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産後パパ育休は何週間取れるのか──育児介護休業法9条の2の「四週間以内の期間」を条文で確かめた

産後パパ育休は何週間取れるのか──育児介護休業法9条の2の「四週間以内の期間」を条文で確かめた
産後パパ育休は何週間取れるのか──育児介護休業法9条の2の「四週間以内の期間」を条文で確かめた

産後パパ育休は何週間取れるのか、という問いから入ります。

会社の案内では「4週間まで」「8週間のうち4週間」と書き方が分かれていて、どちらが法律の線なのか迷うところです。

この記事は、産後パパ育休の期間・回数・申出期限・休業中の就業を、育児介護休業法と施行規則、それに雇用保険法の条文の言葉だけで確かめます。

結論から並べると、枠は子の出生の日から八週間、その中で休業できるのは四週間以内の期間、回数は二回まで、日数は通算二十八日まで、という形になります。

そして条文を開いて最初に分かるのは、条文の名前は出生時育児休業という点でした。

条文の確認日は2026年10月9日です。

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産後パパ育休という言葉は条文に無い=育児介護休業法9条の2が置く名前は「出生時育児休業」

最初に押さえておきたいのは、「産後パパ育休」という言葉が育児介護休業法の条文のどこにも置かれていないことです。

条文が使っているのは「出生時育児休業」という名前になります。

出生時育児休業(育児休業のうち、この条から第九条の五までに定めるところにより、子の出生の日から起算して八週間を経過する日の翌日まで(出産予定日前に当該子が出生した場合にあっては当該出生の日から当該出産予定日から起算して八週間を経過する日の翌日までとし、出産予定日後に当該子が出生した場合にあっては当該出産予定日から当該出生の日から起算して八週間を経過する日の翌日までとする。次項第一号において同じ。)の期間内に四週間以内の期間を定めてする休業をいう。以下同じ。)

(育児介護休業法 第九条の二第一項)

この一文の中に、枠となる「八週間」と、休業できる長さの「四週間以内の期間」が両方入っています。

つまり八週間の枠と四週間の長さは別の数字で、どちらかが間違いということではありません。

また、条文には「パパ」「父」といった語もなく、主語は「労働者」です。

母である労働者が産後休業を取らない場合にも、文面の上ではこの条が当たります。

よく使われる呼び名条文の言葉根拠
産後パパ育休出生時育児休業第九条の二第一項
産後パパ育休の申出出生時育児休業申出第九条の二第三項
産後パパ育休の期間出生時育児休業期間第九条の五第一項
通常の育休育児休業第五条第一項
産休産前産後の休業労働基準法第六十五条

以下では、条文の言葉と通称を行き来しながら読んでいきます。

母側の産前産後の休業の週数は、産前産後休業は何週間取れるのかを労働基準法65条で確かめた記事で六週間・八週間の線を並べています。↓

産後パパ育休が取れる枠=「子の出生の日から起算して八週間を経過する日の翌日まで」

休業できる長さの前に、どの期間の中で取るのかを見ます。

子の出生の日から起算して八週間を経過する日の翌日まで

(育児介護休業法 第九条の二第一項)

枠の起点は子の出生の日で、終点は八週間を経過する日の翌日です。

出生の日が枠の起算日になるので、予定日とずれたときの扱いが同じ項に書き足されています。

条文は、出産予定日より早く生まれた場合と遅く生まれた場合を、それぞれ別に書いています。

出産予定日前に当該子が出生した場合にあっては当該出生の日から当該出産予定日から起算して八週間を経過する日の翌日までとし、出産予定日後に当該子が出生した場合にあっては当該出産予定日から当該出生の日から起算して八週間を経過する日の翌日までとする。

(育児介護休業法 第九条の二第一項)

早く生まれたときは出生の日から出産予定日の八週間後まで、遅く生まれたときは出産予定日から出生の日の八週間後まで、という読み方になります。

どちらの場合も、枠は八週間より長く取られる形です。

出生と予定日の関係枠の始まり枠の終わり
予定日どおりに出生出生の日出生の日から八週間を経過する日の翌日
予定日より前に出生出生の日出産予定日から八週間を経過する日の翌日
予定日より後に出生出産予定日出生の日から八週間を経過する日の翌日

