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定年は何歳からか──高年齢者雇用安定法8条の「六十歳」と9条の継続雇用を条文で確かめた

定年は何歳からか──高年齢者雇用安定法8条の「六十歳」と9条の継続雇用を条文で確かめた
定年は何歳からか──高年齢者雇用安定法8条の「六十歳」と9条の継続雇用を条文で確かめた

定年は何歳からなのかを調べると、60歳・65歳・70歳という3つの数字が同時に出てきます。

この3つは、条文の上では同じ強さの決まりではありません。

この記事は、高年齢者雇用安定法と労働基準法の条文の言葉だけで、3つの数字がどこに置かれているのかを確かめます。

結論から書くと、次のとおりです。

条文が事業主に禁じているのは六十歳を下回る定年の定めだけ、というのが確かめた結果になります。

条文の確認日は2026年10月8日です。

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定年は何歳からかの出発点=高年齢者雇用安定法第8条の「六十歳を下回ることができない」

最初に見るのは、定年の年齢そのものに線を引いている第八条です。

事業主がその雇用する労働者の定年(以下単に「定年」という。)の定めをする場合には、当該定年は、六十歳を下回ることができない。

(高年齢者雇用安定法 第八条)

主語は事業主で、条件は「定年の定めをする場合」になっています。

この条文が置いているのは定年の下限=六十歳という1本の線です。

「六十歳を下回ることができない」という言葉なので、六十歳そのものは条文の線の上にあります。

六十五歳や七十歳という数字は、この第八条には1文字も出てきません。

条文対象条文が置いている言葉
高年齢者雇用安定法第八条定年の定めをする場合の年齢六十歳を下回ることができない
高年齢者雇用安定法第九条第一項定年が六十五歳未満の事業主いずれかを講じなければならない
高年齢者雇用安定法第十条の二第一項定年が六十五歳以上七十歳未満の事業主確保するよう努めなければならない

3つの条文は、年齢の線だけでなく、事業主に求める強さの言葉も違う並びになっています。

定年の下限六十歳が当たらない労働者=第8条ただし書と施行規則第4条の2

第八条には、六十歳の下限が当たらない労働者を書いたただし書も付いています。

ただし、当該事業主が雇用する労働者のうち、高年齢者が従事することが困難であると認められる業務として厚生労働省令で定める業務に従事している労働者については、この限りでない。

(高年齢者雇用安定法 第八条)

「厚生労働省令で定める業務」の中身は、施行規則第四条の二に置かれています。

法第八条の厚生労働省令で定める業務は、鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)第四条に規定する事業における坑内作業の業務とする。

(高年齢者雇用安定法施行規則 第四条の二)

ただし書が指しているのは鉱業法第四条の事業における坑内作業の業務の1つだけです。

この省令には、ほかの業務は並んでいません。

自分の業務がここに当たらないなら、第八条本文の六十歳の線がそのまま当てはまります。

定年が六十五歳未満の会社に求められること=第9条第1項の高年齢者雇用確保措置

定年を六十歳に置いた会社は、そこで終わりではありません。

六十五歳までの雇用について、第九条第一項が事業主に措置を求めています。

定年(六十五歳未満のものに限る。以下この条において同じ。)の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の六十五歳までの安定した雇用を確保するため、次の各号に掲げる措置(以下「高年齢者雇用確保措置」という。)のいずれかを講じなければならない。

(高年齢者雇用安定法 第九条第一項)

対象は、六十五歳未満の定年の定めをしている事業主です。

条文の言葉はいずれかを講じなければならないで、努力ではなく義務の形になっています。

ただし、条文が求めているのは各号の措置のいずれかで、定年の年齢を六十五歳にすることだけではありません。

つまり六十五歳定年そのものを命じる条文は、ここには置かれていません。

定年の引上げ・継続雇用制度・定年の定めの廃止=第9条第1項各号の3つ

第九条第一項が挙げる措置は、各号に3つ並んでいます。

当該定年の引上げ

(高年齢者雇用安定法 第九条第一項第一号)

継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。以下同じ。)の導入

(高年齢者雇用安定法 第九条第一項第二号)

当該定年の定めの廃止

(高年齢者雇用安定法 第九条第一項第三号)

