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育児休業はいつまで延長できるのか──育児介護休業法5条の「一歳六か月」と「二歳」を条文で確かめた

育児休業はいつまで延長できるのか──育児介護休業法5条の「一歳六か月」と「二歳」を条文で確かめた
育児休業はいつまで延長できるのか──育児介護休業法5条の「一歳六か月」と「二歳」を条文で確かめた

保育所に入れなかったので育児休業延長を申し出たい、という場面は少なくありません。

ところが「延長は会社の判断」と説明されることもあり、どこまでが条文で決まっているのかが分かりにくいところです。

この記事は、育児休業をいつまで延ばせるのかを、育児介護休業法と施行規則の言葉だけで確かめます。

結論から書くと、条文が置いている線は一歳六か月と二歳の2つです。

延ばせる期間は一歳六か月と二歳の二段で、どちらも条文に数字が置かれています。

条文の確認日は2026年10月9日です。

TOC

育児休業延長の出発点=育児介護休業法5条1項の「一歳に満たない子」

延長の話に入る前に、もとの育児休業が何歳までの子を対象にしているかを押さえます。

第五条第一項が、申し出れば休業できる形を置いています。

労働者は、その養育する一歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業(第九条の二第一項に規定する出生時育児休業を除く。以下この条から第九条までにおいて同じ。)をすることができる。

(育児介護休業法 第五条第一項)

対象は「一歳に満たない子」で、手続は「その事業主に申し出ること」です。

まず一歳までが原則の枠で、ここから先が延長の条文になります。

子が一歳に達する日は、第五条第二項で「一歳到達日」と呼ばれています。

この一歳到達日が、以降の条文で何度も出てくる基準の日だ。

労働者は、その養育する子が一歳に達する日(以下「一歳到達日」という。)までの期間

(育児介護休業法 第五条第二項)

育児休業延長の1段目=5条3項の「一歳から一歳六か月に達するまでの子」

一歳を超える休業の根拠は、第五条第三項です。

労働者は、その養育する一歳から一歳六か月に達するまでの子について、次の各号のいずれにも該当する場合(厚生労働省令で定める特別の事情がある場合には、第二号に該当する場合)に限り、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。

(育児介護休業法 第五条第三項)

対象は「一歳から一歳六か月に達するまでの子」で、申出先は第一項と同じく事業主です。

ここで条文が置いている上限が一歳六か月という数字です。

ただし第一項と違い、「次の各号のいずれにも該当する場合」という条件が付いています。

この各号の中身は、このあとの見出しで1つずつ並べます。

育児休業延長の2段目=5条4項の「一歳六か月から二歳に達するまでの子」

一歳六か月でもまだ足りないときの根拠が、第五条第四項です。

労働者は、その養育する一歳六か月から二歳に達するまでの子について、次の各号のいずれにも該当する場合(前項の厚生労働省令で定める特別の事情がある場合には、第二号に該当する場合)に限り、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。

(育児介護休業法 第五条第四項)

対象は「一歳六か月から二歳に達するまでの子」で、形は第三項とそろっています。

条文の中で二歳という数字が出てくるのはこの項です。

段対象の子根拠の条文
原則一歳に満たない子第五条第一項
1段目一歳から一歳六か月に達するまでの子第五条第三項
2段目一歳六か月から二歳に達するまでの子第五条第四項

第四項の先に、二歳六か月や三歳といった段を置く項は第五条にありません。

条文の数字をたどると、育児休業として申し出られる上限は二歳です。

同じ法律の介護休業の日数は、介護休業は何日取れるのかを育児介護休業法11条で確かめた記事で確かめています。↓

育児休業延長に要る3つの条件=5条3項各号の並び

第三項が求める「次の各号」は、3つ並んでいます。

当該申出に係る子について、当該労働者又はその配偶者が、当該子の一歳到達日において育児休業をしている場合

(育児介護休業法 第五条第三項第一号)

当該子の一歳到達日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合

(育児介護休業法 第五条第三項第二号)

当該子の一歳到達日後の期間において、この項の規定による申出により育児休業をしたことがない場合

(育児介護休業法 第五条第三項第三号)

