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高年齢求職者給付金はいくら出るのか──雇用保険法37条の4の「五十日」と「三十日」を条文で確かめた

高年齢求職者給付金はいくら出るのか──雇用保険法37条の4の「五十日」と「三十日」を条文で確かめた
高年齢求職者給付金はいくら出るのか──雇用保険法37条の4の「五十日」と「三十日」を条文で確かめた

65歳を過ぎて会社を辞めたとき、雇用保険の高年齢求職者給付金がいくら出るのか気になったことはありませんか。

64歳までの人と同じ失業手当が出ると思っていたら、名前も出方も違っていた──そんな声も少なくありません。

この記事は、高年齢求職者給付金の額と条件を、雇用保険法と施行規則の言葉だけで確かめます。

結論から書きます。

額は基本手当の日額に、算定基礎期間が一年以上なら五十日、一年未満なら三十日を乗じた額です。

条文の確認日は2026年10月17日です。

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高年齢求職者給付金の額=基本手当の日額に「五十日」か「三十日」を乗じた額

額の決め方を置いているのは、第三十七条の四第一項です。

まず柱書の前半が、何に何を乗じるのかを決めています。

高年齢求職者給付金の額は、高年齢受給資格者を第十五条第一項に規定する受給資格者とみなして第十六条から第十八条まで(第十七条第四項第二号を除く。)の規定を適用した場合にその者に支給されることとなる基本手当の日額に、次の各号に掲げる算定基礎期間の区分に応じ、当該各号に定める日数

(雇用保険法 第三十七条の四第一項)

掛け算の左は基本手当の日額で、右が各号の日数という組み立てになっています。

その日数を決めているのが、同じ項の2つの号です。

一年以上五十日

(雇用保険法 第三十七条の四第一項第一号)

一年未満三十日

(雇用保険法 第三十七条の四第一項第二号)

号の区分は年齢ではなく、算定基礎期間が一年以上か一年未満かの1本だけです。

算定基礎期間基本手当の日額に乗じる日数根拠
一年以上五十日第三十七条の四第一項第一号
一年未満三十日第三十七条の四第一項第二号
認定日から期限の最後の日までが各号の日数に足りない場合認定のあった日から最後の日までの日数第三十七条の四第一項柱書のカッコ内

3行目のとおり、申し出が遅いと日数そのものが削られる書き方も同じ柱書に入っています。

この削られ方は、期限の章で第五項と並べて確かめます。

高年齢求職者給付金の対象=雇用保険法37条の2の「六十五歳以上の被保険者」

誰が対象になるかは、第三十七条の二第一項が決めています。

六十五歳以上の被保険者(第三十八条第一項に規定する短期雇用特例被保険者及び第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者を除く。以下「高年齢被保険者」という。)が失業した場合には、この節の定めるところにより、高年齢求職者給付金を支給する。

(雇用保険法 第三十七条の二第一項)

対象は六十五歳以上の被保険者で、条文はこれを「高年齢被保険者」と呼んでいる形です。

同じ項のカッコで、短期雇用特例被保険者と日雇労働被保険者は外されています。

求職者給付の種類を並べた第十条の第三項も、高年齢被保険者の分を別の名前に置き換えています。

前項の規定にかかわらず、第三十七条の二第一項に規定する高年齢被保険者に係る求職者給付は、高年齢求職者給付金とし、第三十八条第一項に規定する短期雇用特例被保険者に係る求職者給付は、特例一時金とし、第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者に係る求職者給付は、日雇労働求職者給付金とする。

(雇用保険法 第十条第三項)

被保険者の種類失業したときの求職者給付根拠
高年齢被保険者(六十五歳以上)高年齢求職者給付金第十条第三項・第三十七条の二第一項
短期雇用特例被保険者特例一時金第十条第三項・第三十八条第一項
日雇労働被保険者日雇労働求職者給付金第十条第三項
上の3つ以外の被保険者基本手当・技能習得手当・寄宿手当・傷病手当第十条第二項

