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海外赴任と社会保険|厚生年金・健康保険は続くのかを条文と日本年金機構の資料で確かめた

「海外赴任すると、日本の社会保険からは抜けることになる」。

赴任の内示が出ると、必ずこの話が出てきます。

この記事は、その話が日本の法令と公的資料の上でどこまで成り立つのかを確かめます。

体験談も、伝聞も、転職サイトのまとめも使いません。

使うのは、e-Gov法令検索に載っている条文と、日本年金機構および全国健康保険協会が公開している資料だけです。

先に結論を書きます。

海外赴任をしても、日本の適用事業所に使用される関係が続いているかぎり、健康保険と厚生年金保険の被保険者資格はそのまま続きます。

住民票を海外へ移したかどうかは、この2つの資格には関係しません。

関係するのは、赴任先が社会保障協定を結んでいる国かどうか、そして赴任期間が5年を超える見込みかどうかの2点です。

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海外赴任をしても、日本の社会保険(健康保険・厚生年金保険)の資格は続きます

いちばん誤解が多いのが、この一点です。

日本年金機構が「住所の有無を問わず」と書いている

日本年金機構は、海外へ転勤するときの手続きを説明したページで、次のように書いています。

健康保険および厚生年金保険は、適用事業所に勤務する限り、国内における住所の有無を問わず加入します。

(出典:海外へ転勤または転職するときの手続き/海外から帰国したときの手続き|日本年金機構)

⇒ 海外転出届を出しても、住民票を抜いても、この2つの保険からは自動的に外れません。

外れるのは、勤務先との使用関係が切れたときか、社会保障協定で相手国の制度に移ったときの2つだけです。

この記事が何を根拠にしているか

根拠にしたのは、次の3種類です。

  • e-Gov法令検索に載っている厚生年金保険法・健康保険法・健康保険法施行規則・国民年金法・介護保険法・社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律の条文
  • 日本年金機構が公開している社会保障協定のページと手続きのページ
  • 全国健康保険協会(協会けんぽ)が公開している給付のページ

条文に書いていないことは、この記事では書きません。

海外赴任で社会保険が続く根拠は、厚生年金保険法と健康保険法の条文にあります

ここから先は、条文そのものを見ていきます。

厚生年金保険法第9条に住所の要件は無い

適用事業所に使用される七十歳未満の者は、厚生年金保険の被保険者とする。

(出典:厚生年金保険法 第九条(e-Gov法令検索))

条件は「適用事業所に使用される」ことと「七十歳未満」であることの2つだけです。

どこに住んでいるか、どこで働いているかは、条文の要件に入っていません。

資格を失うのは「使用されなくなったとき」

資格を失う場面は、同じ法律の第14条に列挙されています。

二 その事業所又は船舶に使用されなくなつたとき。

(出典:厚生年金保険法 第十四条第二号(e-Gov法令検索))

「海外へ転居したとき」という号は、第14条のどこにもありません。

出向元に籍を置いたまま海外の子会社へ出るのであれば、使用関係は続いています。

健康保険もまったく同じ形をしている

この法律において「被保険者」とは、適用事業所に使用される者及び任意継続被保険者をいう。

(出典:健康保険法 第三条第一項(e-Gov法令検索))

健康保険法第36条の資格喪失事由も、第二号は「その事業所に使用されなくなったとき。」です。

厚生年金保険と健康保険は、被保険者になる入口も出口も同じ設計になっています。

海外赴任の社会保険が二重になるのを防ぐ仕組みが「社会保障協定」です

日本の資格が続くということは、放っておくと相手国の制度と二重になるということです。

日本年金機構が挙げている2つの困りごと

海外で働く場合は、働いている国の社会保障制度に加入をする必要がありますが、日本から海外に派遣された企業駐在員等については、日本の社会保障制度との保険料と二重に負担しなければならない場合が生じています。

(出典:社会保障協定|日本年金機構)

同じページは、協定の目的を次の2点だと書いています。

  • 「保険料の二重負担」を防止するために加入するべき制度を二国間で調整する(二重加入の防止)
  • 年金受給資格を確保するために、両国の年金制度への加入期間を通算することにより、年金受給のために必要とされる加入期間の要件を満たしやすくする(年金加入期間の通算)