第一号は、一歳到達日に本人か配偶者のどちらかが育児休業をしていることです。

第二号は、一歳到達日後も休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合に当たること。

第三号は、一歳到達日後の期間についてこの項の申出で育児休業をしたことがないことです。

3つの号はいずれにも該当することが条件で、1つを満たせば足りる並びではありません。

第四項の各号も、基準の日が一歳六か月到達日に置き換わるだけで、同じ3つの形です。

当該申出に係る子について、当該労働者又はその配偶者が、当該子の一歳六か月に達する日(以下「一歳六か月到達日」という。)において育児休業をしている場合

(育児介護休業法 第五条第四項第一号)

当該子の一歳六か月到達日後の期間において、この項の規定による申出により育児休業をしたことがない場合

(育児介護休業法 第五条第四項第三号)

育児休業延長で省令が決める「雇用の継続のために特に必要と認められる場合」=施行規則6条

第三項第二号が厚生労働省令に預けている中身は、施行規則第六条に並んでいます。

法第五条第三項第二号の厚生労働省令で定める場合は、次のとおりとする。

(育児介護休業法施行規則 第六条)

法第五条第三項の申出に係る子について、保育所等における保育の利用を希望し、申込みを行っているが、当該子が一歳に達する日後の期間について、当面その実施が行われない場合

(育児介護休業法施行規則 第六条第一号)

第一号は、保育所等の利用を申し込んでいるのに一歳到達日後の期間について当面その実施が行われない場合です。

いわゆる保育所に入れなかった場面が、この号の言葉に当たります。

保育所等の申込みを行っていることが号の言葉に入っています。

常態として法第五条第三項の申出に係る子の養育を行っている当該子の親である配偶者であって当該子が一歳に達する日後の期間について常態として当該子の養育を行う予定であったものが次のいずれかに該当した場合死亡したとき。

負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により法第五条第三項の申出に係る子を養育することが困難な状態になったとき。

婚姻の解消その他の事情により常態として法第五条第三項の申出に係る子の養育を行っている当該子の親である配偶者が法第五条第三項の申出に係る子と同居しないこととなったとき。

六週間(多胎妊娠の場合にあっては、十四週間)以内に出産する予定であるか又は産後八週間を経過しないとき。

(育児介護休業法施行規則 第六条第二号)

第二号は、常態として子を養育する予定だった配偶者に、死亡・負傷・疾病・障害・別居・出産前後といった事情が生じた場合です。

前条の規定により読み替えて準用する第五条第一号から第三号までに掲げる場合に該当した場合

(育児介護休業法施行規則 第六条第三号)

第三号は、前条を読み替えて準用する第五条第一号から第三号までに掲げる場合です。

一歳六か月から二歳までの段については、同じ第六条を読み替えて使う形が置かれています。

前条の規定は、法第五条第四項第二号の厚生労働省令で定める場合について準用する。

この場合において、同条中「一歳に達する日」とあるのは「一歳六か月に達する日」と読み替えるものとする。

(育児介護休業法施行規則 第六条の二)

読み替えるのは「一歳に達する日」を「一歳六か月に達する日」の部分です。

育児休業延長の「特別の事情」で条件が1つになる場合=5条3項かっこ書きと施行規則5条の2

第三項と第四項のかっこ書きは、「厚生労働省令で定める特別の事情がある場合には、第二号に該当する場合」としています。

この特別の事情は、施行規則第五条の二が第五条を準用する形で置かれています。

前条の規定(第四号から第八号までを除く。)は、法第五条第三項の厚生労働省令で定める特別の事情がある場合について準用する。

この場合において、前条第一号から第三号までの規定中「第五条第一項」とあるのは、「第五条第一項又は第三項」と読み替えるものとする。

(育児介護休業法施行規則 第五条の二)

準用されるのは第五条第一号から第三号までで、第四号から第八号までは除かれています。

法第五条第二項の厚生労働省令で定める特別の事情がある場合は、次のとおりとする。

(育児介護休業法施行規則 第五条)

