MENU

育児時間は1日何分取れるのか──労働基準法67条の「一日二回各々少なくとも三十分」を条文で確かめた

育児時間は1日何分取れるのか──労働基準法67条の「一日二回各々少なくとも三十分」を条文で確かめた
育児時間は1日何分取れるのか──労働基準法67条の「一日二回各々少なくとも三十分」を条文で確かめた

職場に戻ったあと、赤ちゃんの授乳や送り迎えのために育児時間がどれだけ取れるのか、気になっている人は多いはずです。

「1日1時間まで」「休憩と合わせて取る」など、職場ごとに説明が違うと、どれが法律の線なのか分かりにくいところです。

この記事は、育児時間の回数と長さ、請求できる人を、労働基準法の言葉だけで確かめます。

結論から書きます。

条文の線は一日二回各々少なくとも三十分で、休憩時間とは別枠です。

条文の確認日は2026年10月17日です。

TOC

育児時間は1日何分か=労働基準法67条1項の「一日二回各々少なくとも三十分」

育児時間を定めているのは、労働基準法の第六十七条です。

見出しもそのまま「育児時間」となっています。

生後満一年に達しない生児を育てる女性は、第三十四条の休憩時間のほか、一日二回各々少なくとも三十分、その生児を育てるための時間を請求することができる。

(労働基準法 第六十七条第一項)

この項が決めている数字は、回数の「二回」と、1回の長さの「三十分」の2つだけです。

1日あたりで数えると、30分以上を2回、合わせて60分以上が条文の線になります。

「少なくとも」と書かれているので、三十分は下限の数字です。

職場がこれより長い時間を定めることは、条文の言葉と食い違いません。

条文の言葉意味根拠
一日二回1日に2回第六十七条第一項
各々少なくとも三十分1回ごとに30分以上第六十七条第一項
第三十四条の休憩時間のほか休憩時間とは別に取る第六十七条第一項
請求することができる本人の請求で始まる第六十七条第一項
育児時間中は、その女性を使用してはならないその時間は働かせない第六十七条第二項

第六十七条は2つの項だけの短い条文です。

この表の5つの言葉で、条文の中身はほぼ言い尽くされています。

育児時間を請求できる人=「生後満一年に達しない生児を育てる女性」

次に、誰が育児時間を請求できるのかを見ます。

第一項の主語は、次の言葉になっています。

生後満一年に達しない生児を育てる女性は、

(労働基準法 第六十七条第一項)

子の側の線は生後満一年に達しないで、1歳の誕生日を迎える前の期間です。

請求する人の側の言葉は「女性」で、男性はこの条文の主語に入っていません。

「育てる」という言葉なので、出産した本人に限る書き方にもなっていない形です。

雇用の形については、第六十七条の中に条件が置かれていません。

労働基準法が「労働者」と呼ぶ人の範囲は、第九条が決めています。

この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。

(労働基準法 第九条)

正社員・パート・契約社員といった呼び方は、第九条の言葉には出てきません。

事業に使用され、賃金を支払われる者であれば、この法律の「労働者」に当たります。

一方で、この法律そのものが適用されない場面も条文に置かれています。

この法律は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、適用しない。

(労働基準法 第百十六条第二項)

条文の言葉読み方根拠
生後満一年に達しない生児1歳の誕生日を迎える前の子第六十七条第一項
育てる女性その子を育てている女性第六十七条第一項
労働者事業に使用され、賃金を支払われる者第九条
同居の親族のみを使用する事業・家事使用人この法律が適用されない第百十六条第二項

育児時間と休憩時間は別枠=第34条の休憩時間の「ほか」

「育児時間は昼休みの中で取ってください」という説明に当たるかどうかは、第六十七条の一語で決まります。

第三十四条の休憩時間のほか

(労働基準法 第六十七条第一項)

育児時間は休憩時間とは別に取る時間です。

その第三十四条は、労働時間の長さに応じた休憩時間を定めています。

使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

(労働基準法 第三十四条第一項)