⇒ 前者は赴任中の保険料の話、後者は帰国後にもらう年金の話です。

この2つは別々の効果なので、片方だけを定めた協定も存在します。

海外赴任先の社会保険が調整されるのは、協定が発効している国だけです

協定を結んでいない国に赴任する場合、二重加入はそのまま残ります。

発効しているのは24か国

社会保障協定の発効状況は以下のとおりです。なお、2025年12月1日にオーストリアとの間で社会保障協定が発効します。これにより、日本は24カ国との間で協定が発効することになります。

(出典:社会保障協定|日本年金機構(更新日2025年10月27日))

同じページには、期間通算が付いていない協定についての注記もあります。

(注)英国、韓国、中国およびイタリアとの協定については、「保険料の二重負担防止」のみとなります。

(出典:社会保障協定|日本年金機構)

協定発効年月と、二重加入防止の対象になる日本側の制度

下の表は、日本年金機構が公開している一覧をそのまま整理したものです。

相手国協定発効年月期間通算二重加入防止の対象となる日本の制度
ドイツ2000年2月できる公的年金制度
英国2001年2月できない公的年金制度
韓国2005年4月できない公的年金制度
アメリカ2005年10月できる公的年金制度/公的医療保険制度
ベルギー2007年1月できる公的年金制度/公的医療保険制度
フランス2007年6月できる公的年金制度/公的医療保険制度
カナダ2008年3月できる公的年金制度
オーストラリア2009年1月できる公的年金制度
オランダ2009年3月できる公的年金制度/公的医療保険制度
チェコ2009年6月できる公的年金制度/公的医療保険制度
スペイン2010年12月できる公的年金制度
アイルランド2010年12月できる公的年金制度
ブラジル2012年3月できる公的年金制度
スイス2012年3月できる公的年金制度/公的医療保険制度
ハンガリー2014年1月できる公的年金制度/公的医療保険制度
インド2016年10月できる公的年金制度
ルクセンブルク2017年8月できる公的年金制度/公的医療保険制度
フィリピン2018年8月できる公的年金制度
スロバキア2019年7月できる公的年金制度
中国2019年9月できない公的年金制度
フィンランド2022年2月できる公的年金制度/公的雇用保険制度
スウェーデン2022年6月できる公的年金制度
イタリア2024年4月できない公的年金制度/公的雇用保険制度
オーストリア2025年12月できる公的年金制度/公的医療保険制度/公的雇用保険制度
出典:協定を結んでいる国との協定発効時期および対象となる社会保障制度|日本年金機構(更新日2025年10月27日/2026年9月12日に確認)

表を見ると、二重加入防止の対象が「公的年金制度」だけの国が半分以上を占めます。

つまり、年金の二重負担は消えても、医療保険の二重負担は残る国があるということです。

また、チェコについては2018年8月1日に協定の一部を改正する議定書が発効したという注記が付いています。

海外赴任の社会保険を法律の側で動かしているのは「協定実施特例法」です

協定は条約なので、国内法の側にも受け皿の条文があります。

厚生年金は特例法第24条で外れる

厚生年金保険の適用事業所に使用される者であって次の各号のいずれかに掲げるものは、厚生年金保険法第九条の規定にかかわらず、厚生年金保険の被保険者としない。

(出典:社会保障協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律 第二十四条(e-Gov法令検索))

各号のうち海外赴任に当たるのは第二号で、「相手国の領域内において就労する者であって、年金制度適用調整規定により相手国法令の規定の適用を受けるもの」です。

⇒ 相手国の年金制度が適用されると決まった人だけが、日本の厚生年金の被保険者から外れます。

健康保険は同じ法律の第3条で外れる

健康保険については、同じ特例法の第3条が、健康保険法第3条第1項の規定にかかわらず健康保険の被保険者としない、と定めています。

年金と医療で条文が分かれているのは、協定ごとに対象制度が違うからです。

年金だけが協定の対象なら、厚生年金だけが外れ、健康保険は日本に残ります。

海外赴任先の社会保険を免除してもらう手続きは「適用証明書」から始まります

免除は自動では付きません。

一時的に日本から協定相手国に派遣され就労する人が、協定相手国の社会保障制度への加入が免除されるためには、日本の社会保障制度に加入していることを証明する「適用証明書」の交付を受ける必要があります。

