつた日の二年前の日より前であるときは、当該確認のあつた日の二年前の日に当該被保険者となつたものとみなして、前項の規定による算定を行うものとする。

(雇用保険法 第二十二条第四項)

第四項は、被保険者になったことの確認が遅れた場合に、確認の日の2年前の日に被保険者になったものとみなす定めです。

算定基礎期間を自分で確かめる手がかりになる書類は、雇用保険被保険者証の扱いを条文で確かめた記事で整理しています。↓

就職が困難な人の基本手当──雇用保険法22条2項の300日・360日

第二十二条には、第一項とは別の日数を置く第二項があります。

前項の受給資格者で厚生労働省令で定める理由により就職が困難なものに係る所定給付日数は、同項の規定にかかわらず、その算定基礎期間が一年以上の受給資格者にあつては次の各号に掲げる当該受給資格者の区分に応じ当該各号に定める日数とし、その算定基礎期間が一年未満の受給資格者にあつては百五十日とする。

(雇用保険法 第二十二条第二項)

基準日において四十五歳以上六十五歳未満である受給資格者三百六十日

(雇用保険法 第二十二条第二項第一号)

基準日において四十五歳未満である受給資格者三百日

(雇用保険法 第二十二条第二項第二号)

基準日の年齢算定基礎期間1年未満算定基礎期間1年以上根拠
45歳未満150日300日第二十二条第二項第二号
45歳以上65歳未満150日360日第二十二条第二項第一号

ここで初めて基準日の年齢が区分に入ってきます。

「基準日」は、第二十条第一項第一号が置いている言葉で、受給資格に係る離職の日のことです。

就職が困難な理由の中身は、この条では厚生労働省令に委ねられています。

会社都合で辞めた人の基本手当──雇用保険法23条1項の特定受給資格者の表

倒産や解雇で辞めた人の日数は、次の条が別に置いています。

特定受給資格者(前条第三項に規定する算定基礎期間(以下この条において単に「算定基礎期間」という。)が一年(第五号に掲げる特定受給資格者にあつては、五年)以上のものに限る。)に係る所定給付日数は、前条第一項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる当該特定受給資格者の区分に応じ、当該各号に定める日数とする。

(雇用保険法 第二十三条第一項)

対象は算定基礎期間が1年以上の特定受給資格者で、第五号(30歳未満)だけは5年以上に限られています。

この条の区分は基準日の年齢と算定基礎期間の組み合わせです。

基準日において三十歳未満である特定受給資格者次のイ又はロに掲げる算定基礎期間の区分に応じ、当該イ又はロに定める日数十年以上百八十日五年以上十年未満百二十日

(雇用保険法 第二十三条第一項第五号)

基準日において四十五歳以上六十歳未満である特定受給資格者次のイからニまでに掲げる算定基礎期間の区分に応じ、当該イからニまでに定める日数二十年以上三百三十日十年以上二十年未満二百七十日五年以上十年未満二百四十日一年以上五年未満百八十日

(雇用保険法 第二十三条第一項第二号)

各号はイからニまでの区分を持っていて、条文を表に開くと次のようになります。

基準日の年齢1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20年未満20年以上
30歳未満第二十三条の対象外(第二十二条第一項による)120日180日180日
30歳以上35歳未満120日180日210日240日
35歳以上45歳未満150日180日240日270日
45歳以上60歳未満180日240日270日330日
60歳以上65歳未満150日180日210日240日

条文の表でいちばん長いのは45歳以上60歳未満の330日になります。

60歳以上65歳未満の列が、45歳以上60歳未満より短く置かれているのも条文のとおりです。

30歳未満で算定基礎期間が1年以上5年未満の人は、柱書の括弧により第二十三条の対象から外れ、第二十二条第一項の90日または120日で見る形になります。

所定給付日数を使い切る前に就職したときに出る手当は、再就職手当(就業促進手当)を条文で確かめた記事で確かめています。↓

特定受給資格者に当たる離職の種類と基本手当──雇用保険法23条2項の2つの号

では、誰が特定受給資格者なのかです。

前項の特定受給資格者とは、次の各号のいずれかに該当する受給資格者(前条第二項に規定する受給資格者を除く。)をいう。

(雇用保険法 第二十三条第二項)