法第五条第一項の申出をした労働者について労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項又は第二項の規定により休業する期間(以下「産前産後休業期間」という。)が始まったことにより法第九条第一項の育児休業期間(以下「育児休業期間」という。)が終了した場合であって、当該産前産後休業期間又は当該産前産後休業期間中に出産した子に係る育児休業期間が終了する日までに、当該子の全てが、次のいずれかに該当するに至ったとき。

死亡したとき。

養子となったことその他の事情により当該労働者と同居しないこととなったとき。

(育児介護休業法施行規則 第五条第一号)

第一号は、産前産後休業が始まって育児休業期間が終了し、その後に子の全てが死亡または同居しないこととなった場合です。

第二号は新たな育児休業期間や出生時育児休業期間、第三号は介護休業期間について、同じ形を置いています。

かっこ書きの適用満たす必要がある号根拠
特別の事情がない場合第一号・第二号・第三号のいずれにも該当第五条第三項本文
特別の事情がある場合第二号に該当第五条第三項かっこ書き
特別の事情の中身施行規則第五条第一号から第三号まで施行規則第五条の二

特別の事情があるときに残るのは第二号だけという並びです。

有期雇用で育児休業延長ができる人=5条3項ただし書と5項の読み替え

期間を定めて雇用される人には、第三項のただし書が別の条件を置いています。

ただし、期間を定めて雇用される者(当該子の一歳到達日において育児休業をしている者であって、その翌日を第六項に規定する育児休業開始予定日とする申出をするものを除く。)にあっては、当該子が一歳六か月に達する日までに、その労働契約が満了することが明らかでない者に限り、当該申出をすることができる。

(育児介護休業法 第五条第三項)

条件は「一歳六か月に達する日までに、その労働契約が満了することが明らかでない者」です。

かっこ内で除かれているのは、一歳到達日に育児休業をしていて、その翌日から続けて休業する申出をする人だ。

ただし書が見ているのは契約が満了することが明らかかどうかです。

二歳までの段については、第五項が読み替えを置いています。

第一項ただし書の規定は、前項の規定による申出について準用する。

この場合において、第一項ただし書中「一歳六か月」とあるのは、「二歳」と読み替えるものとする。

(育児介護休業法 第五条第五項)

「一歳六か月」を「二歳」と読み替えるので、第四項の申出では二歳に達する日までの契約の見通しで判断する形になります。

申出の段有期雇用で見る日根拠
一歳六か月まで(第三項)子が一歳六か月に達する日第五条第三項ただし書
二歳まで(第四項)子が二歳に達する日第五条第五項の読み替え
更新に伴って続ける場合ただし書を適用しない第五条第七項

期間を定めて雇用される者であって、その締結する労働契約の期間の末日を育児休業終了予定日

(育児介護休業法 第五条第七項)

会社は育児休業延長の申出を拒めるのか=6条1項の本文とただし書

申し出たあと会社が何をできるのかは、第六条が決めています。

事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、当該育児休業申出を拒むことができない。

(育児介護休業法 第六条第一項)

本文の言葉は拒むことができないで、許可する・しないという形ではありません。

第五条第六項は、第一項・第三項・第四項の申出をまとめて「育児休業申出」と呼んでいます。

延長の申出も、この第六条本文の対象だ。

本文に続くただし書は、労使協定で定めた労働者からの申出を例外にしています。

ただし、当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち育児休業をすることができないものとして定められた労働者に該当する労働者からの育児休業申出があった場合は、この限りでない。

(育児介護休業法 第六条第一項)

例外の入口は「書面による協定」で、協定がなければただし書に入りません。

前項ただし書の場合において、事業主にその育児休業申出を拒まれた労働者は、前条第一項、第三項及び第四項の規定にかかわらず、育児休業をすることができない。

(育児介護休業法 第六条第二項)

妊娠・出産や育児休業を理由にした扱いの禁止は、マタハラの禁止を男女雇用機会均等法9条で確かめた記事で条文ごとに並べています。↓

労使協定で育児休業延長から外せる労働者=6条1項各号と施行規則8条の「六月」

ただし書が挙げる「次に掲げる労働者」は、2つです。

当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者

(育児介護休業法 第六条第一項第一号)

