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離職票はいつ届く?条文で期限が切られているのは「会社の10日以内」だけです

「離職票は2週間くらいで届く」。

退職の話になると、必ずこの言い方が出てきます。

この記事は、その「いつ届くのか」が法令と公的資料の上でどこまで決まっているのかを確かめます。

体験談も、伝聞も、転職サイトのまとめも使いません。

使うのは、e-Gov法令検索に載っている雇用保険法と雇用保険法施行規則の条文、そして厚生労働省・ハローワーク・都道府県労働局が公表している資料だけです。

先に結論を書きます。

条文が期限を切っているのは「会社がハローワークへ届け出るまで」の部分だけで、そこから先の日数を定めた条文はありません。

その会社側の期限は、雇用保険法施行規則第7条第1項の「十日以内」です。

条文と資料の確認日は2026年9月12日です。

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離職票がいつ届くかを条文で追うと、期限があるのは「会社の届出」までです

いちばん知りたいところから置きます。

雇用保険法施行規則第7条第1項が「十日以内」と書いています

事業主は、法第七条の規定により、その雇用する労働者が当該事業主の行う適用事業に係る被保険者でなくなつたことについて、当該事実のあつた日の翌日から起算して十日以内に、雇用保険被保険者資格喪失届(略)に労働契約に係る契約書、労働者名簿、賃金台帳、登記事項証明書その他の当該適用事業に係る被保険者でなくなつたことの事実及びその事実のあつた年月日を証明することができる書類を添えてその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。

(出典:雇用保険法施行規則 第七条第一項(e-Gov法令検索))

ここで期限が付いているのは、会社がハローワークへ「資格喪失届」を出すところまでです。

離職票そのものが何日で本人の手元に着くか、という日数はこの条文にありません。

起算点は「退職日」ではありません

条文の書き方は「当該事実のあつた日の翌日から起算して十日以内」です。

被保険者でなくなる日は、退職日そのものではなく退職日の翌日です。

三重労働局は、この関係を次のように言い換えています。

事業主は、従業員が退職等により雇用保険の被保険者でなくなった時は、被保険者資格喪失の事実があった日の翌日から起算して10日以内(=退職日翌日から数えて11日以内)に資格喪失届を提出しなければならないとされています

(出典:雇用保険給付窓口からのお知らせ|三重労働局)

厚生労働省の別の資料は、同じ期限をもう一段ちがう言い方で書いています。

事業所による離職手続きの期限は離職日の翌々日から10日以内となっていますので、離職票が届かない場合はまず事業所にお問い合わせください。

(出典:マイナポータルを利用した離職票の受け取り FAQ|厚生労働省)

⇒ 「資格喪失日の翌日から10日以内」も「退職日翌日から11日以内」も「離職日の翌々日から10日以内」も、同じ日を指しています。

つまり、10日という数字は「離職票が届くまでの日数」ではなく「会社が書類を出すまでの日数」です。

この記事が何を根拠にしているか

条文はe-Gov法令検索で本文を開いて確認したものだけを引用しています。

省庁と労働局のページは、実際に開いて本文に載っている文だけを引用しています。

離職票が届くまでの流れは、条文の上で4つの段階に分かれます

日数を数える前に、誰が何をする番なのかを分けます。

段階を表にする

段階誰が何をするか条文上の期限根拠
1会社が資格喪失届と離職証明書をハローワークへ出す被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内施行規則第7条第1項
2ハローワークが被保険者でなくなったことを確認する条文に日数の定めは確認できず雇用保険法第9条
3ハローワークが離職票を交付する条文に日数の定めは確認できず施行規則第17条第1項
4離職票が本人に届く(会社経由またはマイナポータル)条文に日数の定めは確認できず施行規則第17条第2項ほか

期限が書いてあるのは段階1だけです。

離職証明書が付いていないと離職票は出ません

施行規則第7条第1項は、退職が原因のときに添える書類を指定しています。

この場合において、当該適用事業に係る被保険者でなくなつたことの原因が離職であるときは、当該資格喪失届に、次の各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号に定める書類を添えなければならない。

(出典:雇用保険法施行規則 第七条第一項(e-Gov法令検索))

その第1号が「雇用保険被保険者離職証明書」です。

そして第3項に、離職票が出ない場合が書かれています。

事業主は、第一項の規定により当該資格喪失届を提出する際に当該被保険者が雇用保険被保険者離職票(様式第六号。以下「離職票」という。)の交付を希望しないときは、同項後段の規定にかかわらず、離職証明書を添えないことができる。ただし、離職の日において五十九歳以上である被保険者については、この限りでない。