当該基本手当の受給資格に係る離職が、その者を雇用していた事業主の事業について発生した倒産(破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清算開始の申立てその他厚生労働省令で定める事由に該当する事態をいう。第五十七条第二項第一号及び第六十条の四第二項第一号において同じ。)又は当該事業主の適用事業の縮小若しくは廃止に伴うものである者として厚生労働省令で定めるもの

(雇用保険法 第二十三条第二項第一号)

第一号は、倒産と、適用事業の縮小または廃止に伴う離職です。

前号に定めるもののほか、解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由によるものを除く。第五十七条第二項第二号及び第六十条の四第二項第二号において同じ。)その他の厚生労働省令で定める理由により離職した者

(雇用保険法 第二十三条第二項第二号)

第二号は解雇その他の厚生労働省令で定める理由による離職になります。

括弧の中で、自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇は除かれています。

号離職の理由条文の言葉
第二十三条第二項第一号倒産破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清算開始の申立てその他厚生労働省令で定める事由
第二十三条第二項第一号事業の縮小・廃止当該事業主の適用事業の縮小若しくは廃止に伴うもの
第二十三条第二項第二号解雇など解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由によるものを除く。)その他の厚生労働省令で定める理由

第一号と第二号のどちらに当たるかで、第二十条第一項第三号の受給期間の加算の有無も変わります。

離職票に書かれる離職理由が、この2つの号のどちらに当たるかを決める入口です。

その離職票がいつ届くのかという期限は、離職票の期限を条文で確かめた記事で確かめています。↓

基本手当をもらえる期間は1年──雇用保険法20条の受給期間

所定給付日数が何日あっても、受け取れる期間には別の枠があります。

基本手当は、この法律に別段の定めがある場合を除き、次の各号に掲げる受給資格者の区分に応じ、当該各号に定める期間(当該期間内に妊娠、出産、育児その他厚生労働省令で定める理由により引き続き三十日以上職業に就くことができない者が、厚生労働省令で定めるところにより公共職業安定所長にその旨を申し出た場合には、当該理由により職業に就くことができない日数を加算するものとし、その加算された期間が四年を超えるときは、四年とする。)内の失業している日について、第二十二条第一項に規定する所定給付日数に相当する日数分を限度として支給する。

(雇用保険法 第二十条第一項)

次号及び第三号に掲げる受給資格者以外の受給資格者当該基本手当の受給資格に係る離職の日(以下この款において「基準日」という。)の翌日から起算して一年

(雇用保険法 第二十条第一項第一号)

原則は離職の日の翌日から起算して1年です。

この1年の中で、所定給付日数に相当する日数分を限度として支給する、という組み立てになります。

基準日において第二十二条第二項第一号に該当する受給資格者基準日の翌日から起算して一年に六十日を加えた期間

(雇用保険法 第二十条第一項第二号)

基準日において第二十三条第一項第二号イに該当する同条第二項に規定する特定受給資格者基準日の翌日から起算して一年に三十日を加えた期間

(雇用保険法 第二十条第一項第三号)

受給資格者の区分受給期間根拠
下の2つ以外の受給資格者基準日の翌日から起算して1年第二十条第一項第一号
第二十二条第二項第一号に該当する者(45歳以上65歳未満で就職が困難な人)1年に60日を加えた期間第二十条第一項第二号
第二十三条第一項第二号イに該当する特定受給資格者(45歳以上60歳未満・算定基礎期間20年以上)1年に30日を加えた期間第二十条第一項第三号

妊娠・出産・育児などで引き続き30日以上職業に就くことができないときは、その日数を加算できます。

加算しても4年が上限で、申し出が条件になっています。

受給資格者であつて、当該受給資格に係る離職が定年(厚生労働省令で定める年齢以上の定年に限る。)に達したことその他厚生労働省令で定める理由によるものであるもの

(雇用保険法 第二十条第二項)