号措置条文の言葉
第一号定年の引上げ当該定年の引上げ
第二号継続雇用制度の導入現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度
第三号定年の定めの廃止当該定年の定めの廃止

第二号の継続雇用制度は、条文の中で「希望するときは」「その定年後も引き続いて雇用する」と定義されています。

第三号は定年の定めの廃止で、定年そのものを置かない選択も条文に並んでいます。

どの号を選んだかが書かれている場所は、就業規則の退職に関する章です。

継続雇用の契約が更新されないときの線は、雇止めを労働契約法19条で確かめた記事で2つの号を並べています。↓

定年後にグループ会社で雇われる継続雇用=第9条第2項の特殊関係事業主

継続雇用制度には、定年後に同じ会社で働き続ける形だけでなく、別の事業主が雇う形も含まれます。

継続雇用制度には、事業主が、特殊関係事業主(当該事業主の経営を実質的に支配することが可能となる関係にある事業主その他の当該事業主と特殊の関係のある事業主として厚生労働省令で定める事業主をいう。以下この項及び第十条の二第一項において同じ。)との間で、当該事業主の雇用する高年齢者であつてその定年後に雇用されることを希望するものをその定年後に当該特殊関係事業主が引き続いて雇用することを約する契約を締結し、当該契約に基づき当該高年齢者の雇用を確保する制度が含まれるものとする。

(高年齢者雇用安定法 第九条第二項)

条文が求めているのは、定年後に引き続いて雇用することを約する契約の締結です。

「特殊関係事業主」の範囲は、施行規則第四条の三第一項の各号に並んでいます。

当該事業主の子法人等

(高年齢者雇用安定法施行規則 第四条の三第一項第一号)

当該事業主を子法人等とする親法人等

(高年齢者雇用安定法施行規則 第四条の三第一項第二号)

当該事業主の関連法人等

(高年齢者雇用安定法施行規則 第四条の三第一項第四号)

条文の言葉で並ぶのは子法人等・親法人等・関連法人等という関係です。

取引先や資本関係のない会社は、この各号に当たりません。

第九条第三項は、措置の実施と運用について厚生労働大臣が指針を定めると置いています。

厚生労働大臣は、第一項の事業主が講ずべき高年齢者雇用確保措置の実施及び運用(心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等の継続雇用制度における取扱いを含む。)に関する指針(次項において「指針」という。)を定めるものとする。

(高年齢者雇用安定法 第九条第三項)

定年が六十五歳以上七十歳未満の会社の努力義務=第10条の2第1項の高年齢者就業確保措置

七十歳という数字が出てくるのは、第十条の二です。

定年(六十五歳以上七十歳未満のものに限る。以下この条において同じ。)の定めをしている事業主又は継続雇用制度(高年齢者を七十歳以上まで引き続いて雇用する制度を除く。以下この項において同じ。)を導入している事業主は、その雇用する高年齢者(第九条第二項の契約に基づき、当該事業主と当該契約を締結した特殊関係事業主に現に雇用されている者を含み、厚生労働省令で定める者を除く。以下この条において同じ。)について、次に掲げる措置を講ずることにより、六十五歳から七十歳までの安定した雇用を確保するよう努めなければならない。

(高年齢者雇用安定法 第十条の二第一項)

ここの言葉は確保するよう努めなければならないで、第九条第一項の「講じなければならない」とは違います。

措置の中身は、第十条の二第一項の各号に3つ並んでいます。

当該定年の引上げ

(高年齢者雇用安定法 第十条の二第一項第一号)

六十五歳以上継続雇用制度(その雇用する高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後等も引き続いて雇用する制度をいう。以下この条及び第五十二条第一項において同じ。)の導入

(高年齢者雇用安定法 第十条の二第一項第二号)

当該定年の定めの廃止

(高年齢者雇用安定法 第十条の二第一項第三号)

条年齢の範囲条文の末尾の言葉措置の数
第九条第一項六十五歳まで講じなければならない各号に3つ
第十条の二第一項六十五歳から七十歳まで確保するよう努めなければならない各号に3つ+創業支援等措置

