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海外赴任と所得税|非居住者になる基準と20.42%の源泉徴収を所得税法と国税庁資料で確かめた

「海外赴任になったら、日本の所得税はもう関係ない」。

赴任の話が出ると、必ずこの言い方が出てきます。

この記事は、その話が日本の法律と国税庁の公開資料の上でどこまで成り立つのかを確かめます。

体験談も、伝聞も、転職サイトのまとめも使いません。

使うのは、e-Gov法令検索に載っている条文と、国税庁がタックスアンサーとして公開している文章だけです。

先に結論を書きます。

1年以上の予定で赴任する人は、出国した時点で所得税法上の「非居住者」と推定され、そこから先は日本国内で生じた所得だけが所得税の対象になります。

ただし「関係なくなる」わけではありません。

出国する日までの給与は年末調整で精算され、日本の会社から支払われる役員報酬や、日本での勤務期間を含む賞与には、20.42パーセントの源泉徴収が残ります。

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海外赴任の所得税は、出国した日を境に「非居住者」の枠へ切り替わります

最初に、いちばん大事な区分を置きます。

所得税法が置いている区分は2つだけ

三 居住者 国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人をいう。

五 非居住者 居住者以外の個人をいう。

(出典:所得税法 第二条第一項第三号・第五号(e-Gov法令検索))

条文に「海外赴任」という言葉はありません。

分かれ目は「国内に住所があるか」と「引き続いて1年以上の居所があるか」の2つだけです。

そして、この2つに当てはまらない人が、そのまま非居住者になります。

「住所」は住民票のことではありません

「住所」は、「個人の生活の本拠」をいい、「生活の本拠」かどうかは「客観的事実によって判定する」ことになります。

(出典:国税庁 No.2875 居住者と非居住者の区分)

⇒ 住民票を抜いたかどうかで所得税の区分が決まるわけではありません。

見るのは、生活の中心がどこに移ったかという客観的な事実のほうです。

この記事が何を根拠にしているか

先に、この記事の作り方を書いておきます。

条文はe-Gov法令検索で本文を開いて確認したものだけを引用しています。

国税庁の記述は、タックスアンサーの本文を開いて、そこに書かれている文章だけを引用しています。

海外赴任が1年以上の予定なら、所得税法上は非居住者と推定されます

「1年以上」という線は、法律ではなく政令が引いています。

推定を置いているのは所得税法施行令第15条

国外に居住することとなつた個人が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者は、国内に住所を有しない者と推定する。一 その者が国外において、継続して一年以上居住することを通常必要とする職業を有すること。

(出典:所得税法施行令 第十五条第一項(e-Gov法令検索))

読みどころは、条文が「1年以上の赴任」ではなく「継続して一年以上居住することを通常必要とする職業」と書いていることです。

基準になっているのは、滞在した実績ではなく、就いた職業の性質のほうです。

⇒ だから、出国した日からすぐに非居住者として扱われます。

国税庁の書き方

このように国外に居住することとなった人は、国外における在留期間があらかじめ1年未満であることが明らかな場合を除いて原則として、所得税法上の非居住者と推定されます。

(出典:国税庁 No.1920 海外勤務と所得税額の精算)

もう1つ、源泉徴収の側からの説明も置いておきます。

役員や使用人が海外の支店などに1年以上の予定で転勤した場合には、一般的には所得税法でいう非居住者、1年未満であれば居住者になります。

(出典:国税庁 No.2517 海外に転勤する人の年末調整と転勤後の源泉徴収)

同行する家族も同じ推定を受けます

前項の規定により国内に住所を有しない者と推定される個人と生計を一にする配偶者その他その者の扶養する親族が国外に居住する場合には、これらの者も国内に住所を有しない者と推定する。

(出典:所得税法施行令 第十五条第二項(e-Gov法令検索))

⇒ 帯同する配偶者や子どもも、原則として同じ枠で扱われます。

海外赴任で非居住者になると、所得税がかかるのは国内源泉所得だけになります

課税される範囲そのものが縮みます。

納税義務の条文

非居住者は、次に掲げる場合には、この法律により、所得税を納める義務がある。一 第百六十一条第一項(国内源泉所得)に規定する国内源泉所得(次号において「国内源泉所得」という。)を有するとき(同号に掲げる場合を除く。)。