65歳以上で辞めた人には、表の4行目の基本手当ではなく1行目の給付が当てはまる並びです。

第三十七条の二第二項は、基本手当の節の規定をまとめて外しています。

高年齢被保険者に関しては、前節(第十四条を除く。)、次節及び第四節の規定は、適用しない。

(雇用保険法 第三十七条の二第二項)

外されないのは第十四条の被保険者期間の数え方だけで、残りは第三十七条の四が準用する条だけが効く形になります。

高年齢求職者給付金が出る条件=37条の3の「通算して六箇月以上」

支給の条件は、第三十七条の三第一項の前半に置かれています。

高年齢求職者給付金は、高年齢被保険者が失業した場合において、離職の日以前一年間(当該期間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き三十日以上賃金の支払を受けることができなかつた高年齢被保険者である被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数を一年に加算した期間(その期間が四年を超えるときは、四年間))に、第十四条の規定による被保険者期間が通算して六箇月以上であつたときに、次条に定めるところにより、支給する。

(雇用保険法 第三十七条の三第一項)

見る期間は離職の日以前一年間で、その中に被保険者期間が通算して六箇月以上あれば条件を満たします。

比べるために、基本手当の受給資格を決める第十三条第一項も並べます。

離職の日以前二年間

(雇用保険法 第十三条第一項)

次条の規定による被保険者期間が通算して十二箇月以上であつたときに

(雇用保険法 第十三条第一項)

給付さかのぼる期間被保険者期間根拠
高年齢求職者給付金離職の日以前一年間通算して六箇月以上第三十七条の三第一項
基本手当(原則)離職の日以前二年間通算して十二箇月以上第十三条第一項

一年間の中に病気やけがで賃金を受けられなかった日が三十日以上続いた人は、その日数が一年に足されます。

足したあとの期間の上限は四年間です。

病気・けが以外の理由は、施行規則第六十五条の二が第十八条につないでいます。

法第三十七条の三第一項の厚生労働省令で定める理由は、第十八条各号に掲げる理由とする。

(雇用保険法施行規則 第六十五条の二)

事業所の休業

(雇用保険法施行規則 第十八条第一号)

出産

(雇用保険法施行規則 第十八条第二号)

事業所の休業や出産のほか、事業主の命による外国における勤務なども第十八条の各号に並んでいます。

高年齢求職者給付金の被保険者期間=第14条の「十一日以上」と「八十時間以上」

六箇月を数える物差しは、第三十七条の二第二項が外さずに残した第十四条です。

賃金の支払の基礎となつた日数が十一日以上であるものに限る。

(雇用保険法 第十四条第一項)

1か月に数えるのは、賃金の支払の基礎となった日数が十一日以上の月です。

日数が足りない月の扱いは、第十四条第三項にあります。

であるもの又は賃金の支払の基礎となつた時間数が八十時間以上であるもの

(雇用保険法 第十四条第三項)

第三項は、被保険者期間が十二箇月に満たない場合に、時間数八十時間以上の月も数えるという読み替えです。

高年齢求職者給付金ではこの「十二箇月」の部分が、第三十七条の三第一項の後段で読み替えられています。

この場合における第十四条の規定の適用については、同条第三項中「十二箇月(前条第二項の規定により読み替えて適用する場合にあつては、六箇月)」とあるのは、「六箇月」とする。

(雇用保険法 第三十七条の三第一項)

1か月として数える月条件根拠
原則賃金の支払の基礎となった日数が十一日以上第十四条第一項
被保険者期間が六箇月に満たない場合日数十一日以上か、時間数八十時間以上第十四条第三項(第三十七条の三第一項後段の読み替え)
被保険者となった日からの端数の期間日数十五日以上かつ基礎日数十一日以上なら二分の一箇月第十四条第一項ただし書

日数の少ない働き方でも、時間数で月を拾える線が六箇月の手前まで用意されています。

高年齢求職者給付金のもとになる賃金日額=第17条の「百八十で除して得た額」

基本手当の日額を出すには、先に賃金日額が要ります。

第三十七条の四第一項が適用するとしている第十七条の第一項がその式です。

賃金日額は、算定対象期間において第十四条(第一項ただし書を除く。)の規定により被保険者期間として計算された最後の六箇月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び三箇月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。次項、第六節及び次章において同じ。)の総額を百八十で除して得た額とする。