同じ3つの並びでも、かかっている言葉の強さが違うという読み方になります。

第十条の二第三項は、六十五歳以上継続雇用制度に他の事業主が雇う形を含めると置いています。

六十五歳以上継続雇用制度には、事業主が、他の事業主との間で、当該事業主の雇用する高年齢者であつてその定年後等に雇用されることを希望するものをその定年後等に当該他の事業主が引き続いて雇用することを約する契約を締結し、当該契約に基づき当該高年齢者の雇用を確保する制度が含まれるものとする。

(高年齢者雇用安定法 第十条の二第三項)

定年後等の就業を確保する創業支援等措置=第10条の2第2項の2つの号

第十条の二第一項のただし書は、雇用以外の形で就業を確保する措置も置いています。

ただし、当該事業主が、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合の、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の同意を厚生労働省令で定めるところにより得た創業支援等措置を講ずることにより、その雇用する高年齢者について、定年後等(定年後又は継続雇用制度の対象となる年齢の上限に達した後をいう。以下この条において同じ。)又は第二号の六十五歳以上継続雇用制度の対象となる年齢の上限に達した後七十歳までの間の就業を確保する場合は、この限りでない。

(高年齢者雇用安定法 第十条の二第一項)

ただし書が条件にしているのは、労働組合または労働者の過半数を代表する者の同意です。

「創業支援等措置」の中身は、第十条の二第二項に置かれています。

前項の創業支援等措置は、次に掲げる措置をいう。

(高年齢者雇用安定法 第十条の二第二項)

その雇用する高年齢者が希望するときは、当該高年齢者が新たに事業を開始する場合(厚生労働省令で定める場合を含む。)に、事業主が、当該事業を開始する当該高年齢者(厚生労働省令で定める者を含む。以下この号において「創業高年齢者等」という。)との間で、当該事業に係る委託契約その他の契約(労働契約を除き、当該委託契約その他の契約に基づき当該事業主が当該事業を開始する当該創業高年齢者等に金銭を支払うものに限る。)を締結し、当該契約に基づき当該高年齢者の就業を確保する措置

(高年齢者雇用安定法 第十条の二第二項第一号)

第一号の契約から労働契約は除かれていると条文に書いてあります。

第二号は、社会貢献事業に従事する機会を提供する形の措置です。

措置の種類根拠の条契約の形
定年の引上げ第十条の二第一項第一号雇用
六十五歳以上継続雇用制度の導入第十条の二第一項第二号雇用
定年の定めの廃止第十条の二第一項第三号雇用
創業支援等措置(事業の開始)第十条の二第二項第一号委託契約その他の契約(労働契約を除く)
創業支援等措置(社会貢献事業)第十条の二第二項第二号委託契約その他の契約(労働契約を除く)

創業支援等措置を選んだ場合、働き方は労働契約ではない契約になります。

定年の定めは就業規則に書かれる=労働基準法第89条第3号の「退職に関する事項」

会社の定年が何歳なのかを確かめる場所は、労働基準法が決めています。

常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。

(労働基準法 第八十九条)

列挙の第三号が、定年の定めが入る項目です。

退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

(労働基準法 第八十九条第三号)

第三号の言葉は退職に関する事項で、括弧に解雇の事由も含むと置かれています。

条文に「定年」という語そのものが置かれているのは、第三号ではなく高年齢者雇用安定法のほうです。

常時十人以上の労働者を使用する使用者なら、この届出の義務がかかります。

退職の事実を書面で出してもらう請求は、退職証明書の5項目を労働基準法22条で確かめた記事で確かめています。↓

定年は入社時の書面にも出てくる=労働基準法施行規則第5条第1項第4号

定年は、就業規則だけでなく入社時に示される労働条件にも出てきます。

始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項

(労働基準法施行規則 第五条第一項第二号)

第四号の言葉も、第八十九条第三号と同じ「退職に関する事項」です。

書面で示す事項の範囲は、同条第三項が決めています。

法第十五条第一項後段の厚生労働省令で定める事項は、第一項第一号から第四号までに掲げる事項(昇給に関する事項を除く。)とする。

(労働基準法施行規則 第五条第三項)