第三十四条の休憩時間を与えたうえで、さらに第六十七条の時間を加える並びになります。

休憩時間の一部を育児時間と呼び替えても、条文の「ほか」という言葉には合いません。

使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

(労働基準法 第三十四条第三項)

休憩時間には「自由に利用させなければならない」という定めが付いています。

育児時間のほうは「その生児を育てるための時間」と、目的のある言葉で書かれています。

比べる点休憩時間育児時間
根拠第三十四条第六十七条
長さ6時間超で45分以上/8時間超で1時間以上1日2回・各30分以上
始まり方使用者が与える女性が請求する
対象労働者生後満1年に達しない生児を育てる女性
条文の言葉自由に利用させなければならないその生児を育てるための時間

育児時間中の会社の義務=第67条2項の「使用してはならない」

第二項は、会社の側が守ることを1文で定めています。

使用者は、前項の育児時間中は、その女性を使用してはならない。

(労働基準法 第六十七条第二項)

請求があった育児時間の間は、会社はその女性を働かせてはならないという形です。

その生児を育てるための時間を請求することができる。

(労働基準法 第六十七条第一項)

第一項が「請求することができる」と定めているので、育児時間は女性の請求から始まります。

請求がなければ、第二項の「使用してはならない」も動き出しません。

第六十七条は、育児時間を1日のどの時刻に置くかを定めていません。

条文が決めているのは、回数と1回の長さ、そして休憩時間とは別という3点です。

時刻の決め方は、職場の就業規則や本人と会社の取り決めを見ることになります。

育児時間の賃金=第67条の2つの項に賃金の定めは無い

「育児時間の分の給料は出るのか」という問いに、第六十七条は答えていません。

2つの項にあるのは時間を請求できることと、その間は使用してはならないことだけです。

賃金の扱いは第六十七条の言葉からは決まらないということになります。

では、どこで決まるのか。

就業規則に書く事項を並べた第八十九条に、時間と賃金の両方が出てきます。

始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

(労働基準法 第八十九条第一号)

賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

(労働基準法 第八十九条第二号)

第一号が休憩時間や休暇、第二号が賃金の決定、計算及び支払の方法を就業規則の記載事項にしています。

育児時間の分を賃金でどう扱うかは、職場の就業規則のこの2つの事項を見るのが近道です。

育児時間と就業規則=第92条と第13条が置いている下限の線

就業規則に「育児時間は1日1回30分」と書いてあったら、どうなるのか。

就業規則と法令の関係は、第九十二条が定めています。

就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならない。

(労働基準法 第九十二条第一項)

就業規則は、第六十七条を含む法令に反してはならない、というのが第一項の言葉です。

個々の労働契約の側については、第十三条が別に定めています。

この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。

この場合において、無効となつた部分は、この法律で定める基準による。

(労働基準法 第十三条)

条文より短い定めはその部分が無効になり、条文の基準に置き換わります。

労働契約法の第十三条も、法令に反する就業規則の部分を労働契約の内容にしない形を置いています。

就業規則が法令又は労働協約に反する場合には、当該反する部分については、第七条、第十条及び前条の規定は、当該法令又は労働協約の適用を受ける労働者との間の労働契約については、適用しない。

(労働契約法 第十三条)

職場の定めの例第六十七条との関係当てはまる条文
1日1回・30分回数が条文の「二回」に届かない第十三条・第九十二条第一項
1日2回・各15分長さが条文の「少なくとも三十分」に届かない第十三条・第九十二条第一項
昼休みの中で取る「第三十四条の休憩時間のほか」と合わない第六十七条第一項・第十三条
1日2回・各45分条文の下限を上回る第一条第二項

この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。

(労働基準法 第一条第二項)