(雇用保険法 第十七条第一項)

最後の六箇月間の賃金の総額を百八十で除して得た額が、賃金日額になります。

ボーナスのように三箇月を超える期間ごとに支払われる賃金は、総額から外れる書き方です。

臨時に支払われる賃金も、同じカッコで外されています。

日給や時給の人には、第十七条第二項の下支えが付いています。

賃金が、労働した日若しくは時間によつて算定され、又は出来高払制その他の請負制によつて定められている場合には、前項に規定する最後の六箇月間に支払われた賃金の総額を当該最後の六箇月間に労働した日数で除して得た額の百分の七十に相当する額

(雇用保険法 第十七条第二項第一号)

一方で第三十七条の四第一項のカッコは、第十七条第四項第二号を適用から外していました。

その代わりに置かれているのが第三十七条の四第二項です。

前項の規定にかかわらず、同項の規定により算定した高年齢受給資格者の賃金日額が第十七条第四項第二号ニに定める額(その額が第十八条の規定により変更されたときは、その変更された額)を超えるときは、その額を賃金日額とする。

(雇用保険法 第三十七条の四第二項)

賃金日額の上の線は、第十七条第四項第二号ニの区分の額にそろえられています。

受給資格に係る離職の日において三十歳未満である受給資格者

(雇用保険法 第十七条第四項)

第二号ニは、離職の日に三十歳未満である受給資格者の区分です。

六十五歳以上の人の上の線が、年齢の区分のうち三十歳未満の欄から借りてこられている並びになります。

高年齢求職者給付金の日額の率=第16条1項の「百分の八十から百分の五十」

賃金日額に乗じる率は、第十六条第一項にあります。

基本手当の日額は、賃金日額に百分の五十

(雇用保険法 第十六条第一項)

については百分の八十から百分の五十までの範囲で、賃金日額の逓増に応じ、逓減するように厚生労働省令で定める率)を乗じて得た金額とする。

(雇用保険法 第十六条第一項)

率は百分の八十から百分の五十の間で、賃金日額が低いほど高い率になります。

六十歳以上六十五歳未満の人には、第十六条第二項が別の率を置いています。

受給資格に係る離職の日において六十歳以上六十五歳未満である受給資格者に対する前項の規定の適用については、同項中「百分の五十」とあるのは「百分の四十五」と

(雇用保険法 第十六条第二項)

第二項が対象にしているのは、離職の日に六十五歳未満の人だけです。

六十五歳以上の高年齢受給資格者には第二項が当たらず、第一項の率で計算する並びになります。

離職の日の年齢率の下の線根拠
六十歳未満百分の五十第十六条第一項
六十歳以上六十五歳未満百分の四十五第十六条第二項
六十五歳以上(高年齢受給資格者)百分の五十第十六条第一項(第三十七条の四第一項で適用)

額の式を通して書けば、賃金日額×率=基本手当の日額、基本手当の日額×五十日か三十日=高年齢求職者給付金です。

高年齢求職者給付金の算定基礎期間=37条の4第3項がつなぐ第22条第3項

五十日か三十日かを分ける算定基礎期間は、第三十七条の四第三項が決めています。

第一項の算定基礎期間は、当該高年齢受給資格者を第十五条第一項に規定する受給資格者と、当該高年齢受給資格に係る離職の日を第二十条第一項第一号に規定する基準日とみなして第二十二条第三項及び第四項の規定を適用した場合に算定されることとなる期間に相当する期間とする。

(雇用保険法 第三十七条の四第三項)

中身は第二十二条第三項を当てはめた期間で、基本手当の算定基礎期間と同じ物差しです。

前二項の算定基礎期間は、これらの規定の受給資格者が基準日まで引き続いて同一の事業主の適用事業に被保険者として雇用された期間

(雇用保険法 第二十二条第三項)

