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会社の健康診断は受けないといけないのか──労働安全衛生法66条と労働安全衛生規則44条の項目を条文で確かめた

会社の健康診断は受けないといけないのか──労働安全衛生法66条と労働安全衛生規則44条の項目を条文で確かめた
会社の健康診断は受けないといけないのか──労働安全衛生法66条と労働安全衛生規則44条の項目を条文で確かめた

会社から健康診断の案内が来て、受けないといけないのか迷ったことはありませんか。

転職して入社するときにも、雇入時の健康診断という名前で受診を求められます。

この記事は、会社の健康診断をめぐる条文の形を、労働安全衛生法と労働安全衛生規則の言葉だけで確かめたものです。

条文には、事業者が行う義務と並べて、労働者の側にも受けなければならないという言葉が置かれています。

そのうえで、指定された医師以外のところで受けて書面を出す道も、同じ項のただし書に書かれています。

条文の確認日は2026年10月8日です。

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会社の健康診断を行う義務の条文=労働安全衛生法第66条第1項

出発点は、労働安全衛生法第六十六条第一項です。

事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断(第六十六条の十第一項に規定する検査を除く。以下この条及び次条において同じ。)を行わなければならない。

(労働安全衛生法 第六十六条第一項)

主語は事業者で、相手は労働者、中身は「医師による健康診断」になります。

細かい中身は条文に書かれておらず、厚生労働省令で定めるところによりという言葉で省令へ渡されています。

この省令が、このあと何度も出てくる労働安全衛生規則です。

第二項と第三項は、有害な業務に従事する労働者への特別の項目と、歯科医師による健康診断を分けて置いています。

事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による特別の項目についての健康診断を行なわなければならない。

有害な業務で、政令で定めるものに従事させたことのある労働者で、現に使用しているものについても、同様とする。

(労働安全衛生法 第六十六条第二項)

事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、歯科医師による健康診断を行なわなければならない。

(労働安全衛生法 第六十六条第三項)

第四項は、都道府県労働局長が臨時の健康診断の実施を指示できる場合です。

都道府県労働局長は、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、臨時の健康診断の実施その他必要な事項を指示することができる。

(労働安全衛生法 第六十六条第四項)

第66条の項誰が何をする対象
第一項事業者が医師による健康診断を行う労働者
第二項事業者が医師による特別の項目についての健康診断を行う有害な業務で政令で定めるものに従事する労働者
第三項事業者が歯科医師による健康診断を行う有害な業務で政令で定めるものに従事する労働者
第四項都道府県労働局長が臨時の健康診断の実施その他必要な事項を指示する事業者
第五項労働者が事業者の行う健康診断を受ける労働者

健康診断を受ける側の義務=労働安全衛生法第66条第5項の本文

「受けないといけないのか」という問いに直接答えるのが、第六十六条第五項の本文です。

労働者は、前各項の規定により事業者が行なう健康診断を受けなければならない。

(労働安全衛生法 第六十六条第五項)

主語が労働者に変わり、述語は「受けなければならない」になっています。

条文の上では、健康診断は会社が行う義務と、労働者が受ける義務の二段構えで組まれています。

「前各項」とあるので、第一項から第四項までの健康診断が対象です。

この第五項の本文に、受けなくてよい人の区分は書かれていません。

入社前に示される労働条件の項目は、労働条件通知書の記載事項を労働基準法15条と施行規則5条で確かめた記事で全部並べています。↓

指定された医師以外で健康診断を受ける道=第66条第5項ただし書

第五項には、本文に続けてただし書が置かれています。

ただし、事業者の指定した医師又は歯科医師が行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師又は歯科医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健康診断を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。

(労働安全衛生法 第六十六条第五項)