定年による離職で、しばらく求職の申込みをしないことを希望する人の特例も、第二項に置かれています。

前二項の場合において、第一項の受給資格(以下この項において「前の受給資格」という。)を有する者が、前二項の規定による期間内に新たに受給資格、第三十七条の三第二項に規定する高年齢受給資格又は第三十九条第二項に規定する特例受給資格を取得したときは、その取得した日以後においては、前の受給資格に基づく基本手当は、支給しない。

(雇用保険法 第二十条第三項)

期間内に新たな受給資格を取ったときは、前の受給資格に基づく基本手当は支給されません。

所定給付日数を超えて基本手当が出る場合──雇用保険法24条の2の個別延長給付

所定給付日数は、超えることが一切ないという日数ではありません。

所定給付日数を超えて基本手当を支給することができる。

(雇用保険法 第二十四条の二第一項)

対象は、特定理由離職者または特定受給資格者で、各号のいずれかに当たり、かつ公共職業安定所長が職業指導を行うことが適当と認めた人です。

心身の状況が厚生労働省令で定める基準に該当する者

(雇用保険法 第二十四条の二第一項第一号)

第一号は心身の状況が厚生労働省令で定める基準に該当する者です。

第二号と第三号は、激甚災害その他の災害で離職を余儀なくされた人を挙げています。

第一項(第一号及び第三号に限る。)又は前項に該当する受給資格者六十日(所定給付日数が第二十三条第一項第二号イ又は第三号イに該当する受給資格者にあつては、三十日)

(雇用保険法 第二十四条の二第三項第一号)

第一項(第二号に限る。)に該当する受給資格者百二十日(所定給付日数が第二十三条第一項第二号イ又は第三号イに該当する受給資格者にあつては、九十日)

(雇用保険法 第二十四条の二第三項第二号)

対象延長の限度根拠
第一項第一号・第三号または第二項に該当する受給資格者60日(所定給付日数が第二十三条第一項第二号イ・第三号イに当たる人は30日)第二十四条の二第三項第一号
第一項第二号に該当する受給資格者120日(同じく第二十三条第一項第二号イ・第三号イに当たる人は90日)第二十四条の二第三項第二号

延長された日数の分だけ、受給期間も伸びます。

第一項又は第二項の規定による基本手当の支給(以下「個別延長給付」という。)を受ける受給資格者の受給期間は、第二十条第一項及び第二項の規定にかかわらず、これらの規定による期間に前項に規定する日数を加えた期間とする。

(雇用保険法 第二十四条の二第四項)

第二十条の1年という枠に、第三項の日数を加えた期間になる定めです。

働いて収入を得た日の基本手当──雇用保険法19条の減額

認定の対象になる期間にアルバイトなどで収入を得た日も、条文に書かれています。

受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働によつて収入を得た場合には、その収入の基礎となつた日数(以下この項において「基礎日数」という。)分の基本手当の支給については、次に定めるところによる。

(雇用保険法 第十九条第一項)

各号が、収入の額に応じて全額支給・一部支給・不支給に分けています。

超過額が基本手当の日額以上であるとき 基礎日数分の基本手当を支給しない。

(雇用保険法 第十九条第一項第三号)

第三号に当たる日は基礎日数分の基本手当を支給しないと定めています。

減った日数の分が消えるのか、後ろに回るのかは、第十九条の言葉には書かれていません。

受給資格者は、失業の認定を受けた期間中に自己の労働によつて収入を得たときは、厚生労働省令で定めるところにより、その収入の額その他の事項を公共職業安定所長に届け出なければならない。

(雇用保険法 第十九条第三項)

収入を得たときは届け出なければならない、という義務が第三項です。

届け出ずに受け取ると、第十条の四の返還命令の対象になり得る領域に入ります。

基本手当についてよくある質問

基本手当は何日もらえますか?

第二十二条第一項が、算定基礎期間10年未満は90日、10年以上20年未満は120日、20年以上は150日と定めています。

倒産や解雇で辞めた特定受給資格者は、第二十三条第一項の年齢と算定基礎期間の区分で120日から330日までの日数になります。

所定給付日数とは何ですか?