同じ会社に被保険者として雇用されていた期間が軸で、前の会社の期間も通算の対象になります。

ただし、前の被保険者でなくなった日から一年の期間内に次の被保険者になっていないと、前の分は除かれます。

当該雇用された期間又は当該被保険者であつた期間に係る被保険者となつた日の直前の被保険者でなくなつた日が当該被保険者となつた日前一年の期間内にないときは、当該直前の被保険者でなくなつた日前の被保険者であつた期間

(雇用保険法 第二十二条第三項第一号)

第四項は、前に高年齢求職者給付金を受けた人の数え方を足しています。

前項に規定する場合における第二十二条第三項の規定の適用については、同項第二号中「又は特例一時金」とあるのは「、高年齢求職者給付金又は特例一時金」と、「又は第三十九条第二項」とあるのは「、第三十七条の三第二項に規定する高年齢受給資格又は第三十九条第二項」とする。

(雇用保険法 第三十七条の四第四項)

一度この給付を受けると、その離職の日以前の期間は次の算定基礎期間に入らない形です。

基本手当の側の日数の区分は、基本手当の所定給付日数を雇用保険法22条・23条で確かめた記事で年数ごとに並べています。↓

高年齢求職者給付金の期限=37条の4第5項の「離職の日の翌日から起算して一年」

いつまでに動けばよいかは、第三十七条の四第五項が決めています。

高年齢求職者給付金の支給を受けようとする高年齢受給資格者は、離職の日の翌日から起算して一年を経過する日までに、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをした上、失業していることについての認定を受けなければならない。

(雇用保険法 第三十七条の四第五項)

期限は離職の日の翌日から一年を経過する日までです。

ここで第一項のカッコの中身が効いてきます。

(第五項の認定があつた日から同項の規定による期間の最後の日までの日数が当該各号に定める日数に満たない場合には、当該認定のあつた日から当該最後の日までの日数に相当する日数)

(雇用保険法 第三十七条の四第一項)

認定を受けた日から期限の最後の日までが五十日に足りなければ、乗じる日数はその残りの日数に縮みます。

期限ぎりぎりの申し出では、条文上の五十日がそのまま乗らない仕組みです。

認定を受けた日第一号の人に乗じる日数根拠
最後の日まで五十日以上ある五十日第三十七条の四第一項第一号
最後の日まで五十日に満たない認定のあった日から最後の日までの日数第三十七条の四第一項柱書のカッコ内
最後の日を過ぎた第五項の認定を受けられない第三十七条の四第五項

基本手当の受給期間を延ばす第二十条の仕組みは、第三十七条の二第二項で外された前節の中にあります。

条文の並びでは、この一年に延長の定めは付いていない形です。

高年齢求職者給付金の手続き=施行規則65条の4と65条の5の離職票

手続きの細かい形は、施行規則の第六十五条の四と第六十五条の五に置かれています。

まず第六十五条の五が、基本手当の手続きの条をまとめて準用しています。

第十九条第一項及び第四項、第二十条、第二十二条、第四十四条から第四十七条まで、第四十九条、第五十条並びに第五十四条の規定は、高年齢求職者給付金の支給について準用する。

(雇用保険法施行規則 第六十五条の五)

準用される第十九条第一項は、離職票を出す手続きです。

管轄公共職業安定所に出頭し、運転免許証その他の基本手当の支給を受けようとする者が本人であることを確認することができる書類を添えて又は個人番号カード(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第二条第七項に規定する個人番号カードをいう。以下同じ。)を提示して離職票

(雇用保険法施行規則 第十九条第一項)

手元に要るのは離職票と本人確認の書類で、出す先は管轄の公共職業安定所です。

離職票を受けた公共職業安定所長がすることは、第六十五条の四第一項に並んでいます。

管轄公共職業安定所の長は、次条において準用する第十九条第一項の規定により離職票を提出した者が高年齢受給資格者であると認めたときは、その者が法第三十七条の四第五項の失業していることについての認定を受けるべき日(以下この条において「失業の認定日」という。)及び高年齢求職者給付金を支給すべき日(以下この条において「支給日」という。)を定め、その者に知らせるとともに