条件は3つで、指定医を希望しないこと、相当する健康診断を他の医師で受けること、その結果を証明する書面を事業者に提出することです。

この3つがそろえば指定医で受ける必要はないという形になります。

ただし書が外しているのは「この限りでない」までで、受診そのものを免除する言葉ではありません。

「相当する健康診断」という言葉なので、項目がそろっているかどうかが書面で見られることになります。

どう受けるか条文の言葉根拠
事業者が指定した医師で受ける事業者が行なう健康診断を受けなければならない第六十六条第五項本文
他の医師で受けて書面を出すその結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない第六十六条第五項ただし書
受けない条文に外す言葉は無い第六十六条第五項本文

転職して入社するときの雇入時の健康診断=労働安全衛生規則第43条

転職で気になるのが、入社のときに言われる雇入時の健康診断です。

根拠は労働安全衛生規則第四十三条で、見出しも「雇入時の健康診断」になっています。

事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。

(労働安全衛生規則 第四十三条)

対象は「常時使用する労働者を雇い入れるとき」で、時期は雇い入れのときです。

この条文も主語は事業者で、行わなければならないと書いた義務の形になっています。

同じ項には、すでに受けた健康診断がある場合のただし書も置かれています。

ただし、医師による健康診断を受けた後、三月を経過しない者を雇い入れる場合において、その者が当該健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、当該健康診断の項目に相当する項目については、この限りでない。

(労働安全衛生規則 第四十三条)

線は三月を経過しない者で、書面を提出した項目に相当する項目が外れます。

前の会社の定期健康診断から3か月以内なら、その結果を証明する書面が使える並びです。

雇入時の健康診断の場面条文の扱い根拠
健康診断を受けていない状態で入社する11項目について医師による健康診断を行う第四十三条第一項本文
医師による健康診断を受けた後、三月を経過しない書面を提出した項目に相当する項目は、この限りでない第四十三条第一項ただし書
受けた後、三月を経過しているただし書の条件に当たらない第四十三条第一項ただし書
書面を提出しないただし書の条件に当たらない第四十三条第一項ただし書

採用のときに会社が守る情報の扱いは、転職のリファレンスチェックは断れるのかを条文で確かめた記事で確かめています。↓

定期健康診断の11項目=労働安全衛生規則第44条第1項の列挙

入社したあと毎年受けるのが、労働安全衛生規則第四十四条の定期健康診断です。

事業者は、常時使用する労働者(第四十五条第一項に規定する労働者を除く。)に対し、一年以内ごとに一回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。

(労働安全衛生規則 第四十四条第一項)

時期の言葉は「一年以内ごとに一回、定期に」です。

括弧で外れているのは第四十五条第一項に規定する労働者=特定業務従事者だけになります。

「次の項目」として並んでいるのが、第一号から第十一号までの11項目です。

既往歴及び業務歴の調査

(労働安全衛生規則 第四十四条第一項第一号)

自覚症状及び他覚症状の有無の検査

(労働安全衛生規則 第四十四条第一項第二号)

身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査

(労働安全衛生規則 第四十四条第一項第三号)

胸部エックス線検査及び喀痰かくたん検査

(労働安全衛生規則 第四十四条第一項第四号)

血圧の測定

(労働安全衛生規則 第四十四条第一項第五号)

貧血検査

(労働安全衛生規則 第四十四条第一項第六号)

肝機能検査

(労働安全衛生規則 第四十四条第一項第七号)

血中脂質検査

(労働安全衛生規則 第四十四条第一項第八号)

血糖検査

(労働安全衛生規則 第四十四条第一項第九号)

尿検査

(労働安全衛生規則 第四十四条第一項第十号)

心電図検査

(労働安全衛生規則 第四十四条第一項第十一号)