第四号は第三項の範囲に入っているので、定年は書面で示す事項になります。

入社前に示された書面の「退職に関する事項」を見れば、その会社の定年が何歳なのか分かります。

通知書に書かなければならない項目の全体は、労働条件通知書の記載事項を労働基準法15条と施行規則5条で確かめた記事で全項目を並べています。↓

定年の状況は毎年国に報告される=第52条第1項の雇用状況等の報告

定年や継続雇用の状況は、事業主から国へ報告される仕組みになっています。

事業主は、毎年一回、厚生労働省令で定めるところにより、定年、継続雇用制度、六十五歳以上継続雇用制度及び創業支援等措置の状況その他高年齢者の就業の機会の確保に関する状況を厚生労働大臣に報告しなければならない。

(高年齢者雇用安定法 第五十二条第一項)

報告の対象として条文が挙げているのは、定年・継続雇用制度・六十五歳以上継続雇用制度・創業支援等措置の状況です。

報告の頻度は条文の言葉で毎年一回と決まっています。

第二項は、必要があると認めるときに、このほかの報告を求められると置いています。

厚生労働大臣は、前項の毎年一回の報告のほか、この法律を施行するために必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業主に対し、同項に規定する状況について必要な事項の報告を求めることができる。

(高年齢者雇用安定法 第五十二条第二項)

定年が六十五歳未満のまま措置を欠いた会社=第10条の指導・助言・勧告・公表

第九条第一項の措置を講じていない事業主に対する手順も、条文に並んでいます。

厚生労働大臣は、前条第一項の規定に違反している事業主に対し、必要な指導及び助言をすることができる。

(高年齢者雇用安定法 第十条第一項)

厚生労働大臣は、前項の規定による指導又は助言をした場合において、その事業主がなお前条第一項の規定に違反していると認めるときは、当該事業主に対し、高年齢者雇用確保措置を講ずべきことを勧告することができる。

(高年齢者雇用安定法 第十条第二項)

厚生労働大臣は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

(高年齢者雇用安定法 第十条第三項)

段階根拠の項条文の言葉
指導及び助言第十条第一項必要な指導及び助言をすることができる
勧告第十条第二項高年齢者雇用確保措置を講ずべきことを勧告することができる
公表第十条第三項その旨を公表することができる

3つの段階はどれもすることができるという書き方です。

第十条の三は、第十条の二の就業確保措置について、計画の作成を勧告できると置いています。

厚生労働大臣は、前項の規定による指導又は助言をした場合において、高年齢者就業確保措置の実施に関する状況が改善していないと認めるときは、当該事業主に対し、厚生労働省令で定めるところにより、高年齢者就業確保措置の実施に関する計画の作成を勧告することができる。

(高年齢者雇用安定法 第十条の三第二項)

定年の条文が使う「高年齢者」の年齢=第2条第1項と施行規則第1条の五十五歳

第九条と第十条の二は、どちらも「高年齢者」という語を使っています。

この法律において「高年齢者」とは、厚生労働省令で定める年齢以上の者をいう。

(高年齢者雇用安定法 第二条第一項)

年齢そのものは、施行規則第一条に置かれています。

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和四十六年法律第六十八号。以下「法」という。)第二条第一項の厚生労働省令で定める年齢は、五十五歳とする。

(高年齢者雇用安定法施行規則 第一条)

条文の上の「高年齢者」は五十五歳以上の者という範囲です。

定年の年齢の線である六十歳や六十五歳とは、別の数字になっています。

語根拠条文が置いている年齢
高年齢者第二条第一項・施行規則第一条五十五歳
中高年齢者第二条第二項第一号・施行規則第二条四十五歳
定年の下限第八条六十歳
雇用確保措置の上の年齢第九条第一項六十五歳
就業確保措置の上の年齢第十条の二第一項七十歳

数字が複数あるのは、それぞれ別の条文が別の目的で置いているからです。

定年後の再就職で求人に年齢の条件があるとき=第20条第1項の理由の提示

定年後に別の会社へ応募するとき、求人に年齢の条件が付いていることがあります。

事業主は、労働者の募集及び採用をする場合において、やむを得ない理由により一定の年齢(六十五歳以下のものに限る。)を下回ることを条件とするときは、求職者に対し、厚生労働省令で定める方法により、当該理由を示さなければならない。

(高年齢者雇用安定法 第二十条第一項)

条文が求めているのは、求職者に対して理由を示すことです。

対象になる条件は、条文の括弧で六十五歳以下のものに限ると絞られています。

第二項は、理由の提示の有無や内容について、厚生労働大臣が報告を求めたり勧告したりできると置いています。

厚生労働大臣は、前項に規定する理由の提示の有無又は当該理由の内容に関して必要があると認めるときは、事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる。

(高年齢者雇用安定法 第二十条第二項)

求人の年齢の条件そのものの扱いは、外資系転職の年齢の扱いを条文と公的統計で確かめた記事で並べています。↓

定年についてよくある質問

定年は何歳からにできますか?