(雇用保険法施行規則 第六十五条の四第一項)

順番すること根拠
1公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをする法第三十七条の四第五項
2離職票と本人確認の書類を出す施行規則第十九条第一項(第六十五条の五で準用)
3失業の認定日と支給日を知らされ、高年齢受給資格者証を受ける施行規則第六十五条の四第一項
4失業の認定日に失業していることの認定を受ける法第三十七条の四第五項

所長は、必要があると認めるときは認定日と支給日を変えることができ、変えたときは本人に知らせる決まりです。

離職票が会社から届く時期の線は、離職票はいつ届くのかを条文で確かめた記事で確かめています。↓

高年齢求職者給付金にも付く待期と給付制限=37条の4第6項の準用

基本手当の節は外されていても、いくつかの条は第三十七条の四第六項で戻されています。

第二十一条、第三十一条第一項、第三十二条、第三十三条第一項及び第二項並びに第三十四条第一項から第三項までの規定は、高年齢求職者給付金について準用する。

(雇用保険法 第三十七条の四第六項)

戻されている中に、待期と給付制限の条が入っています。

待期は第二十一条です。

基本手当は、受給資格者が当該基本手当の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)が通算して七日に満たない間は、支給しない。

(雇用保険法 第二十一条)

求職の申込みをした日以後、失業している日が通算して七日に満たない間は支給しないという線です。

自己都合などの離職理由による給付制限は、第三十三条第一項にあります。

被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によつて解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によつて退職した場合には、第二十一条の規定による期間の満了後一箇月以上三箇月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。

(雇用保険法 第三十三条第一項)

準用される条中身高年齢求職者給付金での読み方
第二十一条待期(通算七日)七日に満たない間は支給しない
第三十二条紹介された職業を拒んだときの給付制限拒んだ日から一箇月間
第三十三条第一項・第二項重責解雇・正当な理由のない自己都合退職の給付制限待期満了後一箇月以上三箇月以内で所長が定める期間
第三十四条第一項から第三項不正受給のときの不支給受けた日・受けようとした日以後は支給しない

第三十三条には訓練を受ける人の除外も号で置かれており、その号も準用の範囲に入っています。

自己都合で辞めたときの制限の長さは、失業保険の給付制限が今も3か月かを雇用保険法で確かめた記事で基本手当の側から確かめています。↓

高年齢求職者給付金を受ける前に就職したとき=37条の3第2項の「再び失業した場合」

受給の前に一度就職し、また辞めたときの扱いは第三十七条の三第二項にあります。

前項の規定により高年齢求職者給付金の支給を受けることができる資格(以下「高年齢受給資格」という。)を有する者(以下「高年齢受給資格者」という。)が次条第五項の規定による期間内に高年齢求職者給付金の支給を受けることなく就職した後再び失業した場合(新たに高年齢受給資格又は第三十九条第二項に規定する特例受給資格を取得した場合を除く。)において、当該期間内に公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをした上、次条第五項の認定を受けたときは、その者は、当該高年齢受給資格に基づく高年齢求職者給付金の支給を受けることができる。

(雇用保険法 第三十七条の三第二項)

期限の一年の中で再び失業したなら、前の高年齢受給資格のまま受けられる書き方です。

カッコの中で、新しく高年齢受給資格か特例受給資格を取った場合は外されています。

その場合は、新しい資格のほうで数え直す並びになります。

どちらの場合でも、公共職業安定所への出頭と求職の申込み、第五項の認定という3つの手順は変わりません。

高年齢求職者給付金の不正受給=第34条の準用と第10条の4の「二倍に相当する額以下」

偽りの申告で受けたときの線は、準用される第三十四条第一項が引いています。

偽りその他不正の行為により求職者給付又は就職促進給付の支給を受け、又は受けようとした者には、これらの給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、基本手当を支給しない。

(雇用保険法 第三十四条第一項)