産後パパ育休の長さの上限=育児介護休業法9条の2第1項の「四週間以内の期間」

枠の中で実際に休業できる長さが、仮の題名で確かめたかった数字です。

の期間内に四週間以内の期間を定めてする休業をいう

(育児介護休業法 第九条の二第一項)

条文の言葉は四週間以内の期間で、八週間まるごと休業できるという書き方ではありません。

「四週間以内の期間を定めて」とあるので、申出のときに期間を決めて出す形になります。

そのため、八週間の枠のどこに四週間を置くかは労働者が選ぶ設計です。

ここまでで、枠は八週間、長さは四週間以内、と2つの数字の役割が分かれました。

会社の案内で「8週間のうち4週間」と書かれる理由も、この一文に由来します。

産後パパ育休を2回に分ける線=9条の2第2項第1号の「二回」

次に、何回に分けて取れるのかを見ます。

回数は、申出ができなくなる場合として第二項に書かれています。

前項の規定にかかわらず、労働者は、その養育する子について次の各号のいずれかに該当する場合には、当該子については、同項の規定による申出をすることができない。

(育児介護休業法 第九条の二第二項)

当該子の出生の日から起算して八週間を経過する日の翌日までの期間(当該子を養育していない期間を除く。)内に二回の出生時育児休業(第四項に規定する出生時育児休業申出によりする出生時育児休業を除く。)をした場合

(育児介護休業法 第九条の二第二項第一号)

第一号は「二回の出生時育児休業をした場合」に申出ができないと書いているので、二回までは分けて取れる並びです。

出生から八週間の枠の中で、二回に分けて取ることが条文の言葉で認められています。

なお、第一号の括弧は「当該子を養育していない期間を除く」として、期間の数え方から外す部分も置いています。

産後パパ育休の日数の天井=9条の2第2項第2号の「二十八日」

回数とは別に、日数の天井も同じ第二項に置かれています。

当該子の出生の日(出産予定日後に当該子が出生した場合にあっては、当該出産予定日)以後に出生時育児休業をする日数(出生時育児休業を開始する日から出生時育児休業を終了する日までの日数とする。第九条の五第六項第三号において同じ。)が二十八日に達している場合

(育児介護休業法 第九条の二第二項第二号)

日数が二十八日に達している場合は、もう申出ができません。

第二号の括弧は、日数の数え方も決めています。

「出生時育児休業を開始する日から出生時育児休業を終了する日までの日数」なので、休日を抜いて数える書き方ではありません。

二回に分けた場合は、それぞれの日数を足して二十八日の線を見る形になります。

線条文の言葉根拠
枠子の出生の日から起算して八週間を経過する日の翌日まで第九条の二第一項
1回あたりの長さ四週間以内の期間第九条の二第一項
回数二回第九条の二第二項第一号
通算の日数二十八日第九条の二第二項第二号
日数の数え方開始する日から終了する日までの日数第九条の二第二項第二号

四週間は二十八日なので、1回で取り切ると第二号の線にそのまま届きます。

産後パパ育休と有期雇用の線=9条の2第1項ただし書の「六月を経過する日」

期間を定めて雇用されている人には、同じ第一項のただし書が別の条件を置いています。

ただし、期間を定めて雇用される者にあっては、その養育する子の出生の日(出産予定日前に当該子が出生した場合にあっては、当該出産予定日)から起算して八週間を経過する日の翌日から六月を経過する日までに、その労働契約が満了することが明らかでない者に限り、当該申出をすることができる。

(育児介護休業法 第九条の二第一項)

見るのは「労働契約が満了することが明らかでない」かどうかで、基準になる日は八週間を経過する日の翌日から六月を経過する日です。

契約の満了が明らかでないなら申出ができる、という向きの書き方になっています。

雇用された期間の長さそのものは、このただし書の条件に入っていません。

期間の長さが関わるのは、次に見る労使協定の方です。

産後パパ育休の申出の形=9条の2第3項の開始予定日と終了予定日

申出のときに何を明らかにするのかも、条文が決めています。

第一項の規定による申出(以下「出生時育児休業申出」という。)は、厚生労働省令で定めるところにより、その期間中は出生時育児休業をすることとする一の期間について、その初日(以下「出生時育児休業開始予定日」という。)及び末日(以下「出生時育児休業終了予定日」という。)とする日を明らかにして、しなければならない。

(育児介護休業法 第九条の二第三項)