前号に掲げるもののほか、育児休業をすることができないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの

(育児介護休業法 第六条第一項第二号)

第一号は引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者で、第二号は厚生労働省令に預けられています。

法第六条第一項第二号の厚生労働省令で定めるものは、次のとおりとする。

(育児介護休業法施行規則 第八条)

育児休業申出があった日から起算して一年(法第五条第三項及び第四項の申出にあっては六月)以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者

(育児介護休業法施行規則 第八条第一号)

一週間の所定労働日数が著しく少ないものとして厚生労働大臣が定める日数以下の労働者

(育児介護休業法施行規則 第八条第二号)

延長の申出では一年ではなく六月とかっこ書きで書かれています。

協定で外せる労働者延長の申出での数字根拠
引き続き雇用された期間が一年に満たない者一年第六条第一項第一号
申出の日から一定期間内に雇用関係が終了することが明らかな者六月施行規則第八条第一項第一号
一週間の所定労働日数が著しく少ない者厚生労働大臣が定める日数以下施行規則第八条第一項第二号

第五条第三項と第四項の申出について、かっこ書きで「六月」と書き分けられているのが第一号の特徴です。

育児休業延長の申出期限=6条3項の「二週間」と開始日の指定

申出が遅いときに会社ができることも、条文に書かれています。

当該育児休業申出があった日の翌日から起算して一月(前条第三項の規定による申出(当該申出があった日が当該申出に係る子の一歳到達日以前の日であるものに限る。)又は同条第四項の規定による申出(当該申出があった日が当該申出に係る子の一歳六か月到達日以前の日であるものに限る。)にあっては二週間)を経過する日

(育児介護休業法 第六条第三項)

原則は一月で、延長の申出はかっこ書きで二週間とされています。

延長の申出で見る期間は二週間という数字です。

この期間より前の日を開始予定日としたときは、会社が開始予定日を指定できる形です。

当該育児休業開始予定日とされた日から当該一月等経過日(当該育児休業申出があった日までに、出産予定日前に子が出生したことその他の厚生労働省令で定める事由が生じた場合にあっては、当該一月等経過日前の日で厚生労働省令で定める日)までの間のいずれかの日を当該育児休業開始予定日として指定することができる。

(育児介護休業法 第六条第三項)

申出の種類条文が置く期間かっこ書きの条件
第五条第一項の申出一月なし
第五条第三項の申出二週間申出の日が一歳到達日以前
第五条第四項の申出二週間申出の日が一歳六か月到達日以前

育児休業延長の開始日は選べるのか=5条6項各号の「翌日」

延長の申出では、休業を始める日も条文で決まっています。

この場合において、次の各号に掲げる申出にあっては、第三項の厚生労働省令で定める特別の事情がある場合を除き、当該各号に定める日を育児休業開始予定日としなければならない。

(育児介護休業法 第五条第六項)

第三項の規定による申出当該申出に係る子の一歳到達日の翌日(当該申出をする労働者の配偶者が同項の規定による申出により育児休業をする場合には、当該育児休業に係る育児休業終了予定日の翌日以前の日)

(育児介護休業法 第五条第六項第一号)

第四項の規定による申出当該申出に係る子の一歳六か月到達日の翌日(当該申出をする労働者の配偶者が同項の規定による申出により育児休業をする場合には、当該育児休業に係る育児休業終了予定日の翌日以前の日)

(育児介護休業法 第五条第六項第二号)

第三項の申出は一歳到達日の翌日、第四項の申出は一歳六か月到達日の翌日が開始予定日です。

配偶者が同じ項の申出で育児休業をしている場合は、その育児休業終了予定日の翌日以前の日とされています。

空白を置かずに翌日からつなぐ形が条文の原則です。

なお第五条第六項の前段は、育児休業開始予定日と育児休業終了予定日を明らかにして申し出る形を定めています。

第一項、第三項及び第四項の規定による申出(以下「育児休業申出」という。)は、厚生労働省令で定めるところにより、その期間中は育児休業をすることとする一の期間について、その初日(以下「育児休業開始予定日」という。)及び末日(以下「育児休業終了予定日」という。)とする日を明らかにして、しなければならない。