高年齢者雇用安定法第八条は、定年の定めをする場合に、当該定年は六十歳を下回ることができないと定めています。

ただし書の例外は、施行規則第四条の二の坑内作業の業務に従事している労働者です。

定年は六十五歳にしなければならないのですか?

第九条第一項が求めているのは、定年の引上げ・継続雇用制度の導入・定年の定めの廃止のいずれかを講じることです。

定年の年齢を六十五歳にすること自体を命じる言葉は、この項に置かれていません。

定年を七十歳にする義務はありますか?

第十条の二第一項の言葉は「六十五歳から七十歳までの安定した雇用を確保するよう努めなければならない」です。

第九条第一項の「講じなければならない」とは違う書き方になっています。

定年後に別のグループ会社で雇われる形も継続雇用制度ですか?

第九条第二項は、特殊関係事業主が定年後に引き続いて雇用することを約する契約に基づく制度を、継続雇用制度に含めると定めています。

特殊関係事業主の範囲は、施行規則第四条の三第一項の各号に並んでいます。

会社の定年は何を見れば分かりますか?

労働基準法第八十九条第三号の「退職に関する事項」として、就業規則に記載されます。

入社時に示される労働条件では、施行規則第五条第一項第四号が同じ言葉の項目です。

定年の定めを置かない会社もありますか?

第九条第一項第三号が挙げる措置は「当該定年の定めの廃止」です。

定年の定めを置かないことも、条文が並べている選択肢の1つになっています。

創業支援等措置とは何ですか?

第十条の二第二項が挙げる2つの措置で、第一号が高年齢者が新たに事業を開始する場合の委託契約その他の契約、第二号が社会貢献事業に関する契約です。

どちらも条文の括弧で労働契約を除くとされています。

定年の措置を講じない会社はどうなりますか?

第十条第一項から第三項までが、指導及び助言、勧告、公表の3段階を置いています。

第十条の二の就業確保措置については、第十条の三第二項が計画の作成の勧告を置いています。

定年を条文で確かめた結果の一覧

条文で確かめたこと
  • 定年の下限は六十歳で、六十歳を下回ることができない(高年齢者雇用安定法第八条)
  • 下限の例外は鉱業法第四条の事業における坑内作業の業務だけ(施行規則第四条の二)
  • 定年が六十五歳未満なら、定年の引上げ・継続雇用制度の導入・定年の定めの廃止のいずれかを講じる義務(第九条第一項)
  • 継続雇用制度には特殊関係事業主が雇う形も含まれる(第九条第二項)
  • 定年が六十五歳以上七十歳未満なら、七十歳までの措置は「努めなければならない」(第十条の二第一項)
  • 雇用以外の形として創業支援等措置があり、契約から労働契約は除かれる(第十条の二第二項)
  • 定年は就業規則の「退職に関する事項」に入る(労働基準法第八十九条第三号)
  • 入社時に書面で示す事項にも「退職に関する事項」が入る(施行規則第五条第一項第四号・第三項)
  • 条文の「高年齢者」は五十五歳以上の者(第二条第一項・施行規則第一条)

自分の会社の定年を知りたいときは、就業規則の退職に関する章と、入社時に受け取った書面の同じ項目を見ることになります。

そこに書かれた年齢が六十歳を下回っていたり、六十五歳までの措置が見つからないときは、事業場を管轄する労働局・公共職業安定所か弁護士に相談する領域です。


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定年後の有期契約が積み上がったときの数え方は、無期転換ルールの「5年」を労働契約法18条で確かめた記事で確かめています。↓

有期契約そのものの期間の上限は、有期労働契約の上限を労働基準法14条で確かめた記事で整理しています。↓


参考文献

この記事で使った一次資料

条文の確認日は2026年10月8日です。

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