第一条第二項は、この法律の基準が「最低のもの」だと定めています。

表の4行目のように、条文より長い育児時間を定めるのは、この項の向きに沿った定めです。

育児時間が使える時期=第65条2項の産後休業から生後満一年まで

出産のあと、職場に戻るまでの間には、産後休業の定めが先に置かれています。

使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。

ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。

(労働基準法 第六十五条第二項)

産後八週間を経過しない女性は、原則として就業させてはならないのが第二項の言葉です。

ただし書で、産後六週間を経過した女性が請求し、医師が支障がないと認めた業務は差し支えないとしています。

育児時間は、職場に戻って働いている日に、働く時間の中から取る時間です。

子が生後満一年に達するまでの期間のうち、産後休業が終わってからの日が、育児時間を使う中心の時期になります。

時期条文の定め根拠
産後8週間を経過しない期間原則として就業させてはならない第六十五条第二項本文
産後6週間経過後に請求し、医師が支障がないと認めた業務就かせることは差し支えない第六十五条第二項ただし書
働いている日のうち、子が生後満1年に達するまで1日2回・各30分以上の育児時間を請求できる第六十七条第一項
産後1年を経過しない間妊産婦として第六十六条の請求ができる第六十四条の三第一項・第六十六条

産前・産後の休業の週数そのものは、産前産後休業は何週間取れるのかを労働基準法65条で確かめた記事で確かめています。↓

育児時間と一緒に使える請求=第66条の妊産婦の時間外・深夜の制限

産後一年を経過しない女性は、第六十四条の三で「妊産婦」と呼ばれています。

妊娠中の女性及び産後一年を経過しない女性(以下「妊産婦」という。)

(労働基準法 第六十四条の三第一項)

育児時間の「生後満一年」と、妊産婦の「産後一年」は、同じ1年の幅で重なります。

その妊産婦が請求したときの定めが、第六十六条の3つの項です。

使用者は、妊産婦が請求した場合においては、第三十二条の二第一項、第三十二条の四第一項及び第三十二条の五第一項の規定にかかわらず、一週間について第三十二条第一項の労働時間、一日について同条第二項の労働時間を超えて労働させてはならない。

(労働基準法 第六十六条第一項)

使用者は、妊産婦が請求した場合においては、第三十三条第一項及び第三項並びに第三十六条第一項の規定にかかわらず、時間外労働をさせてはならず、又は休日に労働させてはならない。

(労働基準法 第六十六条第二項)

使用者は、妊産婦が請求した場合においては、深夜業をさせてはならない。

(労働基準法 第六十六条第三項)

育児時間とは別に、時間外・休日・深夜の労働を断る請求が条文に置かれています。

第六十六条妊産婦が請求したときの定め
第一項1週間・1日の法定労働時間を超えて労働させてはならない
第二項時間外労働をさせてはならず、休日に労働させてはならない
第三項深夜業をさせてはならない

育児時間が1日の中に休む時間を差し込む定めなら、第六十六条は1日の長さや時間帯の側をしぼる定めです。

育児時間と育児休業の違い=育児介護休業法5条の「一歳に満たない子」

同じ「1歳まで」の線を持つ制度に、育児介護休業法の育児休業があります。

労働者は、その養育する一歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業(第九条の二第一項に規定する出生時育児休業を除く。以下この条から第九条までにおいて同じ。)をすることができる。

(育児介護休業法 第五条第一項)

育児休業は「休業」で、その期間は働かない形です。

育児時間は働いている日の中に取る時間なので、2つは向きが違います。

比べる点育児時間育児休業
根拠労働基準法第六十七条育児介護休業法第五条
子の年齢生後満1年に達しない生児1歳に満たない子(延長あり)
請求・申出をする人女性労働者
働くかどうか働いている日の中で取る休業する
始まり方請求事業主への申出