明らかにするのは、一の期間についての初日と末日です。

この初日が出生時育児休業開始予定日、末日が出生時育児休業終了予定日と名付けられています。

申出の方法そのものは、施行規則が事項を並べています。

出生時育児休業申出に係る期間の初日(第二十一条の八及び第二十一条の十七第三号において「出生時育児休業開始予定日」という。)及び末日(第二十一条の十二及び第二十一条の十七第三号において「出生時育児休業終了予定日」という。)とする日

(育児介護休業法施行規則 第二十一条の二第一項第四号)

会社に出す書面には、初日と末日の日付を入れることになります。

日付を動かしたいときの扱いは、第九条の四が第七条などを引いてくる形です。

第七条並びに第八条第一項、第二項及び第四項の規定は、出生時育児休業申出並びに出生時育児休業開始予定日及び出生時育児休業終了予定日について準用する。

(育児介護休業法 第九条の四)

引かれている第七条第三項は、終了予定日を後ろへ動かす申出を一回に限り認める条文です。

育児休業申出をした労働者は、厚生労働省令で定める日までにその事業主に申し出ることにより、当該育児休業申出に係る育児休業終了予定日を一回に限り当該育児休業終了予定日とされた日後の日に変更することができる。

(育児介護休業法 第七条第三項)

産後パパ育休を会社が拒めるのか=9条の3第1項の「拒むことができない」

申出を会社が断れるのかどうかは、第九条の三第一項に書かれています。

事業主は、労働者からの出生時育児休業申出があったときは、当該出生時育児休業申出を拒むことができない。

(育児介護休業法 第九条の三第一項)

主語は事業主で、述語は「拒むことができない」です。

会社の都合で申出そのものを断ることは、この項の言葉に合いません。

ただし書は、同じ子について新たな申出がなされた場合を外しています。

ただし、労働者からその養育する子について出生時育児休業申出がなされた後に、当該労働者から当該出生時育児休業申出をした日に養育していた子について新たに出生時育児休業申出がなされた場合は、この限りでない。

(育児介護休業法 第九条の三第一項)

ここで外れるのは、先の申出をした日に既に養育していた子についての新たな申出です。

産後パパ育休を労使協定で外せる労働者=9条の3第2項が準用する6条1項ただし書

申出を拒めない原則にも、労使協定による例外が引かれています。

第六条第一項ただし書及び第二項の規定は、労働者からの出生時育児休業申出があった場合について準用する。

(育児介護休業法 第九条の三第二項)

引かれてくる第六条第一項のただし書は、書面による協定で定めた労働者を外せる仕組みです。

当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち育児休業をすることができないものとして定められた労働者に該当する労働者からの育児休業申出があった場合は、この限りでない。

(育児介護休業法 第六条第一項)

当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者

(育児介護休業法 第六条第一項第一号)

前号に掲げるもののほか、育児休業をすることができないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの

(育児介護休業法 第六条第一項第二号)

第一号が「引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者」で、第二号は省令に委ねられた労働者です。

協定が無ければ、勤続1年未満でも申出ができるという並びになります。

協定で外された人がどうなるかは、第六条第二項が書いています。

前項ただし書の場合において、事業主にその育児休業申出を拒まれた労働者は、前条第一項、第三項及び第四項の規定にかかわらず、育児休業をすることができない。

(育児介護休業法 第六条第二項)

産後パパ育休の申出期限=9条の3第3項の「二週間を経過する日」

いつまでに申し出るのかは、会社が開始日を指定できる範囲として書かれています。

事業主は、労働者からの出生時育児休業申出があった場合において、当該出生時育児休業申出に係る出生時育児休業開始予定日とされた日が当該出生時育児休業申出があった日の翌日から起算して二週間を経過する日(以下この項において「二週間経過日」という。)前の日であるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該出生時育児休業開始予定日とされた日から当該二週間経過日(当該出生時育児休業申出があった日までに、第六条第三項の厚生労働省令で定める事由が生じた場合にあっては、当該二週間経過日前の日で厚生労働省令で定める日)までの間のいずれかの日を当該出生時育児休業開始予定日として指定することができる。

(育児介護休業法 第九条の三第三項)

会社が日を指定できるのは申出が二週間前より後のときだけです。

逆に読むと、二週間前までに申し出れば、希望した日が開始予定日になります。

通常の育児休業の方は、第六条第三項が「一月」を置いています。

当該育児休業申出に係る育児休業開始予定日とされた日が当該育児休業申出があった日の翌日から起算して一月

(育児介護休業法 第六条第三項)