(出典:所得税法 第五条第二項(e-Gov法令検索))

国税庁は、この構造を1行で書いています。

非居住者は、日本国内において生じた所得(国内源泉所得)に限って課税されます。

(出典:国税庁 No.2010 納税義務者となる個人)

3つの区分を表にする

個人の区分定義課税所得の範囲
非永住者以外の居住者国内に住所を有する者、または国内に現在まで引き続き1年以上居所を有する者のうち非永住者以外国内および国外において生じたすべての所得
非永住者居住者のうち、日本国籍を有していない者で、過去10年以内に国内に住所または居所を有していた期間の合計が5年以下の者国外源泉所得以外の所得と、国外源泉所得で国内において支払われ、または国外から送金されたもの
非居住者居住者以外の個人国内源泉所得

この整理は国税庁 No.2010の表と、所得税法第七条第一項に基づいています。

給与はどこで線が引かれるか

イ 俸給、給料、賃金、歳費、賞与又はこれらの性質を有する給与その他人的役務の提供に対する報酬のうち、国内において行う勤務その他の人的役務の提供(内国法人の役員として国外において行う勤務その他の政令で定める人的役務の提供を含む。)に基因するもの

(出典:所得税法 第百六十一条第一項第十二号イ(e-Gov法令検索))

⇒ 線引きは「どこの会社が払ったか」ではなく「どこで働いたか」です。

日本の本社から振り込まれていても、勤務地が国外なら国内源泉所得には当たりません。

ただし、括弧の中に「内国法人の役員として国外において行う勤務」が入っている点は見落とせません。

役員だけは、国外で働いていても国内源泉所得の側に入る形になっています。

海外赴任の年の所得税は、出国する日までの年末調整で精算します

年末を待たずに、その年の分をそこで締めます。

出国日までに年末調整をする

扶養控除等(異動)申告書を提出した居住者で、その年の年末調整の対象となるその年中に支払うべきことが確定した給与等の支給額が2,000万円以下である者が、1年以上の予定で海外に転勤することになった場合には、給与等の支払を行う者は、その居住者が海外に出国する日までに、年末調整をしなければなりません。

(出典:国税庁 No.2517 海外に転勤する人の年末調整と転勤後の源泉徴収)

年末調整そのものの根拠は所得税法第百九十条にあり、義務を負うのは本人ではなく給与の支払者です。

⇒ 出国前の手続きを動かすのは会社の側で、本人がやるのは申告書を出すことです。

控除の当てはめ方が普段の年末調整と違う

国税庁は、保険料控除について次のように書いています。

なお、社会保険料や生命保険料などの保険料控除は、出国する日(居住者であった期間)までに支払われたものに限られます。

(出典:国税庁 No.2517)

一方で、扶養控除や配偶者控除の判定は別の基準です。

(1)生計を一にしていたかどうかおよび親族関係にあったかどうか:出国の時の現況

(2)合計所得金額の判定:出国の時の現況により見積もったその年の1月1日から12月31日までの合計所得金額

(出典:国税庁 No.2517)

⇒ 支払った金額は「出国日まで」、家族の状況は「出国の時の現況」、家族の所得は「その年1年分の見積もり」という3本立てです。

海外赴任の後に日本から払われる報酬の所得税は、20.42パーセントで源泉徴収されます

ここが、赴任後も日本の所得税が残る唯一の入り口です。

使用人と役員で扱いが割れる

また、非居住者となった使用人の海外における勤務に対する給与等は、国内源泉所得に該当しないことから源泉徴収の必要はありません。

(出典:国税庁 No.2517)

海外勤務に対する報酬であっても、内国法人の役員として受ける報酬は、国内源泉所得に該当することから、20.42パーセントの税率で源泉徴収が必要です。

(出典:国税庁 No.2517)