第一号から第十一号までを数えると、ちょうど11項目になります。

号定期健康診断(第44条第1項)雇入時の健康診断(第43条第1項)
第一号既往歴及び業務歴の調査既往歴及び業務歴の調査
第二号自覚症状及び他覚症状の有無の検査自覚症状及び他覚症状の有無の検査
第三号身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
第四号胸部エックス線検査及び喀痰検査胸部エックス線検査
第五号血圧の測定血圧の測定
第六号貧血検査血色素量及び赤血球数の検査
第七号肝機能検査GOT、GPT及びγ―GTPの検査
第八号血中脂質検査LDLコレステロール、HDLコレステロール及び血清トリグリセライドの量の検査
第九号血糖検査血糖検査
第十号尿検査尿中の糖及び蛋白の有無の検査
第十一号心電図検査心電図検査

第四十三条の第六号から第十号までの長い名前が、第四十四条では貧血検査・肝機能検査・血中脂質検査・尿検査という略称で呼ばれています。

号の数はどちらも11で、言葉が違うのは第四号の喀痰検査の有無のところです。

定期健康診断で省略できる項目=第44条第2項から第4項まで

第四十四条には、項目を省略できる場合も書かれています。

第一項第三号、第四号、第六号から第九号まで及び第十一号に掲げる項目については、厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときは、省略することができる。

(労働安全衛生規則 第四十四条第二項)

省略できる号として挙がっているのは、第三号・第四号・第六号から第九号まで・第十一号です。

判断するのは厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときという言葉になります。

第三項は、雇入時や特定業務の健康診断を受けた人の重複を省く定めです。

第一項の健康診断は、前条、第四十五条の二又は法第六十六条第二項前段の健康診断を受けた者(前条ただし書に規定する書面を提出した者を含む。)については、当該健康診断の実施の日から一年間に限り、その者が受けた当該健康診断の項目に相当する項目を省略して行うことができる。

(労働安全衛生規則 第四十四条第三項)

第四項は、聴力の検査を別の検査で代えられる年齢の線です。

第一項第三号に掲げる項目(聴力の検査に限る。)は、四十五歳未満の者(三十五歳及び四十歳の者を除く。)については、同項の規定にかかわらず、医師が適当と認める聴力(千ヘルツ又は四千ヘルツの音に係る聴力を除く。)の検査をもつて代えることができる。

(労働安全衛生規則 第四十四条第四項)

省略・代替の場面条文の言葉根拠
医師が必要でないと認める第三号、第四号、第六号から第九号まで及び第十一号を省略できる第四十四条第二項
雇入時の健康診断などを受けた実施の日から一年間に限り相当する項目を省略できる第四十四条第三項
四十五歳未満(三十五歳及び四十歳を除く)医師が適当と認める聴力の検査をもつて代えることができる第四十四条第四項

入社の年に雇入時の健康診断を受けていれば、第三項の言葉で定期の重複分が外れる形です。

半年に一回になる特定業務従事者の健康診断=労働安全衛生規則第45条

第四十四条の括弧で外れていた人たちの健康診断が、第四十五条です。

事業者は、第十三条第一項第三号に掲げる業務に常時従事する労働者に対し、当該業務への配置替えの際及び六月以内ごとに一回、定期に、第四十四条第一項各号に掲げる項目について医師による健康診断を行わなければならない。

この場合において、同項第四号の項目については、一年以内ごとに一回、定期に、行えば足りるものとする。

(労働安全衛生規則 第四十五条第一項)

時期の言葉は「当該業務への配置替えの際及び六月以内ごとに一回、定期に」です。

項目は第四十四条第一項各号と同じで、胸部エックス線は一年以内ごとに一回に分かれています。

対象の業務は、第十三条第一項第三号に掲げる業務として規則の別のところに並んでいます。

第13条第1項第3号に掲げる業務(抜粋)条文の言葉
暑熱・寒冷多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務/多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
放射線ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務
粉じん土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
振動・騒音さく岩機、鋲打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務/ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
重激・坑内重量物の取扱い等重激な業務/坑内における業務
深夜深夜業を含む業務
有害物水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務