休業の種類申出から開始日までの原則根拠
産後パパ育休(出生時育児休業)二週間を経過する日第九条の三第三項
1歳までの育児休業一月を経過する日第六条第三項
1歳から1歳6か月までの育児休業二週間を経過する日第六条第三項の括弧
1歳6か月から2歳までの育児休業二週間を経過する日第六条第三項の括弧

同じ法律の中でも、産後パパ育休だけ原則が短く置かれている形です。

産後パパ育休の申出期限を1か月まで延ばす労使協定=9条の3第4項第2号

この二週間は、労使協定で動かせる余地が残されています。

出生時育児休業申出が円滑に行われるようにするための雇用環境の整備その他の厚生労働省令で定める措置の内容

(育児介護休業法 第九条の三第四項第一号)

事業主が出生時育児休業申出に係る出生時育児休業開始予定日を指定することができる出生時育児休業申出があった日の翌日から出生時育児休業開始予定日とされた日までの期間(二週間を超え一月以内の期間に限る。)

(育児介護休業法 第九条の三第四項第二号)

第二号の括弧に「二週間を超え一月以内の期間に限る」とあるので、延ばせる上限は一月です。

協定を結んでも一月を超える期限は条文の言葉の外にあります。

第一号は、延ばす代わりに雇用環境の整備などの措置を協定で定めることを求めています。

協定の有無会社が開始日を指定できる範囲根拠
協定なし申出の翌日から二週間を経過する日まで第九条の三第三項
協定あり協定で定めた期間(二週間を超え一月以内)を経過する日まで第九条の三第四項第二号
協定の条件雇用環境の整備その他の省令で定める措置の内容を定めること第九条の三第四項第一号

産後パパ育休の期間が途中で終わる事情=9条の5第1項と第6項

休業できる期間そのものは、第九条の五第一項が決めています。

出生時育児休業申出をした労働者がその期間中は出生時育児休業をすることができる期間(以下「出生時育児休業期間」という。)

(育児介護休業法 第九条の五第一項)

この期間が、申出で決めた初日から末日までの間です。

ただし、途中で終わる事情が第六項に4つ並んでいます。

次の各号に掲げるいずれかの事情が生じた場合には、出生時育児休業期間は、第一項の規定にかかわらず、当該事情が生じた日(第四号に掲げる事情が生じた場合にあっては、その前日)に終了する。

(育児介護休業法 第九条の五第六項)

出生時育児休業終了予定日とされた日の前日までに、出生時育児休業申出に係る子の出生の日の翌日(出産予定日前に当該子が出生した場合にあっては、当該出産予定日の翌日)から起算して八週間を経過したこと。

(育児介護休業法 第九条の五第六項第二号)

出生時育児休業終了予定日とされた日の前日までに、出生時育児休業申出に係る子の出生の日(出産予定日後に当該子が出生した場合にあっては、当該出産予定日)以後に出生時育児休業をする日数が二十八日に達したこと。

(育児介護休業法 第九条の五第六項第三号)

八週間の枠を越えた日と、二十八日に達した日が、期間の終わりになります。

終わる事情終わる日根拠
子を養育しないこととなった省令の事由その事情が生じた日第九条の五第六項第一号
出生の日の翌日から八週間を経過その事情が生じた日第九条の五第六項第二号
休業の日数が二十八日に達したその事情が生じた日第九条の五第六項第三号
産前産後の休業・育児休業・介護休業などが始まったその前日第九条の五第六項第四号

第四号は、労働基準法第六十五条の休業や育児休業期間、介護休業期間が始まった場合を挙げています。

続けて取る介護休業の日数は、介護休業は何日取れるのかを育児介護休業法11条で確かめた記事で九十三日の線を確かめています。↓

産後パパ育休中に働けるのか=9条の5第2項から第5項の「就業可能日等」

産後パパ育休には、休業中に働ける仕組みが条文に置かれています。

当該出生時育児休業申出に係る出生時育児休業開始予定日とされた日の前日までの間、事業主に対し、当該出生時育児休業申出に係る出生時育児休業期間において就業することができる日その他の厚生労働省令で定める事項(以下この条において「就業可能日等」という。)を申し出ることができる。

(育児介護休業法 第九条の五第二項)