ただし、その役員が使用人として常時海外で勤務している場合は、源泉徴収の必要がないと同じページが続けています。

役員報酬の扱いは国税庁 No.1929 海外で勤務する法人の役員などに対する給与の支払と税務にも同じ形で書かれています。

出国後に届く賞与にも残る

しかし、海外で勤務している使用人や使用人として常時海外で勤務している役員に対して国内において賞与、ボーナスなどが支払われ、その計算期間内に日本で勤務した期間が含まれている場合には、日本での勤務期間に対応する金額に対して20.42パーセントの税率で源泉徴収が必要です。

(出典:国税庁 No.2517)

⇒ 出国後に振り込まれる賞与でも、対象期間に日本での勤務が入っていれば、その部分に課税が残ります。

ただし例外もあります。

給与等の計算期間の中途において居住者から非居住者となった場合、給与等の計算期間が1か月以下であれば、給与等の計算期間のうちに日本での勤務期間が含まれていても源泉徴収をしなくてもよいことになっています

(出典:国税庁 No.2517)

20.42パーセントという数字の内訳

この率は1つの法律から出ているわけではありません。

一 前条第一項に規定する国内源泉所得(次号及び第三号に掲げるものを除く。) その金額(次に掲げる国内源泉所得については、それぞれ次に定める金額)に百分の二十の税率を乗じて計算した金額

(出典:所得税法 第二百十三条第一項第一号(e-Gov法令検索))

前項の規定により徴収すべき復興特別所得税の額は、同項に規定する規定その他の所得税に関する法令の規定により徴収して納付すべき所得税の額(略)に百分の二・一の税率を乗じて計算した金額とする。

(出典:東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法 第二十八条第二項(e-Gov法令検索))

⇒ 20パーセントの所得税に、その2.1パーセントに当たる復興特別所得税を上乗せした結果が20.42パーセントです。

徴収して納める義務を負うのは、支払をする側です。

納付の期限は所得税法第二百十二条第一項が「その徴収の日の属する月の翌月十日まで」と定めています。

海外赴任でも所得税の確定申告が必要になる人がいます

年末調整で終わらない人が、ここで出てきます。

出国の時までに準確定申告が要る場合

なお、給与収入が2,000万円超の人や主たる給与以外に一定の収入があるなど確定申告が必要な人(略)が「出国」(納税管理人の届出をしないで国内に住所及び居所を有しないことになることをいいます。)するときは、その「出国」の時までに確定申告(準確定申告)をしなければなりません。

(出典:国税庁 No.1920 海外勤務と所得税額の精算)

この引用の括弧の中が、この記事でいちばん大事な定義です。

税法でいう「出国」は、飛行機に乗ることではありません。

納税管理人の届出をしないまま、国内に住所も居所も無くなることを指しています。

条文の側の書き方

居住者は、年の中途において出国をする場合において、その年一月一日からその出国の時までの間における総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額について、第百二十条第一項(確定所得申告)の規定による申告書を提出しなければならない場合に該当するときは、第三項の規定による申告書を提出する場合を除き、その出国の時までに、税務署長に対し、その時の現況により同条第一項各号に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。

(出典:所得税法 第百二十七条第一項(e-Gov法令検索))

年が明けてから3月15日までの間に出国する場合は、所得税法第百二十六条が、前年分の申告書を出国の時までに出すよう定めています。

⇒ 赴任の時期が1月から3月に重なると、前年分と当年分の2つが同時に動きます。

日本に不動産を残す場合

持ち家を貸して赴任する人は、この論点に当たります。

国内にある不動産の賃貸料については、原則として、非居住者がその支払を受ける際に20.42パーセントの税率により計算した額の所得税および復興特別所得税(令和9年分以後は所得税、防衛特別所得税および復興特別所得税)が源泉徴収されますが、この源泉徴収税額の還付を受けるための申告を行うこともできます。

(出典:国税庁 No.1926 海外勤務中に不動産所得などがある場合)