育児休業の主語は「労働者」で、男女を分けていないのが育児時間との違いです。

1歳を過ぎてからの延ばし方は、育児休業はいつまで延長できるのかを育児介護休業法5条で確かめた記事で確かめています。↓

育児時間と育児短時間勤務の違い=育児介護休業法23条の「三歳に満たない子」

1日の働く時間を短くする制度は、育児介護休業法の第二十三条に別に置かれています。

事業主は、その雇用する労働者のうち、その三歳に満たない子を養育する労働者であって育児休業をしていないもの(一日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるものを除く。)に関して、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づき所定労働時間を短縮することにより当該労働者が就業しつつその子を養育することを容易にするための措置(以下この条及び第二十三条の三第一項第三号において「育児のための所定労働時間の短縮措置」という。)を講じなければならない。

(育児介護休業法 第二十三条第一項)

比べる点育児時間育児のための所定労働時間の短縮措置
根拠労働基準法第六十七条育児介護休業法第二十三条第一項
子の年齢生後満1年に達しない3歳に満たない
対象女性労働者(育児休業をしていないもの)
中身1日2回・各30分以上の時間を請求所定労働時間を短縮する措置
義務を負う側の書き方使用者は使用してはならない事業主は措置を講じなければならない

育児時間は1日の中に時間を差し込む定め、第二十三条は所定労働時間そのものを短くする措置です。

短縮した後の時間数は、育児短時間勤務は1日何時間になるのかを施行規則73条で確かめた記事で確かめています。↓

育児時間を理由にした不利益取扱いの禁止=均等法9条3項と施行規則2条の2第8号

育児時間を取ったことで評価を下げられたり、配置を変えられたりしたときに見る条文が、男女雇用機会均等法の第九条第三項です。

事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第二項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

(男女雇用機会均等法 第九条第三項)

第三項の「厚生労働省令で定めるもの」の中身は、施行規則第二条の二に並んでいます。

労働基準法第六十七条第一項の規定による請求をし、又は同条第二項の規定による育児時間を取得したこと。

(男女雇用機会均等法施行規則 第二条の二第八号)

育児時間の請求と取得は、名指しで列挙された事由です。

第八号は、第六十七条第一項の請求をしたことと、第二項の育児時間を取得したことの両方を挙げています。

請求しただけの段階でも、取ったあとでも、それを理由とする解雇その他不利益な取扱いが禁じられる並びです。

妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。

ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない。

(男女雇用機会均等法 第九条第四項)

出産後一年を経過しない女性労働者への解雇は、第四項で原則として無効とされています。

ただし書により、事業主が第三項の事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでないとしています。

妊娠・出産を理由とする取扱いの全体は、マタハラはどこまで禁止されているのかを男女雇用機会均等法9条で確かめた記事で4つの項を並べています。↓

育児時間を認めないときの罰則=第119条の「第六十四条の三から第六十七条まで」

第六十七条は、罰則の条に名前が挙がっている条文です。

次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。

(労働基準法 第百十九条)

第六十四条の三から第六十七条まで

(労働基準法 第百十九条第一号)

第一号の列挙は第六十四条の三から第六十七条までを一続きで挙げています。

この範囲には、妊産婦の就業制限(第六十四条の三)、産前産後(第六十五条)、第六十六条、育児時間(第六十七条)が入ります。

同じ号には、休憩時間の第三十四条も並ぶ形です。

第百十九条第一号に挙がる条中身
第三十四条休憩
第六十四条の三危険有害業務の就業制限
第六十五条産前産後
第六十六条妊産婦の時間外・休日・深夜の制限
第六十七条育児時間

ここで確かめたのは、第六十七条が罰則の条に挙がっているという並びだけです。

個別の事情で罰則が適用されるかは、監督機関や裁判所が判断する領域になります。

育児時間を拒まれたときの申告=第104条の監督機関への申告

育児時間を請求しても取らせてもらえないとき、働く人の側から動ける条文が第百四条です。

事業場に、この法律又はこの法律に基いて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。

(労働基準法 第百四条第一項)

第六十七条に違反する事実があれば、行政官庁又は労働基準監督官に申告できるのが第一項の言葉です。

使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない。

(労働基準法 第百四条第二項)

申告したことを理由とする解雇その他不利益な取扱も禁じられています。

第百十九条第一号に挙がる条の1つが、この第百四条第二項です。

申告する前に、請求した日時と、会社から受けた返事を書き残しておくと、事実を伝えやすくなります。

申告を受けた監督署が使える権限は、労働基準監督署への相談はどこまで動くのかを条文で確かめた記事で確かめています。↓

育児時間についてよくある質問

育児時間は1日何分取れますか?