(出典:日本から協定を結んでいる国で働く場合の手続き|日本年金機構)

手続きは3ステップ

  • 事業主が年金事務所に「適用証明書交付申請書」を提出する
  • 審査の結果、申請が認められると適用証明書が交付される
  • 派遣された被保険者が、協定相手国内の事業所に適用証明書を提出する

申請するのは本人ではなく、日本側の事業主です。

自営業者の場合だけ、本人が年金事務所に申請します。

出せるのは就労開始のおおむね6カ月前から

なお、社会保障協定適用証明書交付申請書は、就労の開始予定年月日または延長開始年月日のおおむね6カ月前から提出が可能です。

(出典:適用証明書交付申請書の提出先はどこですか。|日本年金機構)

⇒ 内示から着任までが短い赴任でも、逆算できる期間には余裕があります。

提出先は厚生年金と国民年金で違う

同じQ&Aによると、国民年金にかかる申請書は最寄りの年金事務所に提出します。

これに対して、厚生年金保険にかかる申請書の郵送先は、東京都調布市にある日本年金機構の社会保障協定担当です。

この郵送先は受付業務のみで、窓口相談は行っていないと明記されています。

書き方や審査状況の相談は、最寄りの年金事務所が窓口です。

海外赴任の期間が5年を超えるかどうかで、社会保険の加入先が変わります

ここが、赴任者の社会保険で最大の分かれ目です。

原則は「就労する国の制度のみ」、例外が5年以内の一時派遣

しかしながら、事業主により協定相手国へ5年を超えない見込みで派遣される場合には、協定の例外規定が適用されます。すなわち、引き続き日本の社会保障制度のみに加入し、協定相手国の社会保障制度の加入が免除されます。

(出典:日本から協定を結んでいる国で働く場合の加入すべき制度|日本年金機構)

判定の基準は「実際に何年いたか」ではなく「派遣の開始時点で何年と見込まれたか」です。

就労状況・派遣期間加入する社会保障制度
日本の事業主による派遣で、5年以内と見込まれる一時派遣日本の社会保障制度
上記の派遣者の期間が、予見できない事情により5年を超える場合原則は協定相手国の制度。両国の合意が得られた場合は日本の制度
5年を超えると見込まれる派遣期間協定相手国の社会保障制度
協定相手国での現地採用協定相手国の社会保障制度
出典:日本から協定を結んでいる国で働く場合の加入すべき制度|日本年金機構(更新日2025年10月27日/2026年9月12日に確認)

同じ国の同じ勤務先でも、現地採用に切り替わった瞬間に加入先が変わります。

延長は申請できるが、上限は協定ごとに違う

日本年金機構は、免除期間の延長について「延長が認められるためには両国の関係機関間での合意が必要です」と書いています。

そのうえで「5年を超えた延長期間の上限はそれぞれの協定により異なります」とも書いています。

⇒ 何年まで延ばせるかは、赴任先の国のページを個別に見るしかありません。

延長の申請書は「適用証明書期間継続・延長申請書」で、これも日本の事業主が年金事務所に出します。

海外赴任で相手国の社会保険に移った人には、厚生年金の特例加入があります

日本の厚生年金から外れると、その期間は日本の年金額に反映されません。

任意で入り直せる制度がある

日本から協定相手国に派遣された被用者であって日本の厚生年金保険に加入していた者が、加入免除期間の延長が認められない等の事情により、協定相手国の年金制度の適用を受けることとなった場合には、厚生年金保険に任意加入することができます(「特例加入制度」といいます)。

(出典:日本から協定を結んでいる国で働く場合の加入すべき制度|日本年金機構)