ここでの「基本手当」は、第三十七条の四第六項の準用により高年齢求職者給付金に置き換えて読むことになります。

返還と納付の命令は、失業等給付全体にかかる第十条の四第一項です。

偽りその他不正の行為により失業等給付の支給を受けた者がある場合には、政府は、その者に対して、支給した失業等給付の全部又は一部を返還することを命ずることができ、また、厚生労働大臣の定める基準により、当該偽りその他不正の行為により支給を受けた失業等給付の額の二倍に相当する額以下の金額を納付することを命ずることができる。

(雇用保険法 第十条の四第一項)

返還に加えて、二倍に相当する額以下の納付を命じられることがあります。

第十条の四第二項は、偽りの証明をした事業主などにも連帯して納付を命じられる形を置いています。

高年齢求職者給付金と2つの勤め先=37条の5の「二十時間以上」と施行規則65条の7の「五時間」

雇用保険の適用には、週の所定労働時間の線があります。

一週間の所定労働時間が二十時間未満である者(第三十七条の五第一項の規定による申出をして高年齢被保険者となる者及びこの法律を適用することとした場合において第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者に該当することとなる者を除く。)

(雇用保険法 第六条第一号)

1つの勤め先では週二十時間に届かなくても、65歳以上なら申し出で被保険者になれる道が第三十七条の五にあります。

次に掲げる要件のいずれにも該当する者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に申し出て、当該申出を行つた日から高年齢被保険者となることができる。

(雇用保険法 第三十七条の五第一項)

二以上の事業主の適用事業に雇用される六十五歳以上の者であること。

(雇用保険法 第三十七条の五第一項第一号)

二の事業主の適用事業(申出を行う労働者の一の事業主の適用事業における一週間の所定労働時間が厚生労働省令で定める時間数以上であるものに限る。)における一週間の所定労働時間の合計が二十時間以上であること。

(雇用保険法 第三十七条の五第一項第三号)

第三号の「厚生労働省令で定める時間数」は、施行規則第六十五条の七にあります。

法第三十七条の五第一項第三号の厚生労働省令で定める時間数は、五時間とする。

(雇用保険法施行規則 第六十五条の七)

第三十七条の五第一項の要件中身
第一号二以上の事業主の適用事業に雇用される六十五歳以上の者
第二号一の事業主の適用事業での週の所定労働時間が二十時間未満
第三号二の事業主(それぞれ週五時間以上のもの)の週の所定労働時間の合計が二十時間以上
申出の時点申出を行った日から高年齢被保険者になる

2社とも週五時間以上で、合計が週二十時間以上なら申し出の道が開きます。

この形で被保険者になった人が片方だけ辞めたときは、第三十七条の六第二項が賃金の数え方を変えています。

「賃金(」とあるのは、「賃金(離職した適用事業において支払われた賃金に限り、」とする

(雇用保険法 第三十七条の六第二項)

賃金日額のもとになるのは、辞めたほうの適用事業で支払われた賃金だけという読み替えです。

週二十時間の線そのものは、雇用保険の加入条件が週20時間からかを条文で確かめた記事で第六条から確かめています。↓

高年齢求職者給付金の時効と税=第74条の「二年」と第12条の公課の禁止

受け取る権利にも期限があります。

失業等給付等の支給を受け、又はその返還を受ける権利

(雇用保険法 第七十四条第一項)

これらを行使することができる時から二年を経過したときは、時効によつて消滅する。

(雇用保険法 第七十四条第一項)

支給を受ける権利は、行使できる時から二年を経過したときに時効で消えます。

受け取った金銭への課税は、第十二条が止めています。

租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない。

(雇用保険法 第十二条)

租税その他の公課は、失業等給付として受けた金銭を標準として課することができないという一文です。

高年齢求職者給付金は第十条第三項で求職者給付に入るので、この失業等給付に含まれます。

本人が亡くなって受け取れなかった分は、第十条の三第一項が遺族の請求を置いています。

失業等給付の支給を受けることができる者が死亡した場合において、その者に支給されるべき失業等給付でまだ支給されていないものがあるときは

(雇用保険法 第十条の三第一項)

請求できるのは、死亡の当時に生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹です。

高年齢求職者給付金についてよくある質問

高年齢求職者給付金はいくら出ますか?