申し出るのは労働者の側で、申し出られるのは協定で定められた労働者に限られます。

事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、出生時育児休業期間中に就業させることができるものとして定められた労働者に該当するものに限る。

(育児介護休業法 第九条の五第二項)

協定が無ければ、休業中に就業させることはこの項の外にあります。

申し出た就業可能日等は、開始予定日の前日までなら変更も撤回もできます。

前項の規定による申出をした労働者は、当該申出に係る出生時育児休業開始予定日とされた日の前日までは、その事業主に申し出ることにより当該申出に係る就業可能日等を変更し、又は当該申出を撤回することができる。

(育児介護休業法 第九条の五第三項)

会社の側の手続は第四項で、同意を得た場合に限るという形です。

事業主は、労働者から第二項の規定による申出(前項の規定による変更の申出を含む。)があった場合には、当該申出に係る就業可能日等(前項の規定により就業可能日等が変更された場合にあっては、その変更後の就業可能日等)の範囲内で日時を提示し、厚生労働省令で定めるところにより、当該申出に係る出生時育児休業開始予定日とされた日の前日までに当該労働者の同意を得た場合に限り、厚生労働省令で定める範囲内で、当該労働者を当該日時に就業させることができる。

(育児介護休業法 第九条の五第四項)

同意したあとでも、第五項が撤回を認めています。

前項の同意をした労働者は、当該同意の全部又は一部を撤回することができる。

ただし、第二項の規定による申出に係る出生時育児休業開始予定日とされた日以後においては、厚生労働省令で定める特別の事情がある場合に限る。

(育児介護休業法 第九条の五第五項)

開始予定日以後の撤回だけは、省令で定める特別の事情がある場合に限られます。

産後パパ育休中に働ける上限=施行規則21条の17の「二分の一以下」

第四項の「厚生労働省令で定める範囲」の中身は、施行規則第二十一条の十七に並んでいます。

法第九条の五第四項の厚生労働省令で定める範囲は、次のとおりとする。

(育児介護休業法施行規則 第二十一条の十七)

就業させることとした日(以下この条において「就業日」という。)の数の合計が、出生時育児休業期間の所定労働日数の二分の一以下であること。

ただし、一日未満の端数があるときは、これを切り捨てた日数であること。

(育児介護休業法施行規則 第二十一条の十七第一号)

就業日における労働時間の合計が、出生時育児休業期間における所定労働時間の合計の二分の一以下であること。

(育児介護休業法施行規則 第二十一条の十七第二号)

出生時育児休業開始予定日とされた日又は出生時育児休業終了予定日とされた日を就業日とする場合は、当該日の労働時間数は、当該日の所定労働時間数に満たないものであること。

(育児介護休業法施行規則 第二十一条の十七第三号)

上限は所定の二分の一以下で、日数と時間の両方に線が置かれています。

第一号が日数、第二号が労働時間で、どちらも出生時育児休業期間の所定の二分の一以下です。

第三号は、初日と末日を就業日にするときに所定労働時間数より短くすることを求めています。

上限の種類条文の言葉根拠
就業日の数出生時育児休業期間の所定労働日数の二分の一以下施行規則第二十一条の十七第一号
就業日の端数一日未満の端数は切り捨てた日数施行規則第二十一条の十七第一号ただし書
労働時間の合計出生時育児休業期間における所定労働時間の合計の二分の一以下施行規則第二十一条の十七第二号
初日・末日を就業日にする場合その日の所定労働時間数に満たない時間数施行規則第二十一条の十七第三号

同意の出し方も、施行規則が書面などの方法を並べています。

書面を提出する方法

(育児介護休業法施行規則 第二十一条の十六第一項第一号)

産後パパ育休の申出や就業の断りを理由にした不利益取扱い=育児介護休業法10条

申出をしたこと、あるいは休業中の就業に同意しなかったことの扱いは、第十条が置いています。

事業主は、労働者が育児休業申出等(育児休業申出及び出生時育児休業申出をいう。以下同じ。)をし、若しくは育児休業をしたこと又は第九条の五第二項の規定による申出若しくは同条第四項の同意をしなかったことその他の同条第二項から第五項までの規定に関する事由であって厚生労働省令で定めるものを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

(育児介護休業法 第十条)