(出典:雇用保険法施行規則 第七条第三項(e-Gov法令検索))

⇒ 本人が「離職票はいらない」と伝えていると、会社は離職証明書を付けずに届け出ることができます。

⇒ 待っても届かないケースの入口が、ここにあります。

⇒ ただし離職日に59歳以上だった人については、この省略はできません。

ハローワークが交付する相手は「本人」です

公共職業安定所長は、次の各号に掲げる場合においては、離職票を、離職したことにより被保険者でなくなつた者に交付しなければならない。ただし、その者の住所又は居所が明らかでないためその他やむを得ない理由のため離職票を交付することができないときは、この限りでない。

(出典:雇用保険法施行規則 第十七条第一項(e-Gov法令検索))

交付の相手は会社ではなく、離職した本人です。

離職票が届く経路は会社経由が原則で、2025年からマイナポータル直送も加わりました

同じ「届く」でも、経路が2つあります。

経路1=会社を通して届く

前項第一号の場合においては、離職票の交付は、当該被保険者でなくなつた者が当該離職の際雇用されていた事業主を通じて行うことができる。

(出典:雇用保険法施行規則 第十七条第二項(e-Gov法令検索))

ハローワークインターネットサービスは、この流れを利用者向けにこう書いています。

離職後、「雇用保険被保険者離職票(-1、2)」が届きます(受取りに行く場合もあります)。

(出典:雇用保険の具体的な手続き|ハローワークインターネットサービス)

「受取りに行く場合もあります」と書かれている点が実務上のポイントです。

郵送で来るとは限らず、勤務先で手渡しになることも公的資料の想定に入っています。

経路2=マイナポータルに直接届く

厚生労働省は、被保険者向けのリーフレットで次のように書いています。

現在は離職前の事業所からお送りしていますが、2025年1月20日から、希望される方にはマイナポータルを通じてお送りします。

(出典:2025年1月から、「離職票」をマイナポータルで受け取れるようになります!|厚生労働省)

送信のタイミングについては、事業主向けリーフレットが説明しています。

雇用保険の離職手続きを電子申請で提出いただいた後、ハローワークによる審査が終了したら自動的に離職票等の書類が離職者のマイナポータルに送信されます。

(出典:2025年1月から、希望する離職者のマイナポータルに「離職票」を直接送付するサービスを開始します!|厚生労働省)

マイナポータルで受け取るための条件

被保険者向けリーフレットは、条件を3つ挙げています。

  • あらかじめマイナンバーをハローワークに登録していること
  • マイナンバーカードを取得し、マイナポータルの利用手続きを行うこと
  • 事業所が電子申請により雇用保険の離職手続きを行うこと

3つ目が分かれ目です。

会社が紙で届け出た場合は、この経路は使えません。

リーフレットも「事業所が電子申請ではなく紙様式でハローワークに届け出た場合は、雇用保険被保険者離職票等はマイナポータル経由ではなく、従来どおり事業所から送付されます」と注記しています。

受け取ったあとの保存期間については、FAQが「5年間はマイナポータルの「お知らせ」から閲覧・ダウンロード可能です。」と書いています。

離職票が届かないとき、止まっている場所は3か所しかありません

流れを4段階に分けたので、詰まる場所も限られます。

詰まり方を表にする

止まっている場所起きていること本人ができること
会社が届け出ていない資格喪失届そのものが未提出ハローワークへ確認の請求(雇用保険法第8条)
離職証明書が付いていない離職票の交付を希望しない扱いで処理された会社へ離職証明書の交付を求める(施行規則第16条)
会社が本人へ渡していないハローワークは交付ずみだが手元に来ていない会社へ証明書の交付を請求(雇用保険法第76条第3項)

どの場合も、公的な窓口はひとつです。

なお、会社から離職票が交付されない場合や、事業主が行方不明の場合等については、住居地を管轄するハローワークにお問い合わせください。

(出典:雇用保険の具体的な手続き|ハローワークインターネットサービス)

離職票が届かないときに本人ができる請求は、条文に書いてあります

お願いではなく、法律上の請求権として書かれています。

会社に対する証明書の交付請求

離職した者は、厚生労働省令で定めるところにより、従前の事業主(略)に対して、求職者給付の支給を受けるために必要な証明書の交付を請求することができる。その請求があつたときは、当該事業主又は労働保険事務組合は、その請求に係る証明書を交付しなければならない。