転職先の仕事が深夜業を含むなら、第四十五条の「六月以内ごとに一回」の側に入ります。

第二項と第三項は、前回の健康診断を踏まえた省略と、第四十四条の規定の読み替えを置いています。

前項の健康診断(定期のものに限る。)は、前回の健康診断において第四十四条第一項第六号から第九号まで及び第十一号に掲げる項目について健康診断を受けた者については、前項の規定にかかわらず、医師が必要でないと認めるときは、当該項目の全部又は一部を省略して行うことができる。

(労働安全衛生規則 第四十五条第二項)

深夜業で自分から受けた健康診断=労働安全衛生法第66条の2

深夜業に従事する労働者には、自分から受けた結果を出せる条文もあります。

午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間における業務(以下「深夜業」という。)に従事する労働者であつて、その深夜業の回数その他の事項が深夜業に従事する労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当するものは、厚生労働省令で定めるところにより、自ら受けた健康診断(前条第五項ただし書の規定による健康診断を除く。)の結果を証明する書面を事業者に提出することができる。

(労働安全衛生法 第六十六条の二)

主語が労働者で、述語は「提出することができる」になっています。

第六十六条第五項ただし書の健康診断は括弧で除かれていて、別の仕組みとして置かれている並びです。

深夜業の回数その他の要件は、この条文でも厚生労働省令に渡されています。

条文主語述語の言葉
第六十六条第一項事業者行わなければならない
第六十六条第五項本文労働者受けなければならない
第六十六条第五項ただし書労働者提出したときは、この限りでない
第六十六条の二深夜業に従事する労働者提出することができる

健康診断の結果の記録=労働安全衛生法第66条の3と規則第51条

受けた結果をどうするかも、条文でつながっています。

事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第六十六条第一項から第四項まで及び第五項ただし書並びに前条の規定による健康診断の結果を記録しておかなければならない。

(労働安全衛生法 第六十六条の三)

ここでも中身は省令に渡されていて、受け皿が労働安全衛生規則第五十一条です。

事業者は、第四十三条、第四十四条若しくは第四十五条から第四十八条までの健康診断若しくは法第六十六条第四項の規定による指示を受けて行つた健康診断(同条第五項ただし書の場合において当該労働者が受けた健康診断を含む。次条において「第四十三条等の健康診断」という。)又は法第六十六条の二の自ら受けた健康診断の結果に基づき、健康診断個人票(様式第五号)を作成して、これを五年間保存しなければならない。

(労働安全衛生規則 第五十一条)

作るのは健康診断個人票(様式第五号)で、これを五年間保存と書いた条文になります。

第六十六条第五項ただし書で他の医師の健康診断を受けた場合も、第五十一条の括弧に入っています。

自分の結果が会社に5年分残る前提で、あとから見返せる記録になる形です。

健康診断の結果についての意見聴取=第66条の4と規則第51条の2

異常の所見があると診断されたときの流れが、第六十六条の四です。

事業者は、第六十六条第一項から第四項まで若しくは第五項ただし書又は第六十六条の二の規定による健康診断の結果(当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者に係るものに限る。)に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師又は歯科医師の意見を聴かなければならない。

(労働安全衛生法 第六十六条の四)

対象は括弧で絞られていて、健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者に係るものだけです。

会社が聴くのは医師又は歯科医師の意見で、内容は健康を保持するために必要な措置になります。

聴取の期限は、労働安全衛生規則第五十一条の二第一項第一号に置かれています。

第四十三条等の健康診断が行われた日(法第六十六条第五項ただし書の場合にあつては、当該労働者が健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出した日)から三月以内に行うこと。

(労働安全衛生規則 第五十一条の二第一項第一号)

聴取した医師又は歯科医師の意見を健康診断個人票に記載すること。

(労働安全衛生規則 第五十一条の二第一項第二号)

聴いた意見は健康診断個人票に記載される、というのが第二号の言葉です。

第三項は、医師から業務の情報を求められたときの事業者の対応を定めています。

事業者は、医師又は歯科医師から、前二項の意見聴取を行う上で必要となる労働者の業務に関する情報を求められたときは、速やかに、これを提供しなければならない。

(労働安全衛生規則 第五十一条の二第三項)