(育児介護休業法 第五条第六項)

育児休業延長の申出で会社に伝える事項=施行規則7条1項の列挙

申出の中身は、施行規則第七条第一項が列挙しています。

育児休業申出の年月日

(育児介護休業法施行規則 第七条第一項第一号)

育児休業申出に係る期間の初日(以下「育児休業開始予定日」という。)及び末日(以下「育児休業終了予定日」という。)とする日

(育児介護休業法施行規則 第七条第一項第四号)

第一号は申出の年月日、第四号は開始予定日と終了予定日とする日です。

延長の申出にだけ要る事項は、第八号と第九号に置かれています。

法第五条第三項又は第四項の申出をする場合にあっては、第六条各号又は第六条の二の規定により読み替えて準用する第六条各号に掲げる場合に該当する事実

(育児介護休業法施行規則 第七条第一項第八号)

配偶者が育児休業申出に係る子の一歳到達日(法第五条第三項に規定する一歳到達日をいう。以下同じ。)又は一歳六か月到達日(法第五条第四項第一号に規定する一歳六か月到達日をいう。)において育児休業をしている労働者が法第五条第三項又は第四項の申出をする場合にあっては、その事実

(育児介護休業法施行規則 第七条第一項第九号)

第八号が求めるのは第六条各号に該当する事実です。

第九号は、配偶者が一歳到達日または一歳六か月到達日において育児休業をしている事実です。

会社は、これらの事実を証明できる書類の提出を求められる形になっています。

事業主は、育児休業申出があったときは、当該育児休業申出をした労働者に対して、当該育児休業申出に係る子の妊娠、出生(育児休業申出に係る子が当該育児休業申出の際に出生していない場合にあっては、出産予定日)若しくは養子縁組の事実又は第一項第三号若しくは第七号から第十二号までに掲げる事実を証明することができる書類の提出を求めることができる。

(育児介護休業法施行規則 第七条第七項)

保育所等の申込みをしている事実であれば、自治体が出す書類が第八号の事実に対応します。

どの書類で足りるかは、会社の育児休業規程で定められている項目です。

育児休業延長した休業が終わる日=9条2項各号の事情

延長した育児休業がいつ終わるのかは、第九条が決めています。

育児休業申出をした労働者がその期間中は育児休業をすることができる期間(以下「育児休業期間」という。)は、育児休業開始予定日とされた日から育児休業終了予定日とされた日(第七条第三項の規定により当該育児休業終了予定日が変更された場合にあっては、その変更後の育児休業終了予定日とされた日。次項において同じ。)までの間とする。

(育児介護休業法 第九条第一項)

原則は、育児休業開始予定日から育児休業終了予定日までの間です。

育児休業終了予定日とされた日の前日までに、育児休業申出に係る子が一歳(第五条第三項の規定による申出により育児休業をしている場合にあっては一歳六か月、同条第四項の規定による申出により育児休業をしている場合にあっては二歳)に達したこと。

(育児介護休業法 第九条第二項第二号)

第二号は、第五条第三項の申出で休業しているなら一歳六か月、第四項の申出なら二歳に達したことを終了の事情にしています。

終了予定日より先に一歳六か月または二歳に達した日が来れば、そこで終わる形です。

育児休業終了予定日とされた日の前日までに、子の死亡その他の労働者が育児休業申出に係る子を養育しないこととなった事由として厚生労働省令で定める事由が生じたこと。

(育児介護休業法 第九条第二項第一号)

育児休業終了予定日とされた日までに、育児休業申出をした労働者について、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項若しくは第二項の規定により休業する期間、第九条の五第一項に規定する出生時育児休業期間、第十五条第一項に規定する介護休業期間又は新たな育児休業期間が始まったこと。

(育児介護休業法 第九条第二項第三号)