第二十二条第一項が「一の受給資格に基づき基本手当を支給する日数」を所定給付日数と呼んでいます。

第二十条第一項は、受給期間内の失業している日について、この日数に相当する日数分を限度として支給すると定めています。

算定基礎期間はどう数えますか?

第二十二条第三項が、基準日まで引き続いて同一の事業主の適用事業に被保険者として雇用された期間とし、前に被保険者であった期間は通算すると定めています。

ただし書の各号に当たる期間は、通算から除きます。

30歳未満で会社都合のとき、基本手当は何日ですか?

第二十三条第一項第五号は、10年以上で180日、5年以上10年未満で120日と定めています。

柱書の括弧により第五号の対象は算定基礎期間5年以上に限られるので、5年未満の人は第二十二条第一項の90日または120日で見ます。

基本手当が出ない期間はありますか?

第二十一条は、求職の申込みをした日以後、失業している日が通算して7日に満たない間は支給しないと定めています。

基本手当はいつまでに受け取る必要がありますか?

第二十条第一項第一号は、基準日の翌日から起算して1年という期間を定めています。

妊娠・出産・育児その他の理由で引き続き30日以上職業に就くことができないときは、申し出によりその日数を加算でき、加算後の期間は4年が上限です。

基本手当の日額はどう決まりますか?

第十六条第一項が、賃金日額に百分の五十を基本とする率を乗じて得た金額と定めています。

賃金日額は、第十七条第一項により、被保険者期間として計算された最後の6か月間に支払われた賃金の総額を180で除して得た額です。

所定給付日数を超えて基本手当が出ることはありますか?

第二十四条の二が個別延長給付を置いていて、第一項各号に当たり、公共職業安定所長が職業指導を行うことが適当と認めた受給資格者について、所定給付日数を超えて支給することができると定めています。

超えて支給する日数の限度は、第三項が60日または120日(一定の区分では30日または90日)としています。

基本手当を条文で確かめた結果の一覧

条文で確かめたこと
  • 条文の名前は「基本手当」で、失業等給付のうち求職者給付の第一号(第十条)
  • 受給資格=離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上(第十三条第一項)
  • 特定理由離職者と第二十三条第二項各号の者は1年間・6か月(第十三条第二項)
  • 被保険者期間は賃金の支払の基礎となつた日数が十一日以上の期間を1か月とする(第十四条)
  • 支給は失業の認定を受けた日について(第十五条第一項)・認定は4週間に1回(同条第三項)
  • 通算7日に満たない間は不支給(第二十一条)
  • 日額=賃金日額に百分の五十を基本とする率(第十六条)・賃金日額=最後の6か月の賃金総額÷180(第十七条)
  • 所定給付日数=算定基礎期間10年未満90日・10年以上20年未満120日・20年以上150日(第二十二条第一項)
  • 就職が困難な人=1年未満150日・45歳未満300日・45歳以上65歳未満360日(第二十二条第二項)
  • 特定受給資格者=年齢と算定基礎期間の区分で120日から330日(第二十三条第一項)
  • 受給期間=基準日の翌日から1年(第二十条第一項第一号)・加算しても4年まで
  • 個別延長給付=所定給付日数を超えて60日または120日まで(第二十四条の二第三項)

自分の日数を出すには、まず離職票の離職理由で第二十二条第一項と第二十三条第一項のどちらを見るかを決め、次に算定基礎期間と基準日の年齢を当てはめる順番になります。

個別の当てはめと省令で定まる部分は、住所を管轄するハローワークに離職票を持って確かめる領域です。


あわせて読みたい

自己都合で辞めたときに基本手当が後ろにずれる仕組みは、失業保険の給付制限を条文で確かめた記事で確かめています。↓

在職中から使える給付については、教育訓練給付金を条文で確かめた記事にまとめています。↓


参考文献

この記事で使った一次資料

条文の確認日は2026年10月8日です。

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