この特例加入の根拠は、協定実施特例法第25条(厚生年金保険の加入の特例)です。

同条は、厚生年金保険法第2条の5第1項に規定する実施機関「に申し出て、厚生年金保険の被保険者となることができる」と定めています。

提出するのは「厚生年金保険特例加入被保険者資格取得申出書」で、適用事業所の事業主を経由して年金事務所に出します。

相手国の制度だけに移るときは資格喪失届が要る

協定相手国へ長期派遣される場合など厚生年金保険・健康保険の被保険者である者が、協定相手国の社会保障制度のみに加入する場合は、その事業主が厚生年金保険(および健康保険)の資格喪失届を年金事務所へ届け出る必要があります。

(出典:日本から協定を結んでいる国で働く場合の手続き|日本年金機構)

このとき喪失原因欄で選ぶのは「11.社会保障協定」です。

あわせて、協定相手国の制度へ加入した旨がわかる書類を提示することになっています。

海外赴任中も、社会保険の健康保険は「海外療養費」という形で使えます

日本の健康保険に残ったまま海外にいる場合、現地の病院に保険証は使えません。

その代わりに、いったん全額を払ってから払い戻しを請求する仕組みがあります。

これは健康保険法第87条の療養費を海外の受診に当てはめたもので、協会けんぽは給付の条件を2つ挙げています。

日本国内で保険診療として認められている医療行為であること

(出典:海外療養費|給付と手続き|協会けんぽ)

療養(治療)を目的で海外へ渡航し診療を受けた場合は、支給対象となりません。

(出典:海外療養費|給付と手続き|協会けんぽ)

払い戻しの計算は現地の請求額ではなく、日本国内で同じ傷病を治した場合の治療費が基準です。

協会けんぽは、海外療養費の支給は海外への直接送金ができず、事業主または日本在住の家族に受け取りを委任することになると案内しています。

審査には通常、数か月かかるとも書かれています。

⇒ 海外赴任中の医療費は、会社の海外旅行保険と海外療養費の二段構えで見るのが現実的です。

海外赴任では、社会保険のうち介護保険だけが外れます

健康保険と厚生年金が続くのに、介護保険だけは扱いが違います。

介護保険法第9条には住所の要件がある

二 市町村の区域内に住所を有する四十歳以上六十五歳未満の医療保険加入者(以下「第二号被保険者」という。)

(出典:介護保険法 第九条第二号(e-Gov法令検索))

厚生年金保険法第9条と読み比べると、違いは「市町村の区域内に住所を有する」の一句だけです。

日本年金機構も、同じことを平たい言葉で書いています。

一方、介護保険は、国内に住所がある方のみ加入します。

(出典:海外へ転勤または転職するときの手続き/海外から帰国したときの手続き|日本年金機構)

出す書類は「介護保険適用除外等該当・非該当届」

日本年金機構は、この届を出す理由の1つ目として次を挙げています。

(1)転勤により日本国内から外国へ転居した場合又は日本国内に居住するようになった場合

(出典:介護保険の被保険者から外れるまたは被保険者になるための手続き|日本年金機構)

添付するのは住民票の除票で、コピーは不可、個人番号の記載がないものと指定されています。

この届は被保険者または被扶養者ごとに1枚ずつ作るので、配偶者が同行するなら2枚になります。

⇒ 40歳以上で赴任する人は、この1枚を出さないと介護保険料が引かれ続けることになります。

海外赴任に家族が同行するときの社会保険(被扶養者と第3号被保険者)

健康保険の被扶養者には、2020年4月から国内居住の要件が付いています。

ただし、条文には最初から例外の受け皿が置かれています。

この法律において「被扶養者」とは、次に掲げる者で、日本国内に住所を有するもの又は外国において留学をする学生その他の日本国内に住所を有しないが渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められるものとして厚生労働省令で定めるものをいう。

(出典:健康保険法 第三条第七項(e-Gov法令検索))

その「厚生労働省令で定めるもの」が、健康保険法施行規則第37条の2です。

二 外国に赴任する被保険者に同行する者

(出典:健康保険法施行規則 第三十七条の二第二号(e-Gov法令検索))