第一号は子の死亡その他の養育しないこととなった事由、第三号は産前産後休業・出生時育児休業・介護休業・新たな育児休業期間が始まったことです。

産前産後の休業の週数は、産前産後休業は何週間取れるのかを労働基準法65条で確かめた記事で確かめています。↓

育児休業延長の終了予定日を後ろへ動かせるか=7条3項の「一回に限り」

いったん決めた終了予定日を後ろにずらす手続も、条文にあります。

育児休業申出をした労働者は、厚生労働省令で定める日までにその事業主に申し出ることにより、当該育児休業申出に係る育児休業終了予定日を一回に限り当該育児休業終了予定日とされた日後の日に変更することができる。

(育児介護休業法 第七条第三項)

「一回に限り」「当該育児休業終了予定日とされた日後の日に変更することができる」という2つの言葉が並びます。

後ろへ動かせるのは一回に限りです。

前にずらす変更は、第七条第一項が第五条第一項の申出について置いている形です。

第五条第一項の規定による申出をした労働者は、その後当該申出に係る育児休業開始予定日とされた日

(育児介護休業法 第七条第一項)

変更の向き回数根拠
終了予定日を後の日へ一回に限り第七条第三項
開始予定日を前の日へ一回に限り第七条第一項
会社が開始予定日を指定条文に回数の定めなし第六条第三項

育児休業延長を理由にした不利益取扱い=10条の一文

延長を申し出たことへの扱いは、第十条が禁止しています。

事業主は、労働者が育児休業申出等(育児休業申出及び出生時育児休業申出をいう。以下同じ。)をし、若しくは育児休業をしたこと又は第九条の五第二項の規定による申出若しくは同条第四項の同意をしなかったことその他の同条第二項から第五項までの規定に関する事由であって厚生労働省令で定めるものを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

(育児介護休業法 第十条)

禁止されているのは「解雇その他不利益な取扱い」で、理由として挙げられているのは育児休業申出等をしたことや育児休業をしたことです。

第十条の主語は事業主で、禁止の形で書かれています。

第五条第六項が第三項・第四項の申出も「育児休業申出」と定義しているので、延長の申出もこの条の対象に入ります。

育児休業延長と給付金=雇用保険法61条の7第1項の「一歳六か月」「二歳」

休業中のお金の側にも、同じ数字が置かれています。

(その子が一歳に達した日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合にあつては、一歳六か月に満たない子(その子が一歳六か月に達した日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合にあつては、二歳に満たない子))

(雇用保険法 第六十一条の七第一項)

育児休業給付金の対象となる子は、原則が一歳に満たない子で、要件に当たるときは一歳六か月、さらに当たるときは二歳に満たない子とされています。

給付金の側も一歳六か月と二歳の二段で書かれています。

支給率の線は、第六項が置く百分の五十と百分の六十七だ。

百分の五十(当該育児休業(同一の子について二回以上の育児休業をした場合にあつては、初回の育児休業とする。)を開始した日から起算し当該育児休業給付金の支給に係る休業日数が通算して百八十日に達するまでの間に限り、百分の六十七)

(雇用保険法 第六十一条の七第六項)

給付金の額の出し方そのものは、育児休業給付金はいくらもらえるのかを雇用保険法61条の7で確かめた記事で確かめています。↓

配偶者と重ねる形は育児休業延長とは別=9条の6の「一歳二か月」

延長とまちがえやすいのが、配偶者が育児休業をしている場合の特例です。

第五条第一項中「一歳に満たない子」とあるのは「一歳に満たない子(第九条の六第一項の規定により読み替えて適用するこの項の規定により育児休業をする場合にあっては、一歳二か月に満たない子)」と

(育児介護休業法 第九条の六第一項)

読み替えで出てくる数字は一歳二か月で、第五条第三項の一歳六か月とは別の条文です。

一歳二か月は第九条の六の読み替えから出てくる数字です。

この特例が使えない場合も、第二項に書かれています。

前項の規定は、同項の規定を適用した場合の第五条第一項の規定による申出に係る育児休業開始予定日とされた日が、当該育児休業に係る子の一歳到達日の翌日後である場合又は前項の場合における当該労働者の配偶者がしている育児休業に係る育児休業期間の初日前である場合には、これを適用しない。

(育児介護休業法 第九条の六第二項)

制度の名前のもとになる条文条文に出てくる数字条件の形
第五条第一項一歳申し出れば休業できる
第九条の六第一項の読み替え一歳二か月配偶者が一歳到達日以前に育児休業をしている
第五条第三項一歳六か月各号のいずれにも該当
第五条第四項二歳各号のいずれにも該当

育児休業延長についてよくある質問

育児休業は何歳まで延長できますか?