健康診断のあとの就業上の措置=労働安全衛生法第66条の5

意見を聴いたあとに会社が打つ手が、第六十六条の五第一項です。

事業者は、前条の規定による医師又は歯科医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、作業環境測定の実施、施設又は設備の設置又は整備、当該医師又は歯科医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(平成四年法律第九十号)第七条に規定する労働時間等設定改善委員会をいう。以下同じ。)への報告その他の適切な措置を講じなければならない。

(労働安全衛生法 第六十六条の五第一項)

並んでいるのは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置です。

条件は意見を勘案し、その必要があると認めるときで、労働者の実情を考慮することも書かれています。

第二項と第三項は、厚生労働大臣が指針を公表し、必要なら指導等を行う仕組みです。

厚生労働大臣は、前項の規定により事業者が講ずべき措置の適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。

(労働安全衛生法 第六十六条の五第二項)

段階条文条文の言葉
結果を記録する第六十六条の三・規則第五十一条健康診断個人票を作成して、これを五年間保存
医師の意見を聴く第六十六条の四・規則第五十一条の二健康診断が行われた日から三月以内
就業上の措置を講じる第六十六条の五第一項就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等
結果を本人に通知する第六十六条の六・規則第五十一条の四遅滞なく、当該健康診断の結果を通知

就業場所や労働時間が変わる話なので、労働条件の不利益変更は同意なしにできるのかを条文で確かめた記事と並べて読むと輪郭がはっきりします。↓

健康診断の結果の通知=第66条の6と規則第51条の4の「遅滞なく」

結果が本人に返ってくる根拠も条文にあります。

事業者は、第六十六条第一項から第四項までの規定により行う健康診断を受けた労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該健康診断の結果を通知しなければならない。

(労働安全衛生法 第六十六条の六)

対象は第一項から第四項までの健康診断を受けた労働者です。

事業者は、法第六十六条第四項又は第四十三条、第四十四条若しくは第四十五条から第四十八条までの健康診断を受けた労働者に対し、遅滞なく、当該健康診断の結果を通知しなければならない。

(労働安全衛生規則 第五十一条の四)

期限の言葉は遅滞なくで、受けた本人に結果を通知する形になっています。

通知されないままなら、根拠になるのはこの2つの条文です。

常時五十人以上の労働者を使用する事業者には、監督署への報告も規則第五十二条に置かれています。

常時五十人以上の労働者を使用する事業者は、健康診断(第四十四条又は第四十五条の健康診断であつて定期のものに限る。以下この項において同じ。)を行つたときは、遅滞なく、電子情報処理組織を使用して、次に掲げる事項を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。

(労働安全衛生規則 第五十二条第一項)

報告の対象は、第四十四条または第四十五条の定期の健康診断に限られています。

健康診断の義務に違反したときの罰則=労働安全衛生法第120条

義務の裏づけになる罰則も、条文に並んでいます。

次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。

(労働安全衛生法 第百二十条)

金額の線は五十万円以下の罰金です。

どの条文に違反したときかは、第一号の長い列挙の中にあります。

第六十六条第一項から第三項まで、第六十六条の三、第六十六条の六

(労働安全衛生法 第百二十条第一号)

挙がっているのは、第六十六条第一項から第三項までと、第六十六条の三、第六十六条の六です。

第六十六条の四と第六十六条の五、それに第六十六条第五項(労働者が受ける義務)は、この列挙に入っていません。

条文第120条第1号の列挙読み取れること
第六十六条第一項から第三項まで(事業者が行う)入っている五十万円以下の罰金の対象
第六十六条の三(記録)入っている五十万円以下の罰金の対象
第六十六条の六(結果の通知)入っている五十万円以下の罰金の対象
第六十六条第五項(労働者が受ける)入っていないこの号の列挙の外
第六十六条の四(意見聴取)入っていないこの号の列挙の外
第六十六条の五(就業上の措置)入っていないこの号の列挙の外

会社が行わない場合と、労働者が受けない場合で、条文の並びが違うということです。

条文どおりに動いていないときの相談先の権限は、労働基準監督署への相談はどこまで動くのかを条文で確かめた記事で範囲を確かめています。↓

会社の健康診断についてよくある質問

会社の健康診断は受けないといけませんか?