同行する家族は、住民票を海外に移しても健康保険の被扶養者のままでいられます。

同じ条は第4号で、赴任中に身分関係が生じた者も同等に扱うと定めています。

国民年金の第3号被保険者についても、国民年金法第7条第1項第3号に同じ構造の例外が置かれています。

⇒ 帯同する配偶者の年金と医療は、赴任者本人の資格が続いていればそのまま続きます。

海外赴任で社会保険の資格そのものを失う人は、国民年金に任意加入できます

現地採用に切り替わるなどして、日本の厚生年金の被保険者でなくなる場合があります。

国民年金法第7条第1項第1号は、第1号被保険者を「日本国内に住所を有する二十歳以上六十歳未満の者」と定めています。

海外に住所を移すと、この号にも当てはまらなくなります。

その受け皿が、同法附則第5条の任意加入です。

三 日本国籍を有する者その他政令で定める者であつて、日本国内に住所を有しない二十歳以上六十五歳未満のもの

(出典:国民年金法 附則第五条第一項第三号(e-Gov法令検索))

この任意加入は申し出た日に資格を取得し、いつでも申し出て資格を喪失できます。

入るかどうかは任意ですが、入らなかった期間は老齢基礎年金の年金額に反映されません。

なお、協定を結んでいる国であれば、相手国での加入期間を通算できる場合があります。

ただし、上の表のとおり英国・韓国・中国・イタリアの4か国は通算の対象になっていません。

海外赴任の社会保険で、公表資料だけでは決まらない点

赴任前に、自分で個別に確かめる必要がある点をまとめます。

  • 協定ごとの延長期間の上限は、日本年金機構が「それぞれの協定により異なります」とだけ書いており、一覧の形では公開されていません(赴任先の国別ページを見る必要があります)
  • 「適用証明書」という語は、協定実施特例法の条文の中には出てきません。証明書は協定と実務の側の仕組みです
  • 海外赴任中に支払う保険料の額そのものは、標準報酬月額と会社の規程で決まるため、会社の規程で確かめる項目です
  • 健康保険組合ごとの独自の付加給付は協会けんぽの資料には載っていないため、加入している健康保険組合の案内で確かめる項目です

海外赴任と社会保険についてよくある質問

海外転出届を出したら厚生年金は止まりますか

止まりません。

厚生年金保険法第9条の要件は「適用事業所に使用される七十歳未満の者」だけで、住所は要件に入っていないからです。

協定を結んでいない国に赴任した場合はどうなりますか

調整の仕組みが無いので、日本の社会保険と現地の制度の両方に加入する状態になり得ます。

日本年金機構は、協定を締結する背景として、まさにこの二重負担が生じていたと説明しています。

適用証明書は本人が申請するのですか

被用者の場合は、日本側の事業主が年金事務所に申請します。

本人が申請するのは自営業者の場合です。

当初3年の予定が5年を超えたときはどうなりますか

日本年金機構の表では、予見できない事情で5年を超えた場合は原則として協定相手国の制度になり、両国の合意が得られた場合には日本の制度に留まると整理されています。

合意を求める手続きが「適用証明書期間継続・延長申請書」です。

帰国したら何を出せばよいですか

健康保険と厚生年金が続いていたのであれば、資格の取得や喪失の届は要りません。

一方、介護保険は住所を国内に戻した時点で加入し直すため、同じ「介護保険適用除外等該当・非該当届」を非該当として出します。

まとめ:海外赴任の社会保険は「使用関係」と「協定」の2つで決まります

条文と公的資料から言えることを3行にします。

  • 健康保険と厚生年金保険は、適用事業所に使用される関係が続くかぎり、住所が海外にあっても続きます(厚生年金保険法第9条・第14条、健康保険法第3条・第36条)
  • 相手国の制度と二重にならないよう調整するのが社会保障協定で、発効しているのは24か国です。5年以内の一時派遣なら日本の制度のみ、5年超の見込みなら相手国の制度のみが原則です
  • 介護保険だけは住所要件があるため外れます。第2号被保険者に該当しなくなる届を出さないと、保険料が引かれ続けます(介護保険法第9条第2号)

⇒ したがって、赴任が決まったら最初に確かめるのは「赴任先が24か国に入っているか」と「派遣期間の見込みが5年以内か」の2つです。

⇒ その2つが決まれば、出す書類は適用証明書交付申請書と介護保険適用除外等該当・非該当届の2枚に絞り込めます。


この記事で使った一次資料

条文と公的資料の確認日は2026年9月12日です。

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