第五条第三項が一歳から一歳六か月に達するまでの子、第四項が一歳六か月から二歳に達するまでの子を対象にしています。

第五条には、二歳より先の段を置く項はありません。

保育所に入れなかったことは延長の理由になりますか?

施行規則第六条第一号は、保育所等における保育の利用を希望し、申込みを行っているが、子が一歳に達する日後の期間について当面その実施が行われない場合を挙げています。

一歳六か月から二歳までの段は、施行規則第六条の二が同じ第六条を読み替えて準用します。

会社は延長の申出を断れますか?

第六条第一項本文は、事業主は育児休業申出を拒むことができないと定めています。

例外は、同項ただし書の書面による協定で定められた労働者に当たる場合です。

延長の申出はいつまでに出せばよいですか?

第六条第三項は、申出があった日の翌日から起算して一月を原則とし、第五条第三項・第四項の申出についてはかっこ書きで二週間としています。

この期間より前の日を開始予定日としたときは、事業主が開始予定日を指定できます。

延長の開始日は自由に決められますか?

第五条第六項は、第三項の申出は一歳到達日の翌日、第四項の申出は一歳六か月到達日の翌日を開始予定日としなければならないと定めています。

第三項の厚生労働省令で定める特別の事情がある場合は除かれています。

契約社員でも延長できますか?

第五条第三項ただし書は、子が一歳六か月に達する日までに労働契約が満了することが明らかでない者に限り申出ができるとしています。

二歳までの段は、第五項の読み替えで「二歳」に達する日で見ます。

延長した休業は必ず二歳まで続きますか?

第九条第二項第二号は、第五条第三項の申出による休業なら一歳六か月、第四項の申出なら二歳に達したことで育児休業期間が終了するとしています。

子の死亡その他の事由や、産前産後休業などが始まったことも終了の事情です。

延長を申し出たことで不利に扱われませんか?

第十条は、育児休業申出等をしたことや育児休業をしたことを理由とする解雇その他不利益な取扱いを禁止しています。

延長の申出も、第五条第六項の定義により育児休業申出に含まれます。

育児休業延長を条文で確かめた結果の一覧

条文で確かめたこと
  • 原則は一歳に満たない子(第五条第一項)
  • 1段目は一歳から一歳六か月に達するまでの子(第五条第三項)
  • 2段目は一歳六か月から二歳に達するまでの子(第五条第四項)
  • 条件は各号のいずれにも該当すること(特別の事情があるときは第二号のみ)
  • 第二号の中身は施行規則第六条・第六条の二
  • 有期雇用は契約の満了が明らかでないことが条件(第五条第三項ただし書・第五項)
  • 事業主は育児休業申出を拒めない(第六条第一項本文)
  • 協定で外せるのは第六条第一項各号と施行規則第八条の労働者
  • 申出の期間は原則一月、延長の申出は二週間(第六条第三項)
  • 開始予定日は一歳到達日または一歳六か月到達日の翌日(第五条第六項各号)
  • 給付金の側も一歳六か月と二歳の二段(雇用保険法第六十一条の七第一項)

保育所等の申込みをしているのに実施が行われない場面は、施行規則第六条第一号の言葉にそのまま対応しています。

申し出るときは、開始予定日を一歳到達日の翌日に合わせ、第八号の事実を示す書類をそろえておく形になります。

個別の事情への当てはめは、都道府県労働局の雇用環境・均等部か弁護士に相談する領域です。


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参考文献

この記事で使った一次資料

条文の確認日は2026年10月9日です。

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