同じページは、借りた個人が自分や親族の住まいとして使う場合は源泉徴収されないとも書いています。

⇒ 誰に貸すかで、源泉徴収されるかどうかが変わります。

海外赴任の所得税は「納税管理人を出したか」で期限が丸ごと変わります

同じ人でも、届出の有無で申告の期限が別物になります。

根拠は国税通則法第117条

個人である納税者がこの法律の施行地に住所及び居所(事務所及び事業所を除く。)を有せず、若しくは有しないこととなる場合(略)において、納税申告書の提出その他国税に関する事項を処理する必要があるときは、その者は、当該事項を処理させるため、この法律の施行地に住所又は居所を有する者で当該事項の処理につき便宜を有するもののうちから納税管理人を定めなければならない。

(出典:国税通則法 第百十七条第一項(e-Gov法令検索))

国税庁の説明も同じ形です。

非居住者の方が、確定申告書の提出、税務署等からの書類の受け取り、税金の納付や還付金の受け取り等、国税に関する事項を処理する必要があるときは、納税管理人を定める必要があります。

(出典:国税庁 No.1923 海外勤務と納税管理人の選任又は解任)

届出書の名前は「所得税・消費税の納税管理人の選任・解任届出書」です。

提出先は、非居住者の納税地を所轄する税務署長です。

手続きの案内は国税庁「所得税・消費税の納税管理人の選任届出又は解任届出手続」にあります。

納税管理人は法人でも個人でもよいと国税庁は書いています。

出したときと出さないときの違いを表にする

場面納税管理人を出した場合出さない場合
税法上の扱い「出国」に当たらない「出国」に当たる
赴任した年の申告期限翌年2月16日から3月15日までの間に、納税管理人を通じて申告・納税出国の時までに準確定申告
申告する所得の範囲居住者期間のすべての所得と、非居住者期間の国内源泉所得の合計額準確定申告では居住者期間のすべての所得。非居住者期間に国内源泉所得があれば、後日あらためて合計額で申告
税務署からの書類納税管理人あてに送付される本人あてのまま
還付金の受け取り納税管理人が処理できる本人が処理する必要がある

この整理は国税庁 No.1926の「非居住者の申告等の方法」とNo.1923に基づいています。

⇒ 届出を1枚出すかどうかで、期限が「出国の日まで」から「翌年3月15日まで」に変わります。

海外赴任の前に1億円以上の有価証券があると、所得税の国外転出時課税がかかります

給与の話とはまったく別に、資産の側から入ってくる課税があります。

国外転出(国内に住所および居所を有しないこととなることをいいます。以下同じです。)をする時点で、1億円以上の有価証券等、未決済信用取引等または未決済デリバティブ取引(以下「対象資産」といいます。)を所有等(所有または契約の締結をいいます。以下同じです。)している場合には、一定の居住者に対して、国外転出の時に、対象資産の譲渡または決済(以下「譲渡等」といいます。)があったものとみなして、対象資産の含み益に対して所得税が課税されます

(出典:国税庁 No.1478 国外転出をする場合の譲渡所得等の特例)

対象になる人の2つの条件

同じページは、対象者を2つの条件の両方に当てはまる人と書いています。

1つ目は、国外転出の時に所有等している対象資産の価額等の合計額が1億円以上であることです。

2つ目は、原則として、国外転出をする日前10年以内に国内に住所または居所を有していた期間の合計が5年を超えていることです。

⇒ 一般的な会社員の赴任で、この2つを同時に満たす場面は限られます。

納税猶予と、帰国したときの取消し

国外転出の時までに納税管理人の届出をするなど一定の手続をした場合、国外転出の日から5年間、納税を猶予することができると国税庁は書いています。

延長の届出をすれば最長10年間です。

さらに、国外転出の日から5年以内に帰国し、その時まで引き続き所有している対象資産については、課税の取消しをすることができるとしています。

⇒ ここでも、鍵になるのは納税管理人の届出です。

海外赴任先との租税条約で、日本の所得税が免除されることがあります

国内法だけで話が終わらない場面です。

勤務することとなった国とわが国との間で租税条約が締結されている場合には、その租税条約に定めるところにより、所得税が免除されることがあります。

(出典:国税庁 No.2517)