禁止されているのは解雇その他不利益な取扱いで、理由として挙げられているのは申出や同意をしなかったことです。

就業の求めを断っても、それを理由にした不利益は条文で禁じられています。

「その他の同条第二項から第五項までの規定に関する事由」の中身は、施行規則第二十二条の二に並んでいます。

法第九条の五第二項の規定による申出をしなかったこと。

(育児介護休業法施行規則 第二十二条の二第一号)

法第九条の五第四項の同意をしなかったこと。

(育児介護休業法施行規則 第二十二条の二第四号)

法第九条の五第五項の規定により同条第四項の同意の全部又は一部を撤回したこと。

(育児介護休業法施行規則 第二十二条の二第五号)

申出をしなかったこと、同意をしなかったこと、同意を撤回したことが、それぞれ号として挙げられています。

妊娠・出産を理由にした取扱いの線は、マタハラはどこまで禁止されているのかを男女雇用機会均等法9条で確かめた記事で4つの項を並べています。↓

産後パパ育休と1歳までの育児休業の関係=5条と9条

産後パパ育休は、1歳までの育児休業とは別の枠として置かれています。

労働者は、その養育する一歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業(第九条の二第一項に規定する出生時育児休業を除く。以下この条から第九条までにおいて同じ。)をすることができる。

(育児介護休業法 第五条第一項)

第五条第一項の括弧が出生時育児休業を除いているので、2つは別に数える並びです。

八週間の中で取る休業と、1歳までの育児休業は、回数も別に数えます。

1歳までの育児休業の回数は、第五条第二項が二回と置いています。

内に二回の育児休業

(育児介護休業法 第五条第二項)

両方の期間が重なったときの扱いは、第九条第二項第三号に書かれています。

育児休業終了予定日とされた日までに、育児休業申出をした労働者について、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項若しくは第二項の規定により休業する期間、第九条の五第一項に規定する出生時育児休業期間、第十五条第一項に規定する介護休業期間又は新たな育児休業期間が始まったこと。

(育児介護休業法 第九条第二項第三号)

休業対象の子の年齢回数根拠
出生時育児休業出生から八週間を経過する日の翌日まで二回第九条の二第一項・第二項第一号
育児休業一歳に満たない子二回第五条第一項・第二項
育児休業(延長)一歳から一歳六か月に達するまでこの項の申出は一回第五条第三項第三号
育児休業(再延長)一歳六か月から二歳に達するまでこの項の申出は一回第五条第四項第三号

産後パパ育休のお金=雇用保険法61条の8の「百分の六十七」

休業中の所得については、雇用保険法に別の給付が置かれています。

四週間以内の期間を定めて当該子を養育するための休業

(雇用保険法 第六十一条の八第一項)

雇用保険法の側も「四週間以内の期間」という同じ言葉で休業を切り出しています。

給付の額を決めているのは第四項です。

乗じて得た額の百分の六十七に相当する額

(雇用保険法 第六十一条の八第四項)

条文の率は百分の六十七で、掛ける相手は休業開始時賃金日額と支給日数です。

休業中に賃金が払われた場合の調整は、第五項が置いています。

休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の百分の八十に相当する額

(雇用保険法 第六十一条の八第五項)

支給されない場合も、同じ第二項に回数と日数の線で書かれています。

同一の子について当該被保険者が三回以上の出生時育児休業をした場合における三回目以後の出生時育児休業

(雇用保険法 第六十一条の八第二項第一号)

同一の子について当該被保険者がした出生時育児休業ごとに、当該出生時育児休業を開始した日から当該出生時育児休業を終了した日までの日数を合算して得た日数が二十八日に達した日後の出生時育児休業

(雇用保険法 第六十一条の八第二項第二号)

三回目以後と、合算して二十八日に達した日後は支給されない並びです。

回数と日数の線が、育児介護休業法の第九条の二第二項と同じ数字で置かれています。

1歳までの育児休業の給付の率は、育児休業給付金はいくらもらえるのかを雇用保険法61条の7で確かめた記事で67%と50%の境を確かめています。↓

産後パパ育休を会社に伝えたときの事業主の義務=21条と22条

申出より前の段階にも、会社側の義務が置かれています。

事業主は、労働者が当該事業主に対し、当該労働者又はその配偶者が妊娠し、又は出産したことその他これに準ずるものとして厚生労働省令で定める事実を申し出たときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者に対して、育児休業に関する制度その他の厚生労働省令で定める事項を知らせるとともに、育児休業申出等に係る当該労働者の意向を確認するための面談その他の厚生労働省令で定める措置を講じなければならない。