(出典:雇用保険法 第七十六条第三項(e-Gov法令検索))

会社側は「交付しなければならない」と書かれています。

離職証明書の交付を求める

事業主は、その雇用していた被保険者が離職したことにより被保険者でなくなつた場合において、その者が離職票の交付を請求するため離職証明書の交付を求めたときは、これをその者に交付しなければならない。ただし、第七条第一項の規定により離職証明書を提出した場合は、この限りでない。

(出典:雇用保険法施行規則 第十六条(e-Gov法令検索))

この離職証明書を添えて請求すれば、ハローワークが離職票を交付する場面になります。

施行規則第17条第1項第2号と第3号が、その請求の受け皿です。

さらに同条第3項は、会社の所在が分からないなどやむを得ない理由があるときは離職証明書を添えなくてよい、と定めています。

そもそも届出がされていないとき

被保険者又は被保険者であつた者は、いつでも、次条の規定による確認を請求することができる。

(出典:雇用保険法 第八条(e-Gov法令検索))

「いつでも」と書かれています。

施行規則第8条第1項は、この請求を文書でも口頭でもできるとしています。

会社が応じない場合の罰則

事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。

(出典:雇用保険法 第八十三条(e-Gov法令検索))

その第1号が「第七条の規定に違反して届出をせず、又は偽りの届出をした場合」です。

第4号が「第七十六条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反して証明書の交付を拒んだ場合」です。

⇒ 届出をしないことも、証明書の交付を拒むことも、罰則の対象として条文に書かれています。

離職票が届く前でも、退職日から一定の日数が過ぎれば「仮手続き」ができます

待つ以外の選択肢が、公的資料に書かれています。

三重労働局の説明

その際は、離職票がない状況でも退職日から相当期間経過している場合は「仮手続き」という形で失業給付の申し込みができますので、早めの申し込みをご希望の方は、退職日翌日から数えて12日目以降にご来所ください。

(出典:雇用保険給付窓口からのお知らせ|三重労働局)

同じページは、前提として「失業給付の申し込みには原則離職票が必要です。」とも書いています。

ハローワーク福岡西の説明

離職票がなければ雇用保険の受給はできません。ただし、会社から離職票が届かない場合は、離職日の翌日から数えて12日目以降、離職票がなくても仮受付ができます。

(出典:失業等給付受給手続き|ハローワーク福岡西)

同じページには「12日目が土日祝日の場合は、12日目以降の開庁日から」という注も付いています。

ハローワーク半田の説明

離職から2週間ほど経っても離職票が届かない場合、離職票なしでも仮の手続きができることがあります。

(出典:失業給付の受給について|ハローワーク半田)

3つの窓口が、いずれも「12日目以降」または「2週間ほど」という目安を出しています。

ただし、この仮手続きを定めた条文は、雇用保険法と施行規則には置かれていません。

⇒ 根拠は法令ではなく、各労働局・各ハローワークが公表している運用の案内です。

⇒ 取り扱いが窓口ごとに違う可能性があるので、住居地を管轄するハローワークで確認するのが確実です。

離職票が届くのを待ちすぎると不利になる理由は、受給期間と待期の条文にあります

日数を気にする本当の理由は、ここです。

受給期間は離職日の翌日から1年

一 次号及び第三号に掲げる受給資格者以外の受給資格者 当該基本手当の受給資格に係る離職の日(以下この款において「基準日」という。)の翌日から起算して一年

(出典:雇用保険法 第二十条第一項第一号(e-Gov法令検索))

ハローワークインターネットサービスも同じ内容を書いています。

雇用保険の受給期間は、原則として、離職した日の翌日から1年間(所定給付日数330日の方は1年と30日、360日の方は1年と60日)です

(出典:基本手当について|ハローワークインターネットサービス)

この1年は、離職票が届いた日からではなく離職日の翌日から進みます。

⇒ 離職票を待っている間も、受給期間は減っていきます。

待期の7日は「求職の申込み」の後から数えます

基本手当は、受給資格者が当該基本手当の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)が通算して七日に満たない間は、支給しない。

(出典:雇用保険法 第二十一条(e-Gov法令検索))

起算点は退職日ではありません。

ハローワークで求職の申込みをした日が起点です。

⇒ 離職票が届くのが遅れるほど、待期7日の開始も後ろへずれます。

⇒ 「12日目以降なら仮手続きができる」という案内が出ている理由も、この構造から説明できます。

離職票が届いたあとの手続きと、失くしたときの再交付

届いてからやることも、公的資料に一覧があります。

受給資格の決定に持っていくもの

ハローワークインターネットサービスは、受給資格の決定について「住居を管轄するハローワークに行き、「求職の申込み」を行ったのち、「雇用保険被保険者離職票(-1、2)」を提出します。」と書いています。