雇用保険法第三十七条の四第一項は、基本手当の日額に、算定基礎期間が一年以上なら五十日、一年未満なら三十日を乗じた額と定めています。

認定のあった日から期限の最後の日までがその日数に満たないときは、残りの日数を乗じます。

何歳から高年齢求職者給付金の対象になりますか?

第三十七条の二第一項は、六十五歳以上の被保険者(短期雇用特例被保険者と日雇労働被保険者を除く)を高年齢被保険者としています。

どれだけ働いていれば受けられますか?

第三十七条の三第一項は、離職の日以前一年間に被保険者期間が通算して六箇月以上であることを条件としています。

1か月に数えるのは、賃金の支払の基礎となった日数が十一日以上の月です(第十四条第一項)。

65歳以上で辞めても基本手当は出ないのですか?

第十条第三項は、高年齢被保険者に係る求職者給付を高年齢求職者給付金としています。

第三十七条の二第二項は、基本手当の節の規定(第十四条を除く)を高年齢被保険者に適用しないとしています。

いつまでに手続きをすればよいですか?

第三十七条の四第五項は、離職の日の翌日から起算して一年を経過する日までに、公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをした上で失業していることの認定を受けるよう定めています。

自己都合で辞めたら給付制限はありますか?

第三十七条の四第六項が第三十三条第一項を準用しています。

正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合は、待期の満了後一箇月以上三箇月以内で公共職業安定所長の定める期間は支給されません。

待期はありますか?

第三十七条の四第六項が第二十一条を準用しており、失業している日が通算して七日に満たない間は支給しないとしています。

2つの会社で短時間働いている65歳以上の人も対象になりますか?

第三十七条の五第一項は、二以上の事業主の適用事業に雇用される六十五歳以上の者で、二の事業主での週の所定労働時間の合計が二十時間以上などの要件を満たす人が、厚生労働大臣に申し出て高年齢被保険者になれるとしています。

合計に入れる1つの事業主での時間数は、施行規則第六十五条の七が五時間以上としています。

高年齢求職者給付金を条文で確かめた結果の一覧

条文で確かめたこと
  • 対象は六十五歳以上の被保険者=高年齢被保険者(第三十七条の二第一項)
  • 条件は離職の日以前一年間に被保険者期間が通算して六箇月以上(第三十七条の三第一項)
  • 額は基本手当の日額×五十日(算定基礎期間一年以上)か三十日(一年未満)(第三十七条の四第一項)
  • 賃金日額は最後の六箇月間の賃金の総額÷百八十(第十七条第一項)、上の線は第十七条第四項第二号ニの額(第三十七条の四第二項)
  • 率は百分の八十から百分の五十(第十六条第一項)
  • 期限は離職の日の翌日から起算して一年を経過する日まで、遅れると乗じる日数が縮む(第三十七条の四第一項・第五項)
  • 待期・給付制限・不正受給の不支給は準用される(第三十七条の四第六項)
  • 二以上の勤め先の合計が週二十時間以上なら申出で高年齢被保険者になれる(第三十七条の五・施行規則第六十五条の七)
  • 支給を受ける権利の時効は二年(第七十四条第一項)

65歳以上で辞める予定があるなら、離職の日と、そこからさかのぼった一年間の働いた日数を先に数えてみてください。

五十日か三十日か、そして期限の一年に間に合うかで、受け取れる額が変わります。

個別の事情への当てはめは、住所地を管轄する公共職業安定所か社会保険労務士に相談する領域になります。


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60歳から65歳までの間に働き続けたときの給付は、高年齢雇用継続給付がいくら出るのかを雇用保険法61条で確かめた記事で確かめています。↓

65歳まで働ける仕組みの側は、定年は何歳からかを高年齢者雇用安定法8条と9条で確かめた記事にまとめています。↓


参考文献

この記事で使った一次資料

条文の確認日は2026年10月17日です。

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