労働安全衛生法第六十六条第五項本文は、労働者は事業者が行なう健康診断を受けなければならないと定めています。

同じ項のただし書は、他の医師の健康診断を受けて結果を証明する書面を提出したときは、この限りでないとしています。

自分で選んだ病院で健康診断を受けてもよいですか?

第六十六条第五項ただし書は、指定した医師の健康診断を希望しない場合に、他の医師の相当する健康診断を受けて結果を証明する書面を提出する道を置いています。

条件は、指定医を希望しないこと・相当する健康診断を受けること・書面を提出することの3つです。

転職の入社時にも健康診断は必要ですか?

労働安全衛生規則第四十三条第一項は、常時使用する労働者を雇い入れるときに11項目の健康診断を行うよう事業者に定めています。

ただし書により、医師による健康診断を受けた後三月を経過しない者が結果を証明する書面を提出したときは、相当する項目は、この限りでないとされています。

前の会社の健康診断の結果は使えますか?

第四十三条第一項ただし書の線は「三月を経過しない者」で、書面を提出した項目に相当する項目が外れます。

定期健康診断の側では、第四十四条第三項が実施の日から一年間に限り相当する項目の省略を認めています。

定期健康診断の項目は何項目ですか?

労働安全衛生規則第四十四条第一項は、第一号から第十一号までの11項目を挙げています。

健康診断の項目を省略することはできますか?

第四十四条第二項は、第三号・第四号・第六号から第九号まで・第十一号について、厚生労働大臣が定める基準に基づき医師が必要でないと認めるときの省略を認めています。

健康診断の結果は本人に知らされますか?

労働安全衛生法第六十六条の六と労働安全衛生規則第五十一条の四が、受けた労働者に遅滞なく結果を通知するよう事業者に定めています。

健康診断の記録はどれくらい残りますか?

労働安全衛生規則第五十一条は、健康診断個人票(様式第五号)を作成して五年間保存するよう事業者に定めています。

会社の健康診断を条文で確かめた結果の一覧

条文で確かめたこと
  • 事業者が行う義務=労働安全衛生法第六十六条第一項から第三項まで
  • 労働者が受ける義務=第六十六条第五項本文「受けなければならない」
  • 指定医以外で受ける道=第六十六条第五項ただし書(結果を証明する書面の提出)
  • 雇入時=労働安全衛生規則第四十三条の11項目、ただし書の線は「三月を経過しない者」
  • 定期=同規則第四十四条第一項の11項目、「一年以内ごとに一回、定期に」
  • 特定業務従事者=同規則第四十五条「六月以内ごとに一回」
  • 記録=法第六十六条の三・同規則第五十一条「五年間保存」
  • 意見聴取=法第六十六条の四・同規則第五十一条の二「三月以内」
  • 就業上の措置=法第六十六条の五第一項(就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮など)
  • 通知=法第六十六条の六・同規則第五十一条の四「遅滞なく」
  • 罰則=法第百二十条第一号「五十万円以下の罰金」(第六十六条第五項は列挙の外)

転職して入社するときは、直近3か月以内の健康診断の結果を証明する書面が手元にあるかどうかを先に見ておくと動きが早くなります。

個別の事情への当てはめは、事業場を管轄する労働基準監督署か産業医に相談する領域です。


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参考文献

この記事で使った一次資料

条文の確認日は2026年10月8日です。

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