同じページが挙げている持ち物は、離職票のほかに個人番号確認書類、身元確認書類、写真2枚、本人名義の預金通帳またはキャッシュカードです。

手続きの時間帯についても「雇用保険の手続きは、月曜日~金曜日(休祝日・年末年始を除く)の8時30分~17時15分です。」と書かれています。

離職票を失くしたとき

離職票を滅失し、又は損傷した者は、次の各号に掲げる事項を記載した申請書に運転免許証その他の離職票の再交付を申請しようとする者が本人であることを確認することができる書類を添えて、当該離職票を交付した公共職業安定所長に提出し、離職票の再交付を申請することができる。

(出典:雇用保険法施行規則 第十七条第四項(e-Gov法令検索))

再交付を受けると、前の離職票は効力を失います。

同条第7項が「離職票の再交付があつたときは、当該滅失し、又は損傷した離職票は、再交付の日以後その効力を失う。」と定めています。

マイナポータルで受け取ったデータを消してしまった場合について、厚生労働省のFAQはこう書いています。

ハローワークの窓口で写しをお渡ししますので、本人確認書類(免許証、マイナンバーカード等)をお持ちの上、お近くのハローワークへご来所ください。

(出典:マイナポータルを利用した離職票の受け取り FAQ|厚生労働省)

離職票がいつ届くかで、条文に定めがない点

条文に定めがない点と、公表されていない統計をまとめます。

離職票が本人の手元に届くまでの日数を定めた条文は、雇用保険法にも雇用保険法施行規則にもありません。

「離職票は平均で何日で届く」という統計も、官公庁からは公表されていない数字です。

仮手続き(仮受付)そのものを定めた条文も、置かれていません。

離職票はいつ届くのかについて、よくある質問

離職票は退職から何日で届くと決まっていますか

決まっているのは会社の届出の期限だけです。

施行規則第7条第1項が「当該事実のあつた日の翌日から起算して十日以内」と定めています。

そこから交付・送付までの日数を定めた条文はありません。

離職票が届かないときは、まずどこに連絡すればよいですか

厚生労働省のFAQは「離職票が届かない場合はまず事業所にお問い合わせください。」と書いています。

それでも交付されない場合や事業主が行方不明の場合は、住居地を管轄するハローワークへの問い合わせが案内されています(ハローワークインターネットサービス)。

離職票がなくても手続きを始められますか

三重労働局は、退職日翌日から数えて12日目以降であれば「仮手続き」ができると案内しています。

ハローワーク福岡西も、離職日の翌日から数えて12日目以降であれば仮受付ができると案内しています。

いずれも各労働局・各ハローワークの案内であり、条文で確認できたものではありません。

会社に「離職票はいらない」と言った覚えがないのに届きません

施行規則第7条第3項により、交付を希望しないときは離職証明書を添えないことができます。

この場合でも、施行規則第16条により離職証明書の交付を求めることができます。

条文は「これをその者に交付しなければならない」と書いています。

マイナポータルで受け取れば早く届きますか

厚生労働省は「事業所から書類が郵送されるのを待つ必要がなくなります」と説明しています。

ただし条件が3つあり、そのひとつは会社が電子申請で手続きを行うことです。

会社が届出をしないと、何か罰則はありますか

雇用保険法第83条第1号が、第7条の届出をしない場合を罰則の対象として挙げています。

同条第4号は、第76条第3項に違反して証明書の交付を拒んだ場合を挙げています。

まとめ:離職票がいつ届くかは「会社の10日」と「窓口の12日目」の2つの数字で読めます

条文と公的資料から言えることを3行にします。

  • 期限が条文にあるのは会社の届出だけで、施行規則第7条第1項の「十日以内」がそれにあたります。
  • そこから先の交付と送付には日数の定めが確認できず、経路は会社経由とマイナポータルの2つです。
  • 届かないときは、退職日翌日から12日目以降の仮手続きと、法第76条第3項・施行規則第16条・法第8条の請求が用意されています。

⇒ 待つ日数を数えるより、10日を過ぎたかどうかで動き方を切り替えるほうが条文に沿っています。

⇒ 受給期間の1年は離職日の翌日から進むので、待つこと自体に費用がかかっています。


この記事で使った一次資料

条文と資料の確認日は2026年9月12日です。

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