国税庁は、その例として3つの要件を挙げています。

1つ目が「日本での滞在期間が、その年に開始し又は終了するいずれの12か月の期間においても合計183日以下であること」です。

2つ目が、内国法人から給与等が支払われるものではないことです。

3つ目が、給与等が日本にある支店等によって負担されていないことです。

ただし同じページは、要件は租税条約によって異なると注意書きをしています。

また、どちらの国の居住者になるかの判定方法も条約が定めていると国税庁 No.2875が説明しています。

その一例として、個人については恒久的住居の場所、利害関係の中心がある場所、常用の住居の場所、国籍の順で判定すると書かれています。

海外赴任の所得税でやることを、時系列の表にします

ここまでの条文と国税庁の記述を、順番に並べ直します。

タイミングやること根拠
赴任が決まった時点予定期間が1年以上かを確認する(1年未満が明らかなら居住者のまま)所得税法施行令第15条/国税庁 No.1920
出国の前保険料控除申告書、扶養控除等申告書の異動、基礎控除等の申告書を会社に出す国税庁 No.1920
出国する日まで会社が年末調整を行い、その年の所得税を精算する所得税法第190条/国税庁 No.2517
出国する日まで(該当者)納税管理人の届出書を、納税地の所轄税務署長に出す国税通則法第117条/国税庁 No.1923
出国する日まで(届出をしない人)準確定申告をする所得税法第127条/国税庁 No.1920
出国した後国内源泉所得があれば20.42パーセントの源泉徴収を受ける所得税法第212条・第213条/復興財確法第28条
翌年2月16日〜3月15日納税管理人を通じて確定申告・納税をする国税庁 No.1926
帰国したとき納税管理人の解任届出書を出す国税庁 No.1923

この表の行のうち、本人が動くかどうかで結果が変わるのは「納税管理人の届出」だけです。

海外赴任と所得税についてよくある質問

赴任が1年ちょうどの予定なら、非居住者になりますか

国税庁は「1年以上の予定で転勤した場合には、一般的には所得税法でいう非居住者、1年未満であれば居住者になります」と書いています(No.2517)。

条文の側は「継続して一年以上居住することを通常必要とする職業」という書き方です(所得税法施行令第15条)。

海外赴任中に日本の会社から給与が振り込まれたら所得税はかかりますか

使用人であれば、海外での勤務に対する給与は国内源泉所得に当たらないため源泉徴収の必要はないと国税庁が書いています。

ただし内国法人の役員として受ける報酬は国内源泉所得に該当し、20.42パーセントの源泉徴収が必要です(No.2517)。

納税管理人は家族でもいいのですか

国税通則法第117条第1項は、施行地に住所または居所を有する者で、処理につき便宜を有する者のうちから定めると書いています。

国税庁は「納税管理人は法人でも個人でも構いません」としています(No.1923)。

帰国したら何か手続きが要りますか

帰国して居住者になるなど、先に選任していた納税管理人を解任する場合は、納税地を所轄する税務署長に届出書を提出しなければならないと国税庁が書いています(No.1923)。

確定申告書はどこの税務署に出すのですか

納税管理人の届出をした場合でも、確定申告書は非居住者の納税地を所轄する税務署長に対して提出するとNo.1923が書いています。

納税地そのものの考え方は国税庁 No.2029 確定申告書の提出先(納税地)にまとまっています。

まとめ:海外赴任の所得税は「非居住者になった日」と「納税管理人を出したか」で決まります

条文から言えることを3行にします。

  • 1年以上の予定の赴任は、所得税法施行令第15条により国内に住所を有しない者と推定され、非居住者として扱われます。
  • 非居住者に課税されるのは所得税法第5条第2項と第7条第1項第3号がいう国内源泉所得だけで、国外での勤務に対する使用人の給与はここに入りません。
  • 税法でいう「出国」は納税管理人の届出をしないで国内に住所も居所も無くなることを指し、届出の有無で申告期限が変わります。

⇒ したがって「海外赴任すれば日本の所得税は関係ない」は、使用人の国外勤務給与に限れば条文と一致します。

⇒ 一方で、役員報酬・日本勤務期間を含む賞与・国内不動産の賃貸料には、20.42パーセントの源泉徴収が残ります。


この記事で使った一次資料

条文と国税庁の記述の確認日は2026年9月12日です。

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