労働基準法第六十七条第一項は「一日二回各々少なくとも三十分」と定めています。

1回30分以上を1日2回、合わせて60分以上が条文の線です。

育児時間は昼休みの中で取るものですか?

第六十七条第一項は、育児時間を「第三十四条の休憩時間のほか」に請求できるとしています。

休憩時間とは別に取る時間という定めです。

育児時間はいつまで取れますか?

第六十七条第一項の対象は「生後満一年に達しない生児を育てる女性」です。

子が生後満1年に達するまでが、条文の線になります。

男性も育児時間を取れますか?

第六十七条第一項の主語は「女性」です。

男女を分けずに労働者を対象にしている制度として、育児介護休業法第五条の育児休業や第二十三条の所定労働時間の短縮措置があります。

パートやアルバイトでも育児時間を取れますか?

第六十七条には、雇用の形についての条件が置かれていません。

第九条は、事業に使用される者で賃金を支払われる者を「労働者」としています。

育児時間の分の給料は出ますか?

第六十七条は、育児時間を請求できることと、その間は使用してはならないことを定めた条文で、賃金の扱いの定めは置いていません。

第八十九条第二号が賃金の決定、計算及び支払の方法を就業規則の記載事項としているので、職場の就業規則を見ることになります。

育児時間を請求したら評価を下げられました。

男女雇用機会均等法施行規則第二条の二第八号は、労働基準法第六十七条第一項の請求と第二項の育児時間の取得を、均等法第九条第三項の事由に挙げています。

これらを理由とする解雇その他不利益な取扱いは、第九条第三項が禁じています。

会社が育児時間を認めないとどうなりますか?

労働基準法第百十九条第一号は「第六十四条の三から第六十七条まで」を挙げ、違反した者を六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処するとしています。

第百四条第一項により、違反の事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができます。

育児時間を条文で確かめた結果の一覧

条文で確かめたこと
  • 育児時間は1日2回、各々少なくとも30分(労働基準法第六十七条第一項)
  • 請求できるのは生後満1年に達しない生児を育てる女性
  • 育児時間は第三十四条の休憩時間とは別枠
  • 育児時間中は、使用者はその女性を使用してはならない(第六十七条第二項)
  • 賃金の扱いは第六十七条に定めがなく、就業規則の第八十九条の事項として見る
  • 条文より短い定めは、その部分が無効になり条文の基準による(第十三条)
  • 請求と取得を理由とする不利益取扱いは禁止(均等法第九条第三項・施行規則第二条の二第八号)
  • 第六十七条の違反は第百十九条の罰則の対象として挙がり、第百四条で申告できる

職場の就業規則を開いたら、育児時間の回数・1回の長さ・休憩時間との関係の3点を、第六十七条の言葉と1つずつ突き合わせてみてください。

短縮勤務や育児休業と組み合わせるかどうかは、それぞれの条文の対象と年齢の線で決まります。

個別の事情への当てはめは、事業場を管轄する労働基準監督署か弁護士に相談する領域になります。


あわせて読みたい

子の病気やけがで休む日の数は、子の看護休暇は何日取れるのかを育児介護休業法16条の2で確かめた記事で確かめています。↓

同じ第六章の二にある休暇の賃金の扱いは、生理休暇は有給なのかを労働基準法68条で確かめた記事で、条文の言葉から確かめています。↓


参考文献

この記事で使った一次資料

条文の確認日は2026年10月17日です。

Let's share this post !

Author of this article

Comments

To comment

TOC