(育児介護休業法 第二十一条第一項)

配偶者の妊娠や出産を申し出たときに、制度を知らせることと意向の確認が求められています。

会社から説明が無いときは、この項を手がかりに聞くことができるはずです。

雇用環境の整備は、第二十二条第一項が選択肢を並べています。

その雇用する労働者に対する育児休業に係る研修の実施

(育児介護休業法 第二十二条第一項第一号)

育児休業に関する相談体制の整備

(育児介護休業法 第二十二条第一項第二号)

研修か相談体制か、省令で定める措置のいずれかを講じる義務です。

就業環境を害する言動への体制整備は、第二十五条第一項が別に置いています。

事業主は、職場において行われるその雇用する労働者に対する育児休業、介護休業その他の子の養育又は家族の介護に関する厚生労働省令で定める制度又は措置の利用に関する言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

(育児介護休業法 第二十五条第一項)

産後パパ育休についてよくある質問

産後パパ育休は何週間取れますか?

第九条の二第一項は、八週間の期間内に四週間以内の期間を定めてする休業と定めています。

枠が八週間で、休業できる長さが四週間以内という形です。

産後パパ育休は何回に分けられますか?

第九条の二第二項第一号は、二回の出生時育児休業をした場合に申出ができないと定めています。

二回までは分けて取れる並びです。

産後パパ育休の日数の上限は何日ですか?

第九条の二第二項第二号は、日数が二十八日に達している場合に申出ができないと定めています。

産後パパ育休はいつまでに申し出ればよいですか?

第九条の三第三項は、申出の翌日から起算して二週間を経過する日より前の開始日について、事業主が日を指定できると定めています。

労使協定があるときは、第九条の三第四項第二号により二週間を超え一月以内の期間になります。

会社は産後パパ育休の申出を断れますか?

第九条の三第一項は、事業主は出生時育児休業申出を拒むことができないと定めています。

例外は同項ただし書と、第六条第一項ただし書を準用する労使協定の場合です。

産後パパ育休の中に働くことはできますか?

第九条の五第二項から第四項までが、労使協定で定められた労働者について就業可能日等の申出と事業主の同意の手続を置いています。

産後パパ育休中に働ける上限はどれくらいですか?

施行規則第二十一条の十七は、就業日の数を所定労働日数の二分の一以下、労働時間の合計を所定労働時間の合計の二分の一以下と定めています。

有期雇用でも産後パパ育休を申し出られますか?

第九条の二第一項ただし書は、八週間を経過する日の翌日から六月を経過する日までに労働契約が満了することが明らかでない者に限ると定めています。

産後パパ育休を条文で確かめた結果の一覧

条文で確かめたこと
  • 条文の名前は「出生時育児休業」で、「産後パパ育休」という語は育児介護休業法に無い
  • 枠は子の出生の日から起算して八週間を経過する日の翌日まで(第九条の二第一項)
  • 休業できる長さは「四週間以内の期間」(第九条の二第一項)
  • 回数は二回まで(第九条の二第二項第一号)
  • 日数は通算で二十八日まで(第九条の二第二項第二号)
  • 事業主は申出を拒むことができない(第九条の三第一項)
  • 申出から開始日までの原則は二週間、労使協定で一月以内まで(第九条の三第三項・第四項第二号)
  • 休業中の就業は所定労働日数・所定労働時間の二分の一以下(施行規則第二十一条の十七)
  • 申出や就業への不同意を理由とする不利益な取扱いは禁止(第十条)
  • 給付の率は休業開始時賃金日額に支給日数を乗じた額の百分の六十七(雇用保険法第六十一条の八第四項)

産後パパ育休を取るときは、八週間の枠のどこに四週間以内の期間を置くか、二回に分けるか、休業中に就業するかを、申出の前に決めることになります。

個別の事情への当てはめは、都道府県労働局の雇用環境・均等部門か弁護士に相談する領域です。


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子が生まれたあとに使える休暇は、子の看護休暇は何日取れるのかを育児介護休業法16条の2で確かめた記事で五労働日の線を並べています。↓

母側の休業と出産手当金は、産前産後休業は何週間取れるのかを労働基準法65条で確かめた記事にまとめています。↓


参考文献

この記事で使った一次資料

条文の確認日は2026年10月9日です。

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